2018年2月19日

【行政書士が解説】Q.「夫婦で可愛がっていたペット、離婚後に自分が引き取りたい場合どうすればいい?」

監修にご協力いただきました!

平成元年3月 法政大学法学部法律学科卒業

(司法試験浪人)
平成4年3月 株式会社市進(現、株式会社市進ホールディングス) 入社
平成25年1月 行政書士試験 合格
平成28年2月 行政書士齊藤学法務事務所 開設

永久の愛を誓ったにもかかわらず、別々の人生を歩まざるを得ないケースもあります。

そのときに“子ども(ペット)”がいると、親権の奪い合いが生じるケースがあります。

“子ども”とあえて表現したのは、「人」だけでなく、わんちゃんやねこちゃんのケースもあるからです。

ちょっと知っておくと、“子ども”をスムーズに引き取ることが可能になる小知恵をご紹介しましょう。

人もペットも、キーワードは“子どもの幸せ”

PCの前でリラックスしているジャックラッセルテリア “子ども”が「人」の場合、親権の奪い合いが始まると裁判所が関与してきます。第三者である裁判所が、“子どもにとっての幸せ”を客観的に外部から判断するのです。

ところが、ペットについては法律上「もの」として扱われますので、あくまでテレビやステレオなどと同じ扱いになってしまうのです。

なので、法律上はペットの幸せを考慮してくれることはないというのが現実です。

それでも現実問題としては、“一緒に暮らしたい” という願望よりも、やはり“子どもの幸せ”を第一に考えるべきでしょう。

“子どもの幸せ”を想定した準備とは、どんなことか?

屋外の階段に座る男女とそのそばに座る犬 このように“子どもの幸せ”をキーワードにするならば、それを実現できる環境を整えておけば、ずっと一緒に暮らせることになります。

そこを考えておいた方が、断然有利な主張を展開できることは、お分かりいただけるでしょう。

そこで重要なポイントは、一緒に生活できる時間を多く確保できるかどうかです。

つまり、ペットに寂しい思いをさせないという心理的な側面が、圧倒的に重要なのです。

そこで無計画に、「ペットといる時間を多く作る」という願望を主張しても意味がないので、経済的な裏付けも備えなければなりません。生活費を稼ぐ手段がない方は、準備していきましょう。

最近は働き方改革の効果で、自宅もしくは自宅近辺で仕事をする手段も少しずつ増えてきています。

養育費をもらうという選択肢もあります。

結婚指輪と犬の前足 このコラムでは最初から、ペットを“子ども”と捉えています。そうすると、“子ども”がペットであっても、「人」のケースと同じように考えることができます。

離婚協議に入る前に、まずはご夫婦でその認識を共通にされておくべきです。そうすれば、養育費を請求することに、違和感は生じません。

そして、離婚協議書を公正証書にしておきましょう。このときに、「飼育費(養育費)の支払いが不払いになったら、強制執行をしてもよい」という一文を必ず入れることを忘れないでください。

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文:齊藤 学
小学生時代は小説家、中学生時代には弁護士になる夢を持つ。高校生の頃に獣医学部を目指すも、数学が苦手で挫折。小説家と弁護士を天秤にかけ、弁護士の道を選んだものの、結果は見事惨敗。

東日本大震災をきっかけに、法律の勉強に再チャレンジ。家族を説得して脱サラし、行政書士事務所を開設。

日々持ち込まれるご相談やご依頼手続きに走り回りながら、ご縁に感謝する日々を送っております。


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