2017年7月20日

【小さな子鹿】ミニチュア・ピンシャーの魅力から歴史まで

ミニチュア・ピンシャーはドーベルマンを小さくしたような見た目の犬で、最近じわじわと人気が高まりつつある犬種です。

ルーツも“ドーベルマンを小さくした犬種”と勘違いされる事が多いですが、実はドーベルマンよりも古い歴史を持った犬です。

「ミニピン」の歴史、性格、特徴、寿命とかかりやすい病気、飼育する際の毎日のケアなどをご紹介していきます。

ミニチュア・ピンシャーの基礎知識

ミニチュア・ピンシャーの歴史

ミニチュア・ピンシャーの横顔 ミニチュア・ピンシャーの祖先犬はスカンジナビアにいた小型のテリア種だと言われています。ちなみにピンシャーというのは、ドイツ語でテリアという意味を持っています。

祖先犬は大きな体を持って牛小屋に現れるげっ歯類を駆除していたジャーマン・ピンシャーだと言われており、今から数百年前にドイツで小型化されて、その後もヨーロッパを中心にネズミ取りや番犬として活躍してきた犬です。

ミニチュア化してもなお洗練された容姿を保っているのは選択交配の賜物ですが、19世紀には今とほとんど変わらない姿を手に入れていたと考えられています。

第一次世界大戦の頃のドイツでは、他に追随を許さない人気をほしいままにしていましたが、戦後数が減ってしまいます。

しかし現在その人気は復活し、アメリカでは「トイグループの王者」と異名を持つほど、大変人気の高い犬種になっています。

ミニチュア・ピンシャーの名前の由来

ドイツ語で、「テリア」または「噛むもの」を意味するピンシャーに、小さなという意味のミニチュアをつけたのが名前の由来です。

日本ではよく短く「ミニピン」と略されて呼ばれていますが、日本だけではなく、アメリカ合衆国などの愛好家たちにも短く略したミニピンとして親しまれています。

また、原産国のドイツでは、鹿を意味する「レイ」を冠につけてレイ・ピンシャーと呼ばれています。これはミニチュア・ピンシャーの体が、まるで子鹿のようなスタイルをしているからだと言われています。

ミニチュア・ピンシャーの特徴

水辺で立っているミニチュア・ピンシャー 程よい位置についた耳はピンと直立しており、被毛は短く密生して美しい光沢をもち、体全体を均一に包んでいます。

引き締まった脚は綺麗なアーチ型の指を持っています。断耳と断尾が長く行われてきた犬種ですが、現在は多くの国でこれが禁じられています。

体長と体高がほとんど同じのスクエアタイプの体型が大きな特徴です。

ミニピンの被毛のカラー

雪の中で遊ぶ二匹のミニチュア・ピンシャー ミニチュア・ピンシャーの被毛の色は、赤っぽい色から、濃い茶色まであり、ディアー・レッド、レディッシュ・ブラウン、ブラック&タン、チョコレート&タン、レッドなどが挙げられます。

ミニチュア・ピンシャーのサイズ

パソコンで作業する女性と画面を覗くミニチュア・ピンシャー ミニピンの標準の体高はオスとメス、ともに25~30cm、体重は4~6kgとされています。小さな体ですが、筋肉質で引き締まったボディが魅力的です。

ミニチュア・ピンシャーの性格は?

