2018年5月22日

【行政書士が解説】Q「警察官が来て『犬の鳴き声がうるさいと苦情が出ている』と言われた時、飼い主はどうするべき?」

監修にご協力いただきました!

平成元年3月 法政大学法学部法律学科卒業

(司法試験浪人)
平成4年3月 株式会社市進(現、株式会社市進ホールディングス) 入社
平成25年1月 行政書士試験 合格
平成28年2月 行政書士齊藤学法務事務所 開設

マンションで愛犬と暮らし始めたところ、警察官が来て「お宅の犬の鳴き声がうるさいと苦情が来ていますから、気を付けてくださいね」と言われてしまったら、びっくりしてしまいますよね。

一市民としては、まずはその制服姿に圧倒されてしまいますし、いきなり警察沙汰となってしまったことにも、相当なショックを受けてしまうかもしれません。

そんな場合に、どのような対応がふさわしいのかを考えてみましょう。

警察官が突然来るケースは、意外に対応は難しくない

サングラスと手錠を持つパグ 自宅を訪ねて来た警察官に、“誰が”“いつ”苦情を言ったのかを訊いてみましょう。

もちろんそんな質問には、警察は答えてくれないと思います。

しかし、いつ、何人から、どのような苦情があったのかを、できるだけ詳細に教えてもらうように努めましょう。

警察官が素直に対応してくれなければ、なぜ警察は自分の犬が原因だと判断したのかを確認しておきましょう。

マンションには他にも犬を飼っている住民がいるのです。

それにもかかわらず、どうして警察が自分の犬の鳴き声が原因だと判断したのか、そこがポイントです。

誰かが「〇〇〇号室の犬がうるさい」と言っただけで注意を受けたとしたら、確たる証拠もないのですから、「うちの犬がうるさいという証拠はあるのでしょうか」と確認してみましょう。

通常こういうケースでは、「ご近所どうし、仲良くお願いしますね」で終わることが多いものです。

文書や訪問を無視すれば「迷惑防止条例違反」に問われるかも

飼い主の女性に抱かれるポメラニアン 苦情が複数出ていて、他の住民の犬の飼育状況など確認済みの上、警察官が訪問してくるというケースは、…ほとんどありません。

なぜならそのような調査をするには、警察は管理組合や管理会社に協力を求めることになり、できればその段階で解決できないかと考えるからです。

そのため、管理組合や管理会社の担当者が訪問してきたり、注意を促す文書が届いたりすることが通常でしょう。

それでも何もしないで放置していたところ、警察官が訪ねて来たというケースは、最悪です。

大切な飼い犬の鳴き声が騒音の元だとするならば、対策を取らずにそのまま放置していたことは、飼い主であるあなたに“過失”が認められてしまうことになります。

犬の鳴き声は騒音ということになり、騒音によって精神障害を負ったとなれば傷害罪ということになりますが、そのようなケースは多くありません。

しかし、いわゆる迷惑防止条例違反に問われる可能性はゼロではありません。


問題の本質は、犬の鳴き声ではありません

ソファでくつろぐ白いポメラニアン 犬に対する理解と愛情は、人それぞれです。なかには犬が嫌いな方もおられます。

動物を家の中で飼うことに拒絶反応を示す人さえおられます。

そのような方々にとっては、わずかな鳴き声でも納得いかない場合もあるかもしれません。

集合住宅であるマンションの場合には、そのような方々がおられることへの配慮が必要であり、しつけをはじめとした“飼い方の工夫”が必要にもなってきます。

人間だけが暮らしていても、騒音問題などトラブルが発生する可能性が必ずあります。

それだけに、可愛いペットと幸せに暮らすためには、ペットのためにも、より周囲に気配りをする必要があるかもしれません。

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文:齊藤 学
小学生時代は小説家、中学生時代には弁護士になる夢を持つ。高校生の頃に獣医学部を目指すも、数学が苦手で挫折。小説家と弁護士を天秤にかけ、弁護士の道を選んだものの、結果は見事惨敗。

東日本大震災をきっかけに、法律の勉強に再チャレンジ。家族を説得して脱サラし、行政書士事務所を開設。

日々持ち込まれるご相談やご依頼手続きに走り回りながら、ご縁に感謝する日々を送っております。


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