2017年12月11日

【行政書士が解説】Q「ペット同伴の避難訓練はどうやって実現すべき?~ペットのための避難訓練〈中編〉~」

監修にご協力いただきました!

平成元年3月 法政大学法学部法律学科卒業

(司法試験浪人)
平成4年3月 株式会社市進(現、株式会社市進ホールディングス) 入社
平成25年1月 行政書士試験 合格
平成28年2月 行政書士齊藤学法務事務所 開設

前編〉では、ペット同伴避難訓練の必要性をお伝えし、避難訓練前に必要なこととして、しつけの問題を取り上げました。

〈中編〉では、ペット同伴の避難訓練実施までの問題点を取り上げたいと思います。

ペットと暮らす住民だけでの同伴避難訓練

飼い主と並んで歩く二匹の犬の様子 ペット同伴の避難訓練を経験したことがあるという方が、圧倒的に少数派でしょう。

そのような状態で、いきなりペットと暮らす住民とそうでない住民が一緒に避難訓練をするのは、無謀と言わざるを得ません。どちらの住民もパニックです。

そこでまずは、犬と暮らす住民だけで同伴避難訓練を実施してみるのです。従来から実施している人だけの避難訓練は、そのまま継続します。

犬同伴の避難訓練を行う際に想定されるトラブルには、以下のものがあります。
☑興奮した犬の吠える声
☑興奮しての脱糞やおしっこ
☑犬どうしのケンカや暴走
☑他の飼い主への威嚇や噛み付き行為
☑ペットと暮らしていない住民との接触
普段はしっかりとしつけができている犬でも、通常とは異なる大勢の人や犬に興奮してしまうことは、当然です。

なので、最初の段階では犬と暮らす住民だけの実施が、好ましいのです。年に2回くらいは、練習する必要があるでしょう。

落ち着いて同伴訓練ができるようになれば、猫と暮らす住民の方と一緒に行います。

猫の場合は、基本はケージでの避難になりますから、慣れやすいはずです。それでも環境の変化に驚く猫もいるので、やはり避難訓練に慣らすことが必要なのです。

何とか犬や猫が慣れて来たら、いよいよペットと暮らしていない住民との合同で、避難訓練を行いましょう。

マンションの避難訓練に、ペットも参加する

マンションを目の前に座っている犬の後ろ姿 いよいよ本番の避難訓練です。最初は避難するタイミングをわざとずらした上で、全世帯での避難訓練としましょう。

タイミングをずらすというのは、最初にペットと暮らしていない住民が避難行動をとります。その後にペットと暮らす住民が避難行動を行うということです。

初めてのときには、やはりペットと暮らしていない住民への影響を最大限に考慮すべきです。最初に失敗すると、ペット同行の避難自体を否定されかねません。くれぐれも慎重に行いましょう。

年一回の避難訓練ならば、せめてこのようなタイミングをずらした避難訓練を3回はやるべきです。ペットと暮らしていない住民が安心感を抱き、ペットたちが慣れてくれれば、大成功となるわけです。

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文:齊藤 学
小学生時代は小説家、中学生時代には弁護士になる夢を持つ。高校生の頃に獣医学部を目指すも、数学が苦手で挫折。小説家と弁護士を天秤にかけ、弁護士の道を選んだものの、結果は見事惨敗。

東日本大震災をきっかけに、法律の勉強に再チャレンジ。家族を説得して脱サラし、行政書士事務所を開設。

日々持ち込まれるご相談やご依頼手続きに走り回りながら、ご縁に感謝する日々を送っております。


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