2018年6月5日

【行政書士が解説】Q「近所の犬の鳴き声に悩んでいる時は、どこに相談するべき?」

監修にご協力いただきました!

平成元年3月 法政大学法学部法律学科卒業

(司法試験浪人)
平成4年3月 株式会社市進(現、株式会社市進ホールディングス) 入社
平成25年1月 行政書士試験 合格
平成28年2月 行政書士齊藤学法務事務所 開設

「ご近所で一日中犬の鳴き声が響いていて、本当に困っているのです」というお悩みをお聞きすることは、少なくありません。

そしてこのような悩みを抱えておられる方には、大きく分けて二つのパターンがあります。

そこで、その二つのパターン毎に、お悩みの解決につながる方法をご紹介させていただきます。

3点まとめ
・「うるさくて困っている」と伝えるポイント
・「鳴き続けていて心配」と伝えるポイント
・もめずに解決するには複数人の協力を

犬の声を“騒音”と捉えて怒っている方の場合

助けを求める声 あなたの怒りの矛先は、“騒音”によって静かな生活を乱すご近所さんの存在に向いているものと思われます。

そもそも、犬や動物が好きではないとおっしゃるかもしれません。

このような場合、あなたが“騒音”の発信源と思っている“犬”に対して、飼い主の方がたくさんの愛情を注いでいることを理解するのは、とても難しいかもしれません。

しかし、その点を理解した行動をとらねば、余計なトラブルに発展しかねませんのでご注意いただきたいと思います。

愛情を注いでいるものに対して攻撃を受けたと感じると、理屈抜きに守ろうという意識が強く働くのは、人間の性なのです。

そのため、「うるさいから静かにさせろ!」と苦情を言ってしまうと、泥沼の人間関係・地域関係に発展してしまいます。

そこでまずは、自治会やマンションの管理組合・ペットクラブに、状況を伝えましょう。

その上で地域やマンションの問題として、犬の鳴き声が騒音問題となることを周知し、注意を呼び掛けてもらうことです。

その後に状況が変わらなければ、一人で行動せずに、やはり自治会やマンションの管理組合・ペットクラブの方々と一緒になって、“騒音”状況を確認し合ってください。

先ずは複数の住民からの苦情であるということを明らかにしなければ、一人のクレーマーという片付けられ方をされてしまう可能性が出てきます。

複数の苦情として成立させたうえで、騒音状況の記録を残していきましょう。

そこまでしたならば、自治会やマンションの管理組合・ペットクラブから、個別にお話をしていただくようにします。

このような手順を踏めば、客観的かつ具体的な話を進めることができるでしょう。

ここまでしても状況に変化がなければ、地域の警察署に相談されてもよいと思います。

迷惑防止条例などがあれば、それで対応できる場合があるからです。

犬が鳴き続けているのを“かわいそうだ”と思って怒っている方の場合

ソファの下で休む子犬 犬や動物に深い愛情をお持ちのあなたのような方からすると、犬に対する愛情が不足している飼い主さんが“許せない”存在なのかもしれません。

しかし、いきなりあなたの想いをぶつけてしまっては、相手も冷静客観的に受け入れ難い心理的状態に陥る可能性があります。

「とつぜん一方的に文句を言ってきた」と言いふらされて、あなたが悪者になってしまう可能性もあります。

このような場合、お散歩のタイミングなどを見計らったりして、飼い主さんと知り合いになるところからスタートしてはいかがでしょうか。

そして、しつけ教室のお話をする機会をうかがい、相手に興味をもっていただけるような状況を作り出せれば、事態は好転する可能性が高いです。

このように、まずは飼い主さんとの人間関係作りから取り組まれることをお勧めします。

場合によってはネグレクト(飼養放棄)を疑うような場合もあるかもしれません。

そのような場合には警察や動物愛護団体に、遠慮なく“疑いがある”ことを伝えましょう。

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文:齊藤 学
小学生時代は小説家、中学生時代には弁護士になる夢を持つ。高校生の頃に獣医学部を目指すも、数学が苦手で挫折。小説家と弁護士を天秤にかけ、弁護士の道を選んだものの、結果は見事惨敗。

東日本大震災をきっかけに、法律の勉強に再チャレンジ。家族を説得して脱サラし、行政書士事務所を開設。

日々持ち込まれるご相談やご依頼手続きに走り回りながら、ご縁に感謝する日々を送っております。


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