2017年11月8日

ミニチュアピンシャーとトイ・マンチェスターテリアの違いとは?

ミニチュアピンシャーとトイ・マンチェスターテリアは、どちらもド―ベルマンを小さくしたような見た目をしています。

見た目はそっくりで、本当に違う犬種なのか疑ってしまうほどです。ここでは、そんなミニチュアピンシャーとトイ・マンチェスターテリアの見分け方をご紹介します。

ミニチュアピンシャーとは

ミニチュア・ピンシャーが颯爽と走っている様子

歴史

ミニチュアピンシャーの始まりは17~18世紀頃だといわれており、祖先犬はヘル・ピンシェルだと考えられています。

トイ・マンチェスターをはじめとして、ミニチュア・シュナウザーやジャーマン・ピンシャー、イタリアン・グレイハウンド、ダックスフンドなど多くの犬種と交配を繰り返しました。

現在に近い姿となったのは、19世紀頃のようです。

ミニチュアピンシャーの原産国はドイツで、ピンシャーとはドイツ語で「テリア」を意味します。名前の通りテリアらしい気質をもつミニチュアピンシャーですが、テリア犬として分類されることはあまり多くありません。

愛玩犬としての認識が強い犬種で、ドイツをはじめ世界中に根強い愛好家がいます。

性格

愛くるしい顔をしたミニチュアピンシャーですが、性格は非常に活発で好奇心旺盛です。

とにかく動き回っている犬種で、世界のブリーダーには「脱走の芸術家」とも呼ばれています。

飼い主に対しては忠誠心をもち、従順な態度をとりますが、初めて会う人に愛想をふるまうタイプの犬種ではありませんが、それだけに飼い主の前だけで見せる、甘えん坊な一面がかわいく感じられるでしょう。

飼い方

しつけを怠ると、手に負えない性格になってしまうことがあります。

まずはしっかりと信頼関係を築き、そのうえでしつけを行っていきましょう。その際、叱ると攻撃性が増すことがあるので褒めることを意識しましょう。

身体の小さなミニチュアピンシャーですが、中型犬程度の運動量が必要です。毎日30分ほどを目安に散歩させるほか、遊びなども積極的に取り入れましょう。

トイ・マンチェスターテリアとは


トイ・マンチェスターテリアが凛々しくたっている様子

歴史

ミニチュアピンシャーがドイツ原産なのに対し、トイ・マンチェスターテリアはイギリスで生まれました。

そして、その祖先犬はブラック・アンド・タン・テリアです。かつては猟犬として人間に使役していたブラック・アンド・タン・テリアでしたが、19世紀頃からは「ネズミ追いゲーム」のために飼育されるようになりました。

ネズミ追いゲームは、どの犬が最もたくさんのネズミを捕まえるかを予想する賭博です。このゲームでは足の速い犬が有利となるため、足が速いことで有名なグレーハウンドなどと交配が繰り返されました。そして生まれたのが、マンチェスターテリアです。

マンチェスターテリアのなかでもサイズの小さな個体をトイ・マンチェスターテリアと呼びます。基本的に違う犬種とは認識されておらず、マンチェスターテリアの一種だとされています。

性格

明るく愛情深い性格をしたトイ・マンチェスターテリアは、家族と一緒に遊ぶことが大好きです。その反面、見知らぬ人に懐くことはあまりありません。

もともと狩猟犬として使われていたことから、小さくて動くものを追いかけたくなる本能があります。そのため、他の小動物と一緒に飼うのは難しいといえるでしょう。

飼い方

警戒心の強いトイ・マンチェスターは番犬としての素質がありますが、残念ながら寒さに弱いため外飼いには向いていません。空調の効いた室内で飼育してあげましょう。

散歩は、1日に2回、合計で30分ほど行いましょう。飼い主と散歩するのも大好きですが、ドッグランなどに連れて行って思いきり走らせてあげると喜んでくれます。


ミニチュアピンシャーとトイ・マンチェスターテリアの見分け方

ミニチュアピンシャーが海が見える場所で黄昏ている様子 ミニチュアピンシャーとトイ・マンチェスターテリアは兄弟かと思ってしまうほどそっくりな犬種ですが、コツをつかめばすぐに見分けられます。見分けるときのポイントは、頬、脚、尻尾の3点です。

頬の毛色

見分けにくいのはブラック&タンの毛色のミニチュアピンシャーとトイ・マンチェスターテリアで、どちらも頬の部分がタン色になっていますが、その形が異なります。

ミニチュアピンシャーでは、頬のタン色は口元までつながっています。

しかし、トイ・マンチェスターテリアは独立した円形のタン色部分があります。正面から見るとわかりにくいかもしれませんが、横から観察すると違いがわかります。

トイ・マンチェスターテリアには、サムマークと呼ばれる前肢の黒い斑点とペンシルマークと呼ばれるつま先の黒い線があります。

それに対して、ミニチュアピンシャーは本来サムマークとペンシルマークを持ちません。

しかし、最近ではサムマークやペンシルマークらしきものが見られるミニチュアピンシャーも増えているので、スタンダードに沿っていない個体は、見た目での判別が難しくなります。

尻尾

ミニチュアピンシャーとトイ・マンチェスターテリアの一番の大きな違いは、尻尾です。ミニチュアピンシャーは断尾する習慣があるのに対し、トイ・マンチェスターテリアは断尾を行いません。

しかし、最近では動物愛護の観点から断尾を行わないことも増えてきました。断尾していないミニチュアピンシャーは、さらにトイ・マンチェスターテリアとそっくりの外見になります。

ミニチュアピンシャーとトイ・マンチェスターテリアの人気

見分けが難しいかもしれないミニチュアピンシャーがこちらを見ている様子

ミニチュアピンシャー

毎年、アニコム損害保険が発表している日本の人気の犬種ランキングの2017年度版で、ミニチュアピンシャーは20位になりました。

アメリカのケネルクラブが2017年に発表した2016年の人気の犬種ランキングでは、ミニチュアピンシャーは68位になり、毎年ランキングの順位が下がっています。

トイ・マンチェスターテリア

残念ながら、トイ・マンチェスターテリアはアニコム損害保険が発表した日本の人気犬種2017年度版に入りませんでした。

そんなトイ・マンチェスターテリアですが、アメリカのケネルクラブが発表した2016年の人気の犬種ランキングでは、133位になりました。

順位はミニチュアピンシャーに負けていますが、毎年ランキングの順位が少しずつ上昇しているので今後に注目です。

まとめ

2匹のミニチュアピンシャーの子犬が仲良くこちらを見ている様子 見た目がそっくりなミニチュアピンシャーとトイ・マンチェスターテリアですが、ルーツは全く異なります。

ポイントさえつかめば、見分ける事が出来るようになるので街で見掛けた時に当ててみてください。

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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


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