花畑の中で蝶を追っているミニチュア・ピンシャー 明朗活発で遊ぶのが大好き、好奇心旺盛で、たまにいたずらもしてしまう愛らしい性格です。ただ、テリア気質を持っており、警戒心と独立心が強く頑固な一面もあります。

家族に対して一途な愛情を寄せてくれる理想的な性格のコンパニオンドッグです。

他の犬種に比べて好奇心が非常に強いと言われており、よく脱走する犬種という不名誉な称号を得ています。室内飼いをするときには、脱走に気をつけ、万が一の時のためにも、連絡先が記載された首輪をつけておきましょう。

ミニチュア・ピンシャーのしつけ

飼い主の男性とリードにつながれているミニチュア・ピンシャー 警戒心が強く、負けず嫌いな性格をしているため、他の犬種と比較すると無駄吠えが多い犬種です。小さい頃から無駄吠えをしないように徹底的にトレーニングすることが大切です。

とても賢くて飲み込みも早い方ですが、プライドが高く、頑固な面もあるので、しつけは根気よく行う必要があります。

自尊心が強いタイプの犬種は、叱ると拗ねて飼い主を無視するようになる事があります。しつけの基本を「褒める」にすることが大事です。

可愛いからといって甘やかすと、わがまま放題の犬になり、そうなると無駄吠えを止めることは難しいのでしつけを徹底することが大切です。

もともとネズミなどのげっ歯類を追いかけることが仕事だった遺伝子を持っているので、小さな子どもや他の小動物に過度に干渉する性格でもあります。

小さい頃から家族以外の人や他の犬などと接する機会を積極的に作ってあげる事が重要です。


ミニチュア・ピンシャーの平均寿命と長生きのヒント

たくさんの落ち葉の中に立っているミニチュア・ピンシャー

ミニチュア・ピンシャーの平均寿命

ミニチュア・ピンシャーの平均寿命は13~14年と言われています。しかしこれにはもちろん個体差があるので、健康管理に気をつけることが何より大切です。

ミニチュア・ピンシャーがかかりやすい病気

・骨折

活動的な犬で、走り回ったりジャンプしたりすることが大好きな犬種です。ただ、この犬種は非常に小さく、骨が細いため、ジャンプすることによって骨折するリスクがあります。

・耳介辺縁皮膚症

ミニピンのように、体が小さく耳が大きな犬種に起こる病気です。大きな耳の淵まで血液が行き渡らず、最悪の場合耳の淵が壊死してしまうことが起こります。

これを予防するためには、血行を良くすることが何より大切です。特に冬に起こりやすい病気になりますので、冬のお散歩はフードを被せてあげるなど、耳を保護してあげましょう。

ミニチュア・ピンシャーを飼うときのポイント

ミニチュア・ピンシャーの日々のお手入れ

道端に立っているミニチュア・ピンシャー 短毛種なので、お手入れはそんなに難しくありません。週に1、2回ブラッシングをして、固く絞った布で全身をマッサージするように拭いてあげましょう。

目と耳と口の周りは汚れがたまりやすいので、丁寧に拭いてあげてください。

ミニチュア・ピンシャーの運動量とお散歩は?

砂浜を走っているミニチュア・ピンシャー 小柄でまるでバンビのような体型をしていますが、非常にエネルギッシュでスタミナがある犬種なので、それなりの運動が必要です。

朝夕の2回、30分程度は運動をさせてあげるようにしましょう。運動量が少ないとストレスに直結する犬種なので、注意が必要です。

前足を高くあげて優雅で軽快に歩く姿が可愛らしく、お散歩するときにもきっと飼い主を楽しませてくれます。

ミニチュア・ピンシャーは寒さに弱い!

服を着ているミニチュア・ピンシャー 非常に寒さに弱い犬種なので、冬の寒い日のお散歩には服を着せてあげてください。

細くスタイリッシュな体なのでお洋服も似合いますし、前述したような血行不良による耳の皮膚病予防にも効果的です。

まとめ

散歩中のミニチュア・ピンシャー ドーベルマンをそのまま小さくしたような姿で、愛らしく勇敢な性格が大人気のミニピン。しつけは難しくありませんが、無駄吠えは根気よく徹底して躾けることが大切です。

世界的にはとても人気がある犬種ですが、日本では人気が落ち着いている犬種です。ご興味のある方はブリーダーに相談し、実際に犬舎見学などへ足を運んでみることをお勧めします。

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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


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