2017年11月8日

【行政書士が解説】Q「ペットショップで購入した犬の血統証がもらえないときはどうすればいい?」

監修にご協力いただきました!

平成元年3月 法政大学法学部法律学科卒業

(司法試験浪人)
平成4年3月 株式会社市進(現、株式会社市進ホールディングス) 入社
平成25年1月 行政書士試験 合格
平成28年2月 行政書士齊藤学法務事務所 開設

ペットショップやブリーダーから犬や猫を買った場合、それがMIXでない限りは、血統証明書がついてくることが一般的です。購入者もその血統証明書がついてくることを前提に購入するのだと思われます。

ところが、後日送りますと言った血統証明書がいつまで経っても届かない、という事態がときどき生じています。

購入契約内容はどのようになっていますか?

書類にサインしている女性 購入時に、「血統証明書が発行されるからこの犬(猫)を買う」という申し出をして、売主側がそれを承諾していれば、血統証明書を渡せと法的に請求することができます。

しかし、それをどう証明しますか?
契約書交わしましたか?
交わしたとしても、そのような内容が書き込まれていますか?

契約書があったとしても、小さな字で「血統証明書の受け渡しは契約内容には含まれない」などと記載されていたりすることも…。

相談先はどこがいいでしょうか?

黄色い電話を耳に当てているハスキー 犬ならば一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)、猫ならばインターナショナルキャットクラブ(ICC)やTHE CAT FANCIERS’ ASSOCIATION, INC.(CFA)などの血統証明書発行団体があります。

これらの団体は、血統証を発行することで、スタンダードを絶やさないようにする使命を担っています。逆に言えば、スタンダードな血統を守ることに全力を注いでいるので、一取引におけるトラブル対応に関与することはありません。

ブリーダーなどからの申請がなければ、血統を証明することができないので、独自に血統証明を出すことも不可能なのです。

次に消費生活センターなどに、苦情を申し立てることが考えられます。その他、その地域にあるペット事業者の協同組合に相談することも可能です。

問題となる業者がそのような団体に所属しているとは考えられませんが、何か情報を掴んでいることがあるかもしれませんので、それなりの相談窓口にはなってくれるでしょう。


どのような解決策がありますか?

ソファーで寝ているキャバリアの子犬 その業者がなぜ血統証明を送って来ないのか、その理由は以下の二つが考えられます。

①登録費用が払えない
②血統が虚偽

「①登録料が払えない」が理由の場合

①が理由であれば、その費用を負担さえすれば取得できる可能性があります。しかし、業者が姿を隠してしまっている場合には、実現できそうにありません。

「②血統が虚偽」が理由の場合

②の場合には契約を解除することができますが、名前を付けて一緒に暮らしたペットを今更返却するのは、飼い主さんとしても悩ましいでしょう。

違う意味で、問題が出てくる可能性がありますね。支払金額の一部を返金してもらうというのが、現実的かもしれません。

以上、実際にこのようなことが起こってしまうと、満足のいく解決策はなかなか見つけることができません。そのため、相当な信用のおけるショップやブリーダー以外からはペットを購入しないことで、防衛するしかないのです。

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文:齊藤 学
小学生時代は小説家、中学生時代には弁護士になる夢を持つ。高校生の頃に獣医学部を目指すも、数学が苦手で挫折。小説家と弁護士を天秤にかけ、弁護士の道を選んだものの、結果は見事惨敗。

東日本大震災をきっかけに、法律の勉強に再チャレンジ。家族を説得して脱サラし、行政書士事務所を開設。

日々持ち込まれるご相談やご依頼手続きに走り回りながら、ご縁に感謝する日々を送っております。


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