2018年5月4日

犬の目から見た世界について

「犬は視力が悪い」「犬から見た世界は白黒」と耳にした事があるかもしれません。

しかし、犬の俊敏な動きをみていると視力が悪いと感じないのではないでしょうか。

ここでは、犬からどのように世界が見えているのかについてご紹介します。

犬の視力について

犬がメガネをかけている様子 まずは、犬の視力についてご紹介します。

犬の視力は0.3未満

犬の視力は0.3未満だといわれており、正常の状態では人間よりも視力が悪いといえます。

そのため、飼い主の顔であっても数メートル離れるとぼやけて見えてしまうようです。

近すぎても見ることが難しいので、適度な距離感でアイコンタクトを取ってみてあげてください。

犬の視力が悪い理由

犬の視力が悪い理由として、以下が挙げられます。

・人間よりも水晶体が分厚いためピントが合わせにくい
・人間よりも目と目が離れているためピントが合わせにくい
・ピントを合わせるための筋肉が発達していない

こういった理由から犬の視力はあまり良くありませんが、聴力や嗅覚は人間よりも優れているため日常生活で困ることはありません。

犬種による違い

犬の視力は全体的に悪いといえますが、犬種による違いもあります。

ジャーマンシェパードは近視傾向、ハウンド犬は遠視傾向が強いといわれています。

犬の色の見え方

海辺で犬と少女が並んで座っている様子 目には「錐状体」と呼ばれる色を識別するための細胞がありますが、犬の錐状体は人と比較すると発達していません。

そのため色の識別能力に乏しく、見える色は青~黄のみだといわれています。

カリフォルニア大学で行われた実験によると、犬の目には赤は「灰色」、紫は「青のような色」、緑やオレンジは「黄色のような色」として認識されているそうです。

このように、犬は赤などの色をしっかりと識別することができません。

そのため、赤色のボールで遊んでいると、ボールを見失ってしまうことがあります。

ボールを買うときには、認識しやすい青色などのボールを選ぶことをおすすめします。


犬の視覚は人間より劣っている?

犬が棒を咥えて遊んでいる様子 犬は視力が悪く、色の識別も苦手ですが、犬の視覚が人よりも劣っているとは言い切れません。

ここでは、犬の視覚の優れた部分を紹介します。

視野が広い

犬の目は、人よりも少し離れた位置についていることから、250~270度という広範囲を見渡すことができます。

人間の視野が180度ほどであることを考えると、非常に広い視野をもっていることが分かります。

暗い夜でもよく見える

目はいくつかの層から成っていますが、犬の目には人にはない「タペタム層」があります。

これは反射板として機能しており、弱い光を倍増させて感知することができます。

また杆体という光を感知するための細胞も多く、その数は人間の約8倍です。

そのため、犬は暗い夜でも物体をよく認識することができ、その能力は人間の5倍ほどだと言われています。

これは、犬がもともと夜行性であったことから夜でも見えるように進化したためだと考えられます。

全ての犬種がタペタム層をもっているわけではなく、例えばシベリアンハスキーなどはタペタム層をもっていません。

これは、1年を通して雪が積もっている地域で暮らしていたため常に十分な光を取り入れることができたからだといわれています。

動体視力が優れている

犬は狩りをして生きていた動物のため、非常に優れた動体視力をもっています。

牧羊犬やハウンド犬などの犬種であれば1500m先の獲物を視覚で認識することができるといわれています。

フリスビーなどが得意なのは、動体視力が優れていることも要因だと言えます。

まとめ

犬が何かを見ている様子 犬と人の目は、基本的にはほとんど同じ構造をしています。

しかしながら、両者における世界の見え方は大きく異なります。

このことを認識しておくと、愛犬とのコミュニケーションがより取りやすくなるかもしれません。

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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


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