2018年3月10日

犬が一番敏感なのは?犬の味覚について

犬の嗅覚が優れていることをご存知の方は多いですが、意外と少ないのが犬の味覚についてではないでしょうか。

ここでは、犬が好む味や味をどのように感じているのかについてご紹介します。

人間の味覚と犬の味覚の違い

野菜の前の犬とお肉の前の犬 舌で味を感じることができるのは「味蕾(みらい)細胞」と呼ばれる味を感知する細胞が存在するためです。

これは人間にも犬にもあり、人間であれば味蕾細胞の数は1万個ほどあります。

それに対して、犬は5分の1ほどの数の味蕾細胞しかもっていません。そのため人間に比べると味覚はかなり鈍感だといえます。

犬と人間の味覚の違いは、消化の過程と食べ方の違いに起因しています。

人間は唾液で食べ物をある程度消化する必要があるため、食べるときに何回も咀嚼をします。

そのため、進化の過程で味覚が発達していきました。

しかし犬の唾液は消化酵素を含んでいないため、犬は食べ物をある程度のサイズに砕いたらすぐに飲み込みます。

そのため、人間のように味覚が発達しなかったと考えられます。

犬が感じている味覚

舌を出す犬 ここでは、甘味、塩味、酸味、苦味、旨味などの味を犬がどのように感じているのかについてご紹介します。

甘味

犬が最も敏感に感じ取ることができるのは甘味で、アイスクリームなどを好む甘党な犬は少なくありません。

ちなみに、犬とは対照的に猫は甘味を感じません。

これは、猫が生粋の肉食であったのに対し、犬は果物なども食べて生きていたことを示唆しています。

塩味

犬の舌はほとんど塩味を感じ取ることができません。

これは、犬がもともと狩りで捕らえた獲物を食す生き物だったためです。

生き物の血液には十分なナトリウムが含まれているため、塩分の不足を心配する必要がなかったのです。

ジャーキーなどの犬用おやつには塩分が含まれていますが、決して塩味を好むからというわけではないようです。

酸味

犬は、甘味だけではなく酸味も敏感に感じとることができます。

これは、食べ物が腐りかけたときに酸っぱくなるためで、酸味があるものは危険だと、味で食べ物の安全性を判断しています。

犬がレモンなどの酸っぱい食べ物を苦手としている理由でもあります。

苦味

自然界では苦いものが有毒であることが多いこともあってか、犬は苦味を苦手としています。

そのため、噛み癖を直すためのスプレーは苦くなっています。

なお苦味を感じる部位は舌の奥のほうにあるため、苦味を感知するためには少々時間がかかります。

苦いものを口に入れてから吐き出すまでに多少の間があるのは、このタイムラグがあることが理由になります。

旨味

犬は、人間とは違い旨味を感じないと考えられています。

人間にとって旨味が非常に重要であることを考えると、人間と犬の味覚がどれだけ違うのかが分かりやすいかもしれません。


犬には味より匂い

匂いを楽しんでいそうな犬 人間の感覚だと、食の好き嫌いを決める一番の要因は味です。

しかし、前述したように犬の味覚は人間に比べて鈍感です。

そのため、味ではなく匂いで好き嫌いを決めている可能性も少なからずあります。

犬にとって大切なのは、一番は匂い、その次に食感、そして味、最後に見た目です。

愛犬の食いつきが悪いときには、味付けを変えるよりも匂いや食感を工夫したほうが効果的だとされている理由になります。

フードを少し温めて香りを立たせるだけでも食いつきが良くなることがあるので、愛犬が食欲不振になったときは、ぜひ試してみてください。

まとめ

餌を楽しみにしている犬 人間は味覚が敏感なためゆっくりと味わいながら食べますが、犬の味覚は人間と比べてかなり鈍感です。

とはいえ、味が濃い人間の食べ物を与え続けていると味が薄いフードを食べなくなってしまいます。

好き嫌いを助長しないように気を付けながら、しっかりと食事管理を行ってください。

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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


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