2019年1月3日

実は犬じゃない?狛犬の役割と歴史について

狛犬とは、神社やお寺の入り口にある犬に似た像のことです。誰でも見たことがある狛犬ですが、その役割や歴史について知っている人はあまりいないかもしれません。

ここでは、狛犬が神社やお寺に置かれているその由来や狛犬の起源などについてまとめました。

狛犬の役割

狛犬の全体像 狛犬は犬や獅子によく似た姿をした想像上の生き物で、神聖な場所を守る存在として神社やお寺に置かれています。これは獅子には悪を食らう力があるという考えがあるからで、お正月に目にする獅子舞が頭を噛むのも同じ理由からです。

ちなみに対になっている狛犬をよく見ると、片方が口を開けていてもう片方が口を閉じていることがわかります。

これには意味があり、口を開いた右側の狛犬は「阿」、口を閉じた左側の狛犬は「吽」で、両方合わせると「阿吽」となります。

「阿」と「吽」はインドでかつて使われていたサンスクリット語の最初の文字と最後の文字で、「阿吽」とすると「最初から最後まで」という意味になります。そして、これには「人生の始めから終わりまで」という意味が含まれています。

このことから、仏教の考え方では「阿吽」は「この世に生まれて悟りを求め、涅槃(ねはん)に至ること」という意味になります。なお、涅槃とは煩悩を消すことで辿り着ける不生不滅の境地のことを指します。

大きな寺院にいる金剛力士像は狛犬のように対になっており、片方は口を開けた「阿形」、もう一方は口を閉じた「吽形」です。この阿形と吽形も、狛犬と同じ意味を持っています。

ちなみに、「阿」は発音するときに口を開けるため「吐く息」を意味し、「吽」は発音するときに口を閉じるため「吸う息」を意味します。これを合わせるという意味から、「阿吽の呼吸」という言葉が生まれました。



狛犬の歴史

エジプトのスフィンクス像
狛犬の歴史は非常に長く、その起源は古代エジプトやメソポタミアだと考えられています。これらの地域ではライオンは権力の象徴としてとらえられており、またライオンの像は神域を守るとされていました。

エジプトの王家のシンボルであるスフィンクスが人間の顔とライオンの身体をもっていることからも、ライオンが特別な存在として扱われていたことが分かります。

これらの地域で広まったライオンに対する考えは、その後インドへと伝わっていきました。

当時のインドでは仏教が広まっていたため、仏の両脇にライオンが守護獣として置かれたそうです。そして、このことが狛犬の直接の起源となったとされています。

インドで定着したライオンを特別な動物だとする考えはその後シルクロードを通って中国に伝えられました。ここでライオンと中国で伝わる架空の動物である霊獣を融合させたものが、現在の狛犬の原型となっています。

中国から日本に狛犬が伝来したきっかけは諸説ありますが、有力とされているのは中国の唐の時代に仏教とともに伝わったという説です。

そして、その後は日本独自の狛犬の形が確立されていきました。



狛犬に性別はあるの?

狛犬は二匹が対になっていることから、片方がオスでもう片方がメスなのではないかという噂を耳にすることがあります。たしかに、番(つがい)なのではないかと思う人がいても不思議ではありません。

性別については様々な説がありますが、はっきりと決まっているわけではないようです。しかし鬣(たてがみ)があるオスのライオンが起源であることを考えると、狛犬はオスだと考えるのが自然かもしれません。

狛犬の写真 狛犬は神社やお寺に置かれていることから日本古来のものだと思ってしまいがちですが、そもそもの起源は外国です。これは少し意外だったかもしれませんね。

次に神社やお寺へ行ったときには、神聖な地を守っている狛犬をじっくりと観察してみてください。

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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


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