2018年3月22日

『ペロッ』犬が自分の鼻を舐める理由

飼い主の方であれば、愛犬が自分の鼻を舐めている姿を目撃されたことがあるかもしれません。

鼻を舐めることが出来る犬の舌の長さにも驚かされますが、「なぜ犬は頻繁に鼻を舐めるのだろう?」と疑問にも思うのではないでしょうか。

ここでは、犬が自分の鼻を舐める理由についてご紹介します。

嗅覚を敏感に保つ

犬が何かを見ながら鼻を舐めている様子 犬が自分の鼻を舐める理由として、最も有名なものは「嗅覚を敏感に保つため」だといわれています。

犬の嗅覚は人間の100万~1億倍とも言われ、聴覚と共に、犬にとって情報収集の重要な手段となる器官だといえます。

この繊細な嗅覚を持っていたために、人と犬の共存関係は古くから始まり、かつては狩猟犬として、現代では犯罪捜査や人命救助の現場で、私たち人間を助けてくれています。

犬の最大の特徴ともいえる嗅覚の力を最大限に引き出すためには、鼻が湿っている必要があります。

湿った鼻先が鋭い嗅覚の秘密

健康な状態の犬の鼻先は、しっとりと湿っていることをご存知かもしれません。

犬の鼻は涙腺と繋がっているために、少量ですが涙が鼻に伝わっています。

そうすることで、犬の鼻先は常に湿っているような構造になっています。

鼻先が湿っていることで、匂いの粒子が鼻先に付きやすくなり、犬はその繊細な嗅覚によって匂いからの情報を得ています。

活動開始の合図としての鼻舐めとは

犬が鼻を舐めている様子 眠っている犬を観察すると、ピクリ、ピクリと耳は動いていますが、起きているときほど鼻先を舐めません。

犬が眠っているときは、涙腺から流れる涙の量が減り、犬の鼻先は乾燥した状態となるのですが、眠っているときの情報収集の多くは聴覚で行っていると考えられています。

睡眠から目覚めると、犬は自分の鼻先を舐めて嗅覚の準備を整えます。

こうすることで、聴覚と嗅覚を生かした情報収集が行える状態となります。

寝起きに鼻などを舐めている場合は、「活動開始の合図」として鼻舐めだと言えます。


リラックス効果を狙った鼻舐め

犬が目を閉じて鼻を舐めている様子 犬は不安や緊張を感じた際に頻繁に鼻を舐める傾向があります。

このことから、少しでも多くの情報を手に入れようと無意識に鼻を舐めていると考えられます。

逆説的にいえば、犬は自分の鼻を舐めることでリラクゼーション効果を得られるということになります。

動物の本能として、不安や緊張を感じた際に、多くの情報を得ることで安心が得られるのではないでしょうか。

食欲を示している鼻舐め

犬がアイスクリームの前で鼻を舐めている様子 美味しそうなものや好物の食べ物を目の前にすると、激しく尻尾を振りながら頻繁に鼻舐めを行います。

これは「早く食べたくてしょうがない」という意思を表しています。

食べ物の匂いを少しでも多く嗅ぎたい気持ちの表れです。

健康問題のサインの場合もある鼻舐め

砂場で犬が鼻を舐めている様子 犬の鼻先は、健康状態のバロメーターのような働きもしています。

鼻舐めが酷い時には、犬が次のような状態である場合が考えられますので、よく観察してみましょう。

ここでは、鼻が乾いている時や、湿っている時に見せる鼻舐めについてご紹介します。

鼻が渇きすぎている場合の鼻舐め

犬は熱が上がると鼻が渇きます。

起きている時に、鼻が渇いている状態を嫌う性質があるために、鼻舐めが激しくなります。

鼻舐めがひどいときは犬の発熱を疑ってみましょう。

発熱が酷い場合、続く場合にはかかりつけの獣医さんに相談が必要です。

鼻が濡れすぎている場合の鼻舐め

反対に、鼻が濡れすぎている場合に鼻を舐めることがあります。

これは風邪気味で鼻水が出ている場合や、涙腺に起因する眼科系のトラブルが考えられます。

どちらの場合であっても、かかりつけの獣医さんに相談が必要です。

まとめ

木陰で犬が鼻を舐めている様子 犬の鼻舐めについてご紹介しました。

犬の特徴である、嗅覚を覚醒させる場合や、リラックス効果を狙ったもの、食欲を示している場合は問題ありません。

しかし、健康に問題がある場合の鼻舐めもあるので、しっかりと見極めて対処してあげる必要があります。

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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


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