2017年6月23日
アイリッシュセッターってどんな犬?魅力と飼うときのポイント
アイリッシュセッターは、セッター種のなかでもイングリッシュセッターと人気を二分する人気犬種です。
人気の秘密は、やはり美しい容姿ではないでしょうか。
艶やかな被毛で覆われたアイリッシュセッターは、他の大型犬にはない優美さがあります。
もちろんアイリッシュセッターの魅力は見た目だけではありません。
ここでは、アイリッシュセッターの特徴や性格、飼い方のコツ、気をつけたい病気などについてまとめました。
もくじ [非表示]
アイリッシュセッターの歴史
アイリッシュセッターの起源は明らかになっていませんが、イギリスのアイルランド地方だと考えられています。誕生したのは15世紀頃だと考えられており、鳥猟犬として重宝されました。その後は、猟犬としての能力をさらに高める目的でイングリッシュセッターやゴードン・セッター、アイリッシュテリア、スパニエル、ポインターなどとの交配が進められたとされています。
18世紀に入るとイギリス全土にアイリッシュセッターの能力の高さが知れ渡るようになり、たちまち人気の犬種となりました。この頃は、レッドとホワイトが混ざった毛色をしていたようです。
19世紀にドッグショーに出るようになると、首の長い気品のあるアイリッシュセッターが高く評価されるようになりました。それからは首が長い個体を選択的に作出されるようになりました。
イギリスで犬種標準書が作成されたのは1886年のことで、1998年には作業能力についての基準も策定されました。
そんなアイリッシュセッターは現在でも猟犬として改良を続けられているほか、ドッグショーや鳥猟犬としての能力を競うフィールド・トライアル競技でも大活躍しています。
名前の語源
アイルランド原産の犬種だと考えられていること、そしてセッター種であることからアイリッシュセッターと名付けられました。セッター種は獲物を探し出すことを得意とする猟犬で、セッターという名前は伏せ(セット)をして獲物の位置を知らせることからきているそうです。
セッター種には、アイリッシュセッターの他にもイングリッシュセッター、アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セッター、イングリッシュ・ポインター、イタリアン・スピノーネ、イタリアン・ポインティング・ドッグなどの犬種が知られています。
アイリッシュセッターの特徴
アイリッシュセッターを飼う人のほとんどが、その美しい容姿に魅せられたのではないかと思います。首が長くすらっとした体型と、美しく伸びたマホガニーレッドの被毛は、上品な雰囲気を醸し出します。
さらに耳や胸、お腹、しっぽ、足の後ろにある飾り毛がエレガントさをプラスしています。
ちなみに、アイリッシュセッターの持つ飾り毛は鳥猟犬として活躍してきた犬種だからこそのものです。
鳥を追いかけて駆け回る際に、草木で体が傷つかないように自分自身を守ることができるのです。
大型犬に分類され、体高は64~69㎝ほど、体重は27~33㎏ほどです。見た目の雰囲気とは裏腹に、しっかりとした筋肉がついています。
股関節形成不全という関節の病気になりやすいので肥満には十分気を付けましょう。
アイリッシュセッターの性格
エレガントな雰囲気のあるアイリッシュセッターですが、その性格は見た目とはギャップがあります。そのギャップも魅力のひとつだといえるでしょう。忠誠心がある
飼い主に対して厚い忠誠心があり、しつけが行き届いたアイリッシュセッターは優秀なパートナーとなります。寂しがり屋で、家族と過ごす時間を好みます。勇敢
アイリッシュセッターは心が強く、小さなことでは動じません。猟犬らしい、怖いもの知らずといえる性格をしています。陽気
明るく陽気な性格で見た目は落ち着いていますが、子どもっぽい一面があります。感受性が豊かで、しつけが不十分な場合は、過剰に興奮することがあります。
フレンドリー
アイリッシュセッターは社交性の高い犬です。そのため、他の犬種とも仲良くすることができます。多頭飼いしている家庭でもオススメできる犬種です。穏やか
争いを好まない性格で、特に成犬になると穏やかです。子どもとも相性が良いといえるでしょう。アイリッシュセッターの飼い方のコツ
アイリッシュセッターを飼うときには、以下の点を心得ておきましょう。十分な運動をさせよう
アイリッシュセッターを飼うときに考えなければいけないのは、溢れんばかりの運動欲をどのように満たしていくかです。アイリッシュセッターはもともと猟犬で、鳥の狩りを中心に行っていました。そのため、1日100㎞以上を走りぬくことができる体力を持っています。
運動不足になるとストレスを溜めてしまうため、問題行動につながる可能性があります。散歩は最低でも1日2回、30~60分ほどを目安に行ってください。
のんびり歩くだけでは不十分なので、一緒にジョギングしたり自転車で長い距離を走らせてあげましょう。
また、ドッグランに連れて行って思い切り走らせてあげたり水泳をさせるのもオススメです。アウトドアが好きな人が、飼い主として適性があるといえます。
しつけは根気よく
比較的トレーニングやしつけがしやすい犬種だといわれています。頭が良いので一度教えたことは忘れません。ですが、おおらかでマイペースな面があるためしつけには根気が必要です。きちんとしつけると、アイリッシュセッターとの生活は楽しいものになります。
被毛の手入れは必須
アイリッシュセッターの一番の特徴である被毛を美しく保つためにも、お手入れは丁寧に行いましょう。こまめにブラッシングをすることで、皮膚疾患の予防にもつながります。また、飾り毛は定期的にトリミングしてもらうことをオススメします。
アイリッシュセッターは「胃拡張」「胃捻転」に注意
アイリッシュセッターは胃拡張や胃捻転になりやすい犬種です。胸が深い体型をしているため胃が固定されず、何かの拍子に胃が大きくなったりねじれたりしてしまうのです。
原因としては、ドカ食いや食事の後の運動などが挙げられます。また、ストレスや加齢もリスクファクターだといわれています。
胃拡張や胃捻転は、なんらかの原因により胃の中で発生したガスです。
拡張した、あるいはねじれた胃は他の臓器を圧迫し、壊死させてしまいます。大量のよだれを流していたりお腹を舐めていたりしたら、胃拡張や胃捻転を疑いましょう。
胃拡張と胃捻転は、どちらも命を落とす可能性のある重篤な症状です。
数分でショック状態に陥ることもあり、一刻も早く対処してあげる必要があります。
また、適切な処置を行ったとしても数日後に命を落とすことも多く、再発のリスクもあります。
アイリッシュセッターの平均寿命は12~15歳頃で、セッター種の中では長命な犬種です。
しかし、胃拡張や胃捻転はそんなアイリッシュセッターの命をあっという間に奪ってしまいます。
普段から密なコミュニケーションを取り、異変があったらすぐに気づける状態にしておくことが大切です。
まとめ
アイリッシュセッターを飼う上での最大のポイントは、鳥猟犬ならではの豊富なスタミナをどのように解消させてあげるか?ということです。運動量をしっかりと確保できる環境があれば、アイリッシュセッターは自慢の愛犬になってくれるでしょう。
運動が好きでアクティブな人にはぴったりの犬種なので、犬種選びで迷っている方はぜひアイリッシュセンターを検討してみてください。
文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。
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