2017年6月26日

ダルメシアンってどんな犬?魅力と飼うときのポイント

ダルメシアンは、ディズニー映画「101匹わんちゃん」に出ていたことで有名です。

白地に斑が散らばる容姿は上品なオシャレさがあり、ダルメシアンが散歩をしていたらぱっと目が行ってしまいます。

ここでは、そんなダルメシアンの特徴をご紹介します。実際にダルメシアンを飼い始める前に、犬種に関する知識を深めましょう。

ダルメシアンの歴史

森の中で立っているダルメシアン ダルメシアンの生まれはインドともエジプトともいわれていますが、はっきりとした資料はありません。

名前の由来はクロアチアのダルメシア地方で、18世紀頃にダルメシアンらしき犬がいたと記録されているため後にこの名前で呼ばれるようになりました。

ダルメシアンの原産地が明らかにならない理由として、旅商人とともに世界を回っていたことがあげられます。

作業能力が高いダルメシアンは、旅人の伴走犬として重宝されました。

19世紀には、イギリスで犬種標準が定められました。

その気品ある姿からイギリス貴族の間で人気となり、四輪馬車の伴走するようになったのです。

その後は車の普及とともに人気を落としたダルメシアンでしたが、ディズニー映画「101匹わんちゃん」のヒットもあり家庭犬として愛されるようになりました。

ダルメシアンの特徴

ベッドの上で伏せているダルメシアン ダルメシアンは、体高56~61㎝ほどの大型犬です。

白地に斑点を持つ外見で有名で、スタイリッシュな体型の体は全体が筋肉で覆われています。短毛で、大きな垂れ耳も特徴のひとつです。

平均寿命は10~13歳といわれており、大型犬としては平均的です。

しかし、最近はドッグフードの改善や医療の発達から犬の寿命も延びています。健康管理をすれば、さらに長生きしてくれる可能性もあります。


ダルメシアンの性格

砂浜で立っているダルメシアン ダルメシアンの性格には、3つの大きな特徴があります。

好奇心旺盛

ダルメシアンの性格を一言で表すとすると、好奇心の塊です。一度興味をもったことは、どこまでも追及していきます。

好奇心があるのは悪いことではありませんが、好奇心のあまり好き勝手に行動をさせてしまうと思わぬ事故に繋がりかねません。

そのため、しっかりとしつけておくことが大切になります。

警戒心が強い

神経質な部分があり、見知らぬ人や犬に対して強い警戒心をもちます。

そのため番犬としては適性がありますが、家庭犬として飼うときには悩ましい部分です。また、頑固な一面もあります。

愛情深い

飼い主に一度心を許すと、とても愛情深く接してくれます。忠誠心があり従順なため、信頼関係を築くことができれば最高のパートナーとなります。

頭もよく、比較的しつけやすいといえるでしょう。

ダルメシアンの飼い方のコツ

タイヤにしがみつくダルメシアンの子犬 魅力的なダルメシアンですが、飼いやすい犬種ではありません。ダルメシアンを飼うと決めたら、飼い始めてからするべきことをきちんと把握しましょう。

しつけ

馬車の伴走犬として働いていたダルメシアンは訓練性が高く、しつけにくい犬種ではありません。しかし、好奇心旺盛な性格のためきちんとしたしつけができないと手に負えなくなります。

しつけるときには、叱ることよりも褒めることを意識しましょう。ダルメシアンは記憶力が良いため、悪いことも忘れずに記憶しています。厳しく叱りすぎたり体罰を与えたりするとそのことを根にもつので、その後は言うことを聞いてくれないということになりかねません。

