2018年6月3日

【行政書士が解説】Q.「賃貸マンションで無断でペットを飼っているのがばれました。出ていかなければいけませんか?」

監修にご協力いただきました!

平成元年3月 法政大学法学部法律学科卒業

(司法試験浪人)
平成4年3月 株式会社市進(現、株式会社市進ホールディングス) 入社
平成25年1月 行政書士試験 合格
平成28年2月 行政書士齊藤学法務事務所 開設

Q「ペットを飼うことは禁止されていると、知っていました。

しかしあるとき、運命的な出会いをしたペットと離れることができずに、内緒で飼っていました。

ところが先日、不動産管理会社の人が来て、『ペットを飼っているなら、契約違反だから出て行ってもらうことになる』と言われました。

このような場合、隣の部屋の住民には迷惑をかけていなくても、本当に出ていかないといけないのでしょうか。」

3点まとめ
・あなたは「ペット不可」に同意した上で契約している
・「誰にも迷惑をかけていない」とは言えない理由
・ペットのことを考えれば、退去にも前向きになれるはず

本当に迷惑をかけていないのでしょうか?

部屋の中を歩く犬の様子 最初に確認しておきたいことは、お住まいのマンションは賃貸マンションということです。

ということは、そのマンションは大家さんの持ち物ということになります。

つまり自分の所有物をどのように使うかは、よほどの公序良俗(社会の一般的秩序、社会の一般的道徳観念)違反でない限り、所有者である大家さんの自由なのです。

“ペット可”なのか“ペット不可”なのかは、大家さんの気持ち一つで決まってしまいます。

借りる人にも当然選ぶ自由があり、借りる条件が気に入らなければ、契約をしないという自由があります。

しかしご相談者の方は、“ペット不可”という条件のもとで契約をされています。

つまり、その契約に違反をしているので、ご相談者の方が大家さんに迷惑をかけてしまったということになるのです。

自分の本を友人に貸したら、たばこの臭いが染みついて戻ってきたらどう思いますか?当然怒りますよね。

それ以上の事態を引き起こしていると考えてください。

静かに暮らしていても、防臭剤を使っていても契約違反です

お風呂上がりでタオルを巻いているミニチュアピンシャー ペットの臭いがしないように防臭剤を使ったり、おとなしいペットなのでほとんど鳴かなかったりで、実質的に誰にも迷惑をかけていないとしても、契約違反ということには変わりがありません。

そもそもペットを飼っていることが不動産管理会社に知られたということは、臭いや鳴き声で不快に思った住民がいる可能性もあります。

動物が嫌いな人も世の中にはいるということを、受け入れるしかないのです。

場合によってはアレルギーの方がいて、症状が悪化した責任を追及される可能性もゼロではありません。このような場合、責任問題から逃れることはできなくなってしまいます。


ペットのことを一番に考えた行動とは?

引っ越しの準備中の部屋でたたずむ犬 ペットを心から愛するのであれば、速やかに“ペット可”のマンションに引越ししましょう。

“ペット不可”マンションでひっそりと飼うのではなく、堂々と飼える環境を手に入れるべきです。

最近は、ワンちゃんの散歩帰り用の洗い場が付いた物件もあります。猫ちゃん用にキャットウォークができるお部屋もあります。

ペットを飼う方のためのシェアハウスも、最近はとても人気があります。このような住居を探すのも、きっと楽しいはずです。

退去を言い渡されても、ペットのための新たな環境を手に入れるのだと、前向きに楽しみましょう。

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文:齊藤 学
小学生時代は小説家、中学生時代には弁護士になる夢を持つ。高校生の頃に獣医学部を目指すも、数学が苦手で挫折。小説家と弁護士を天秤にかけ、弁護士の道を選んだものの、結果は見事惨敗。

東日本大震災をきっかけに、法律の勉強に再チャレンジ。家族を説得して脱サラし、行政書士事務所を開設。

日々持ち込まれるご相談やご依頼手続きに走り回りながら、ご縁に感謝する日々を送っております。


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