2017年10月11日

犬の「外飼い」で注意しておくべきポイントとは?

犬を飼う方法としては、大きく分けて室内飼いと外飼いの2種類があります。どちらを選ぶかでライフスタイルが大きく変わるので、迷う方も多いのではないでしょうか。

今回は外飼いするメリットやデメリット、外飼い可能な犬種、外飼いする際の注意点などについて考えていきましょう。

犬の外飼いの“今”

庭に置かれた青い犬小屋 一昔前は、犬は庭に作られた犬小屋で暮らしているのが当たり前でした。しかし最近では外飼いをする人はめっきりと減り、室内飼いが当たり前となっています。

人気のある犬種のランキングではトイプードル、チワワ、ミニチュア・ダックスフンド、ポメラニアン、ミニチュア・シュナウザーなどの小型犬が上位を独占しています。このことからも、室内飼いが主流となっていることがわかります。

変化の理由として、一つには住宅事情があります。近年ではマンションなどの集合住宅に住む人が多くなっているので、犬を飼えるほど広い庭がないという人は少なくありません。

また、飼い犬に対する意識も変化しています。犬に番犬としての役割を期待する人は減り、犬を家族の一員として迎え入れるという意識の人が増えました。このことも、室内飼いが増えている一因だといえます。

犬を外飼いするメリット・デメリット

犬小屋の前でドリルしている犬 室内飼いを選ぶ人が増えていますが、土地の広い郊外に行けば犬を外飼いしている人はいます。外飼いのメリットとデメリットについてみていきましょう。

外飼いのメリット

・番犬として家を不審者から守ってくれる
・広い庭で運動をさせる事で、運動不足が解消できる
・抜け毛が多いダブルコートの犬でも、掃除にかかる時間が短い
・犬の体臭や排泄物の臭いが家の中では気にならない

外飼いのデメリット

・暑さや寒さ、悪天候によって体調を崩すことがある
・空間的に家族と隔離することで犬の精神的ストレスになる
・寂しさから無駄吠えなどの問題行動が多くなる事がある
・コミュニケーションが不足すると飼い主をリーダーだと認知しない事がある
・ノミやダニが寄生するリスクが高くなる
・脱走の可能性が高くなる
・蚊に吸われる事でフィラリアなどにかかる可能性がある
・他人が食べ物を与え、中毒になる危険性がある
・飼い主が犬の病気や怪我に気付きにくい
・道路に近いため事故に遭う可能性が高くなる
こうしてみると、外飼いはメリットよりデメリットのほうが多いことがよくわかります。また、室内飼いの犬が増えるとともに犬の平均寿命が延びていることから、外飼いすると寿命が短くなるという説も出てきているようです。


外飼いに向いている犬種ってあるの?

花畑で伏せている秋田犬 外飼いが可能かどうかは、犬種によって異なります。以下に挙げる犬種は、外飼いが可能だといえます。

日本犬

外で飼われている犬は、多くの気候の影響を受けます。そのため、日本の気候に適応できない犬を外飼いすることはできません。その点、日本犬であれば問題ないといえます。

天然記念物として指定されている北海道犬、秋田犬、柴犬、甲斐犬、紀州犬、四国犬は、日本の夏の暑さにも冬の寒さにもしっかりと適応することができます。また、警戒心の強い性格は番犬として適しているといえるでしょう。

ダブルコートの犬

被毛がオーバーコートとアンダーコートの二重構造になっていることを、ダブルコートといいます。ダブルコートは水をはじきやすいため、体温の低下を防ぐことができます。そのため、外の環境に適応しやすいといえるでしょう。

ダブルコートの犬としては、コーギー、シェルティー、ボーダーコリーなどが挙げられます。

逆に外飼いが難しい犬種は?