また、しつけをするうえで大切なのは気長に根気よく行うことです。特に、大型犬のダルメシアンがその好奇心から突発的な行動に出ることは避ける必要があります。

アイコンタクトを取りながら、繰り返し「ツケ」(横につけ)を教えましょう。

運動

ダルメシアンは、とてもエネルギッシュで体力のある犬種です。そのため、毎日長時間の引き運動を行う必要があります。1日1~2時間を目安に散歩を行いましょう。

走ることが大好きなので、運動好きの方ならジョギングに軽く並走させるのもオススメです。時間があるときには、ドッグランへ連れて行って走らせてあげるとよいでしょう。

運動が不十分だと、ストレスが溜まり問題行動を起こすようになります。逆に、十分に運動欲を満たすことができれば飼いやすい性格に育ちます。ダルメシアンを飼う前には、満足できるくらいの運動をさせてあげられるかどうかをよく検討しましょう。

活発で体力のある犬種を飼うとドッグスポーツをやりたくなりますが、ダルメシアンは運動神経がよいわけではありません。器用なタイプではないため、ドッグスポーツではなかなか活躍できない個体も多いようです。

ブラッシング

短毛でつるつるした印象ですが、抜け毛はたっぷりあります。特に換毛期の春先と秋は念入りにブラッシングを行い、部屋の掃除もこまめに行うようにしましょう。

ダルメシアンがかかりやすい病気

ダルメシアンのモノクロ写真 ダルメシアンがかかりやすい病気としては、聴覚障害と尿路結石の2つが挙げられます。

聴覚障害

ダルメシアンは、その独特な柄を保つために近親交配が繰り返されてきました。その結果、20~30%が先天的な聴覚障害をもっています。

仔犬の時にテストを行うことでわかることがほとんどのようですが、片耳だけが聞こえない場合は発見が難しいようです。

耳が聞こえないダルメシアンは周囲に対する恐怖心が強いため、噛みつきなどの問題行動を比較的起こしやすいです。

また、言葉によってしつけを行うことができません。視覚や嗅覚を使ったしつけやトレーニングを徹底するようにしましょう。

尿路結石症

尿路結石症とは、尿を作る器官のどこかで石ができてしまう病気です。

尿路結石の原因の一つとしては尿酸値が高いことが挙げられ、ダルメシアンは尿酸を分解する酵素が少ないために尿路結石になりやすい傾向があります。

尿路結石を予防するためには、水分をたくさん取らせること、そして十分な運動をさせることが大切です。

また、尿が出にくい、頻繁にトイレに行くなどの症状が現れたら尿路結石を疑いましょう。

深刻な状況をまねかないためには、早期発見および早期治療が大切です。

ダルメシアンを飼うには覚悟が必要

落ち葉の中で遊ぶ二匹のダルメシアン 白黒の斑点模様が印象的なダルメシアンは、他の犬種にはない魅力をもっています。

映画の中のイメージもあり、飼いたいと考える人も多いと思います。しかし、ダルメシアンを飼うのは決して簡単ではありません。

今一度、ダルメシアンがのびのびと過ごせる環境で育て続けられるのかを考えてみてください。

101匹わんちゃんが人気になったころ、同じくダルメシアンも大流行しました。

このブームにのって、安易な気持ちでダルメシアンを飼い始める人も少なくなかったようです。

しかし、生半可な気持ちではダルメシアンを飼うことはできません。その飼育の難しさから、飼育を放棄する人がたくさんいました。

その頃は、なんとダルメシアン専用の捨て場さえあったようです。

飼い主に捨てられたダルメシアンのその後は、言うまでもないでしょう。

身勝手な人間の行いによって、たくさんのダルメシアンが悲しい運命をたどることになったのです。

ダルメシアンを飼うのであれば、しつけと運動はとにかく徹底しなければいけません。


それができなければ、飼い主も飼い犬も共に不幸になってしまいます。

もちろん、ダルメシアンは本来素晴らしい犬です。飼い続ける覚悟ができたら、ぜひ家に迎え入れてたっぷりの愛情で可愛がってあげてください。

まとめ

花のにおいを嗅ぐダルメシアンの子犬 ダルメシアンは、決して飼いやすい犬種ではありません。

しかし、飼い主に対して深い愛情をもつダルメシアンは正しく育てれば唯一無二の素晴らしいパートナーになります。

ダルメシアンがかわいそうな過去をもつ犬種だということを忘れずに、愛情をかけて育ててあげてください。

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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


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