2018年8月29日

【行政書士が解説!】Q.「SNSに投稿した愛犬の写真が無断で使用された場合、どうすればいいですか?」

監修にご協力いただきました!

平成元年3月 法政大学法学部法律学科卒業

(司法試験浪人)
平成4年3月 株式会社市進(現、株式会社市進ホールディングス) 入社
平成25年1月 行政書士試験 合格
平成28年2月 行政書士齊藤学法務事務所 開設

ペットのかわいい姿をたくさんの人に見て欲しくて、SNSに投稿する方が大勢おられます。

もちろんペットそのものが元々かわいいのですが、よりかわいく撮れた写真は、ちょっと自慢したくもなります。

そんな愛犬の写真をSNSに投稿する際の注意点を確認してきましょう。

3点まとめ
・SNSの投稿は「著作権」で保護されないことが多い
・他ユーザーによる転載は削除できる可能性が高い
・ウォーターマーク(透かし)が一番の対策

投稿写真は著作権の保護対象かどうか

子猫とカメラ まずはSNSに投稿したペットの写真が、著作権の保護の対象になる著作物なのかどうかという問題があります。

一般的にスナップ写真の場合には、残念ながら著作物となるケースは少ないでしょう。

しかし、写真として高く評価されそうなものも散見されます。中には、プロ顔負けのような写真に出会うことも…。

このような写真の場合には、「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」(著作権法第二条)と評価され、著作権の保護の対象となり得ます。

SNSのサイトでは、著作権を尊重する利用規約が調えられていますが、実際にすべての写真が著作権で保護されるわけでなないことを、理解しておきましょう。

SNSの利用規約同意によって、権利を主張できないかも!?

スマホでジャックラッセルを撮影する様子 SNSに投稿した写真が著作物として保護されるとしても、SNSの利用規約によって、自分の権利を絶対的に主張できない場合があります。

Instagramの場合には、利用規約の各種権利第一項に「Instagram社に非独占的かつ無料で、譲渡可能かつ再許諾権付きの世界的使用許諾を付与する」という条文があります(https://www.facebook.com/help/instagram/478745558852511)。

わかりやすくいうと、著作物としての権利は認めながらも、Instagram社に無料で好きに使ってよいという許諾権を与えるということになっているのです。

しかもInstagram社が、世界的に自由に譲渡可能なのです。

これでは、著作権はあってないようなものです。

一般ユーザーにとっては自分のアップした写真が、いつの間にかどこかで使われているという事態に直面しても文句の一つも言えないということです。

一切の対価を要求することもできません。


SNSに投稿した写真は他人も勝手に使うことができる?

Instagramのように、Instagram社に写真を自由に使うことを認めるとしても、Instagram社と関係なく他のユーザーがその写真を勝手に使ってもよいことにはなりません。

このような行為は、違法です。

このような違法行為を取り締まるために、どのSNSサイトでも、著作権侵害を訴える手段が用意されていますので、一度は確認してみてください。

かわいいペットをたくさんの人に見てもらいたいだけという方でも、もしも他人が自分の撮影した愛犬の写真でお金儲けをしていることを知ったら、きっと怒りを露わにするはずです。

そのようなことにならないよう、愛犬の写真をSNSに投稿する前に、著作権を主張するためのウォーターマークなどを付けてから投稿するようにしましょう。

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文:齊藤 学
小学生時代は小説家、中学生時代には弁護士になる夢を持つ。高校生の頃に獣医学部を目指すも、数学が苦手で挫折。小説家と弁護士を天秤にかけ、弁護士の道を選んだものの、結果は見事惨敗。

東日本大震災をきっかけに、法律の勉強に再チャレンジ。家族を説得して脱サラし、行政書士事務所を開設。

日々持ち込まれるご相談やご依頼手続きに走り回りながら、ご縁に感謝する日々を送っております。


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