2018年8月30日

【行政書士が解説】Q.「うちの子(愛犬)の写真を勝手に撮影するのを、止めてもらう方法はありますか?」

監修にご協力いただきました!

平成元年3月 法政大学法学部法律学科卒業

(司法試験浪人)
平成4年3月 株式会社市進(現、株式会社市進ホールディングス) 入社
平成25年1月 行政書士試験 合格
平成28年2月 行政書士齊藤学法務事務所 開設

「愛犬とのお散歩は、かわいい子どもと過ごす大切な時間です。

犬の寿命は人と比較すると、“あっという間”としか表現のしようがありません。

ですから、たかが散歩といわれても、“私たち”にとってはとても貴重な時間なのです。

そのような大切な時間を過ごしているときに、うちの子の写真を撮らせて欲しいと度々言われることが苦痛です。

“私たち”のことを、そっとしておいて欲しいのです。」

…このようなご相談が最近増えてきましたので、みなさんと法律的に確認してみたいと思います。

3点まとめ
・「犬(ペット)」には肖像権もプライバシー権も認められない
・断ってもしつこい場合は、迷惑防止条例に該当します
・ブログなどには「転載禁止」と明記しよう


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法律的には、写真撮影を断わることができるのか?

屋外を歩いているビーグルの子犬 人の場合には、プライバシー権という権利が認められています。

この権利の根底にあるものは、「私生活をみだりに他人に公開されたくない」ということです。

したがってそこから、「無断で写真や動画を撮影しないよう、および公表しないよう他人に求める権利」である肖像権というものが派生してきます。

ただし、残念ながらこれらの権利はあくまで“人”に認められるだけです。

私たちの大切な家族である“愛犬”には、プライバシー権も肖像権も認めてもらえません。

“人”の場合には、肖像権の侵害を恐れ、テレビや雑誌に、通行人が誰だか分からないように加工した写真が紹介されています。

このときに、通行人が持っているバッグや鞄は、そのまま何の加工もされていないはずです。

このように、大切な“愛犬”は“バッグ”と同じ扱いになってしまい、写真撮影を断る法律上の根拠をみつけることは難しいようなのです。

そのため写真撮影を断りたい場合には、丁重にお断りするしかありません。

もしそこで強硬にしかも執拗に撮影をするような行為があれば、それは迷惑防止条例に該当する可能性がでてきます。

不法行為責任を問える可能性も、ゼロではありません。

SNSやブログに投稿した愛犬写真の無断使用を止めさせたい!

カメラを持つ女性の手元 人の写真であれば、やはりプライバシー権や肖像権などが関係してきますし、場合によっては、著作権が問題になります。

愛犬の写真の場合ですから、プライバシー権や肖像権は問題となりにくいので、著作権が認められるかどうかが大きな問題となります。

著作権法2条によると、「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」が、著作権が認められる著作物だと定義されています。

したがって、「思想又は感情を創作的に表現した」写真であれば著作権が認められますが、一般的なスナップ写真の場合には、難しいと思われます。

そこで勝手に写真を使われたくない場合には、「ウォーターマーク」と呼ばれるような透かしを写真に入れるなどの自衛手段を講じるべきではないでしょうか。

もしくは、「自分の所有物だから、自分だけが利用できる。だから勝手に使わないでくれ」という意思を表明するために、ご自身のブログやホームページに写真をアップする際には、「転載禁止」などと明確に記載しておくことが大切です。

 ▼SNSにおけるトラブルについては、こちらでもお話ししています。
Q.「SNSに投稿した愛犬の写真が無断で使用された場合、どうすればいいですか?」

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文:齊藤 学
小学生時代は小説家、中学生時代には弁護士になる夢を持つ。高校生の頃に獣医学部を目指すも、数学が苦手で挫折。小説家と弁護士を天秤にかけ、弁護士の道を選んだものの、結果は見事惨敗。

東日本大震災をきっかけに、法律の勉強に再チャレンジ。家族を説得して脱サラし、行政書士事務所を開設。

日々持ち込まれるご相談やご依頼手続きに走り回りながら、ご縁に感謝する日々を送っております。
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