白いトイプードル 外飼いできる犬種よりも、外飼いできない犬種のほうが圧倒的に多いといえます。外飼いできない犬種とその特徴を確認していきましょう。

シングルコートの犬

シングルコートの犬は、ダブルコートの犬に比べて毛量が少ないため雨風から身を守ることができません。プードル、マルチーズ、シーズーなどがシングルコートの犬です。抜け毛が目立たないことを考えても、外飼いするメリットはあまりないといえるでしょう。

人懐っこい犬種

ゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバーは、とてもフレンドリーな性格をしています。その分、家族と離れて暮らすのはストレスになってしまいます。これらの犬種を外飼いしている人も見かけますが、精神的な負荷を考えると室内飼いが向いているといえるでしょう。

犬を外飼いするときのチェックリスト

庭の犬小屋の近くて伏せている犬 犬を外飼いするときには、以下の点に注意しましょう。

他人の手が届かない場所につなぐ

通行人が触れられる場所につなぐことはトラブルの原因となる場合もあります。思慮がない方が愛犬にイタズラをする危険があるほか、逆に愛犬が他人に危害を加える恐れがあります。

季節に応じて環境を整える

外で飼育されている犬は、気候の影響を100%受けることになります。寒さや暑さが厳しい時期は玄関先に入れるといった対策が理想ではありますが、何らかの事情で家へ入れられない場合は季節の変わり目ごとに少しでも快適な環境を整えてあげる必要があります。

夏は直射日光を避けられる日陰を作り、冬は寒冷から体を守れるようにしましょう。必要に応じて、犬小屋の場所を変更することも必要です。

植物の毒性をチェックする

犬にとって毒となる植物は非常に多く、アサガオやパンジー、つつじ、チューリップなどのよく見かける植物も犬の健康を害します。庭をよくチェックして、危険な植物がない状態にしておきましょう。

池や水たまりは埋める

池や水たまりでは蚊が繁殖するため、フィラリアにかかる可能性が高まります。必要がない場合は、水が溜まっている場所を埋めてしまいましょう。また、バケツなどを外に置きっぱなしにしていると雨水が溜まってしまうので注意しましょう。

フェンスや柵は十分な高さに

愛犬が脱走すると、事故に遭う可能性があります。そのような事態を起こさないために、十分な高さのフェンスや柵を用意しておきましょう。また、首輪やリードは古くなる前に取り換えるようにしましょう。

十分なコミュニケーションを取る

外で飼われていても、犬は家族の一員です。外でつないで放置するのではなく、しっかりコミュニケーションを取りましょう。これを怠ると、寂しさから問題行動を起こしてしまいます。家族の姿が見られる窓際などに小屋を設置してあげられれば犬も安心感を得られます。

家族の出入りが多い玄関近くや勝手口付近などなら自然と接する機会も多くなります。

外飼いでも散歩はする

外飼いで運動できる環境だからといって散歩が必要ないわけではありません。散歩は飼い主とコミュニケーションを取ったり、ストレスを発散したりと犬にとって大切な時間です。また、他の犬や人と会って社会性を育てるためにも散歩は不可欠です。

犬の健康に気を配る

外飼いの犬の寿命が短いといわれている理由として、飼い主が犬の体調の変化に気付きにくいことが挙げられます。犬の健康を守るためには、毎日しっかりと観察してあげることが大切です。

幼犬や老犬は室内で飼う

外飼いできる犬種であっても、生涯を通して外で飼うことは好ましくありません。幼犬や老犬は十分な体力がないため、屋外という過酷な環境は負担が大きいといえます。外で飼うのは、成犬の間のみにしましょう。室内で飼う事が難しい場合は、悪天候の時だけでも玄関先に入れてあげてください。

外飼いするのはしつけをしてから

外飼いする予定で犬を飼い始めたとしても、はじめは室内で育てながらしつけをしましょう。外での飼育を始めるのは、「フセ」や「マテ」など、基本的なしつけをマスターしてからにすることをおすすめします。これを怠ると、一脱走した場合に帰ってくる可能性が低くなります。

まとめ

飼い主と庭で遊んでいるラブラドールレトリバー 犬種にかかわらず、犬は飼い主と一緒に過ごしていたいと言えます。犬を飼うときは、可能であれば室内飼いをおすすめします。

外で飼う場合は、必ず外飼いが可能な犬種を選びましょう。また、少しでも犬のストレスや危険をなくす工夫をするように心掛けてください。

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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


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