2017年7月5日

カニンヘン・ダックスってどんな犬?その性格や歴史

ドイツのシンボルであり、世界中でも大人気のダックス・フンド。3種類のサイズがありますが、その中でもスタンダード、ミニチュアに次いで一番小さなサイズのダックスがカニンヘン・ダックスです。

カニンヘン・ダックスはどんな犬なのでしょうか。今回その歴史や性格、被毛の種類やカラーなどの特徴、サイズ、寿命や飼うときポイントをお話しします。

カニンヘン・ダックスの基礎知識

カニンヘン・ダックスの歴史

花を頭に乗せているダックス 「ダックス」はドイツ語でアナグマ、「フンド」は犬という意味で、直訳すると、「アナグマ犬」です。その名前の通り、主にアナグマの狩りで活躍してきた犬種です。

古くから存在していた土着の胴長短足の犬が祖先犬と言われていて、中世の頃にはすでに存在が確認されていました。

胴長短足の体型は、昼寝しているアナグマの巣穴に入り込むのに最適でとても重宝されていました。負傷した獲物の探索や追跡も大得意なので、とにかく猟犬として人間に大事にされてきた犬です。

19世紀に入ると、アナグマよりも小さなウサギやイタチなどを狩るためのミニチュア・ダックスフンドが作出され、そして、さらに小さなウサギ専門に狩りをするために生まれたのがカニンヘン・ダックスです。

そのため、カニンヘン・ダックスは別名ラビット・ハウンドと呼ばれたりもしています。ちなみにダックスフンドは現在もヨーロッパで猟犬として活躍しています。

カニンヘン・ダックスのサイズ

屋外で遊んでいる二匹のダックスの子犬 現在、ダックスフンドには以下の3種類があります。
これらは体高や胸囲によって種類分けがなされています。

スタンダード

体高:20~23cm
体重:9~12kg

ミニチュア

体高:13~15cm
体重:4~5kg
胸囲:35cmが理想

カニンヘン

体高:12~13cm
体重:3kg前後
胸囲:30cm以下が理想

ダックスフンドは基本的に上記のような大きさで分類されています。それに加えて、被毛のタイプも3種類あります。

カニンヘン・ダックスの被毛

スムース・ヘアー

最も古いダックスフンドの被毛だと考えられています。短く密生した光沢のある被毛にはマダラが一つもありません。まるでビロードのように美しいのが特徴です。

ロング・ヘアー

耳、胸、4本の足、尻尾に飾り気がある長い被毛が特徴です。スパニエル種と交配させることで作出しました。

ワイヤー・ヘアー

針金状の硬い被毛でおしゃれな眉とひげがあるのが特徴です。シュナウザーやテリアと交配させることで生まれました。

カニンヘン・ダックスのカラー

タオルをかぶっているダックス ダックスフンドの毛色はさまざまで、レッド、イエローなどの単色、チョコレート&タンなどの2色タイプ、さらにダップルやブリンドルなどバリエーション豊かです。

ワイヤーヘアーのダックスにはさらにイノシシ色や枯葉色、ソルト&ペッパーというユニークなカラーも認められています。

3つのサイズに3つの被毛、カラフルな毛色で個性がたくさんあることもダックス・フンドの魅力です。

カニンヘン・ダックスの性格は?

海辺に立っているダックス カニンヘン・ダックスも、スタンダードやミニチュアと同じように、勇敢で従順、賢く愛情が深い犬です。しかし、頑固な一面もあり、例えば匂いを追いかけている時など、自分の好きなことに集中している時は命令を聞かなくなったりする傾向があります。

信頼した家族に対しては最大限の愛情を向けますが、知らない人には警戒心を強く持つので番犬にも向いています。

毛質によって若干性格が異なると言われていて、スムースは活発で友好的、ロングは穏やかで比較的甘えん坊、ワイヤーに関しては作出する際にテリアの血が入っているので、少しやんちゃで気が強く、頑固な面が強い場合があります。

カニンヘン・ダックスのしつけ

男性の足元で吠えているダックス カニンヘン・ダックスは賢い犬種ですが、やんちゃで負けず嫌いなところがあるので、無駄吠え防止なども含めて小さい頃からきちんと躾けることが大切です。

とにかく警戒心を持つとよく吠える犬になってしまうので、子犬の時にいろんな人に会わせ、外の世界にたくさん触れさせて、社会性を養い、神経質な犬に育てないようにすることが大切です。

少しマイペースなところがあるので、飼い主が根気よく教えてあげるようにしましょう。


カニンヘン・ダックスの平均寿命と長生きのヒント

原っぱで座っているダックス

カニンヘン・ダックスの平均寿命

カニンヘン・ダックスの平均寿命は14~17歳です。犬の平均寿命が15歳前後なのを考えると、平均よりも長生きする丈夫な犬種であることがわかります。

カニンヘン・ダックスがかかりやすい病気

カニンヘン・ダックスのように、胴長短足の犬種は総じて腰を痛めやすく、椎間板ヘルニアなどを発症しやすい傾向にあります。

ダックスフンドは広い平原を走り回る犬種で、階段などの段差を行き来するのには向いていません。日常的に階段の上り下りをさせないこと、ソファやベッドに自分で飛び乗らないように教えることが大切です。

また、フローリングの床は滑りやすく、これも腰を痛める原因になるのでカーペットなどを敷いてあげてください。

長生きのために気を付けること

雪道を歩いているダックス 小型犬なので、室内飼いをお勧めします。寒さに弱いので、冬は空調を調節して暖かく過ごせるようにしましょう。

また、夏場はエアコンによる冷やしすぎにも注意が必要です。愛犬がいつもと違う様子を見せた場合は、躊躇せずにすぐに動物病院に連れて行くようにしましょう。

また、カニンヘン・ダックスは食欲が旺盛でとても肥満になりやすい犬種です。肥満になると椎間板ヘルニアのリスクが上がる他、心臓病や糖尿病のリスクも生まれます。運動と食事のバランスをしっかり考えてあげるようにしましょう。

カニンヘン・ダックスを飼うときのポイント

散歩しているダックス

カニンヘン・ダックスの日々のお手入れ

被毛のタイプにあったお手入れをしてあげるようにしましょう。スムースヘアーは固く絞った濡れタオルでマッサージするように、ロングとワイヤーはブラッシングが必須です。

耳が垂れている犬種なので、外耳炎を防ぐためにも耳掃除をこまめに行ってあげてください。

カニンヘン・ダックスの運動量とお散歩は?

小さいながらも元猟犬というだけあって、見かけよりも必要な運動量が多い特徴があります。朝夕2回、15分から20分程度はお散歩させてあげましょう。

ただしこの時も、ジャンプや階段の上りおりは腰に負担があるので散歩コースはある程度配慮してあげる必要があります。

足が短いので、お腹と地面の距離が近く、夏場のコンクリートの照り返しによるダメージが他の犬種に比べて大きくなります。真夏のお散歩は、午前中か日没後にしてあげた方が賢明です。

まとめ

原っぱで立っているダックス カニンヘン・ダックスは、ピカソやウォーホルなどの芸術家に愛された犬でもあります。中世から人間と共に過ごしてきた歴史のある素晴らしい犬種です。

寿命も平均より長いため、しっかり健康管理をしておけば末永く生活を共にできるパートナーとなります。

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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


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