2018年6月22日
【獣医師監修】犬猫の新常識「マイクロチップ」とは~装着方法・費用など~
ここ数年で、よく耳にするようになった犬猫の「マイクロチップ」。
マイクロチップがどんなものかはおよそ知っているが、その目的やメリット・デメリットがよく分からない。
また、装着する際にかかる費用や期間などが気になる飼い主さんへ。
今回は犬や猫に装着する“マイクロチップ”についてまとめてみました。
もくじ [非表示]
マイクロチップで迷子犬・猫が減る?
マイクロチップは、迷子、災害、盗難、事故などの際に、身元を証明する役割を果たしてくれます。犬や猫にマイクロチップを装置することで、もし飼い主と犬猫が離れ離れになってしまった場合でも、動物病院や動物保護センターなどの行政機関でマイクロチップの番号を確認することで、飼い主の元へ戻ってくる可能性が高くなります。
既にヨーロッパ動物愛護先進国とされているイギリスやドイツ、アジア動物愛護先進国のオーストラリアやニュージーランドなどは、マイクロチップが義務化されています。
日本でも将来的には、動物愛護法によって犬猫にマイクロチップの装着を義務化する動きもあるようです。
ただ日本国内で飼育されている犬892万匹、猫は953万匹のうちマイクロチップの装着率はわずか10%程度とかなり低めなのが現状です。
愛犬・愛猫にマイクロチップを装着するメリット・デメリットとは
導入を検討する際には、マイクロチップを装着することでのメリット・デメリットについてもしっかりと確認をしましょう!マイクロチップ装着のメリット
飼い主の元へ帰ってくる確率が高くなる
日本でマイクロチップが注目されるようになったのは、東日本大震災以降。地震によりパニックを起こし逃げ出してしまったり、避難の途中で飼い主さんとはぐれてしまった犬猫たち。
そんなときに大いに役立ったのがマイクロチップだそうです。
このような経験から次第にマイクロチップが普及するようになり、東日本大震災が起こる前と後では、装着率が約3倍にもなったというデータもあるようです。
一度埋め込んでしまえば永久的に使える
迷子防止のために、首輪に鑑札や迷子札などを付けて対処している飼い主さんも多いかと思いますが、もしも首輪が外れてしまった場合、これらは意味をなさなくなってしまいます。マイクロチップ場合は一度埋め込んでしまえば、永久的に使うことができるのです。
盗難にあったとき飼い主の証明になる
もしも愛犬が盗まれてしまった場合、マイクロチップを埋め込んでいれば、脱落したりデーターを書き換えることはできないため、自分の犬であるという証明にもなります。保険料が安くなる
マイクロチップ普及に向け、ペット保険でもマイクロチップを装着していると保険料がお得になるプランもあるようです。マイクロチップ装着のデメリット
費用や手間がかかる
マイクロチップを装着する際のデメリットとして挙げられるのが“費用”。また動物病院で装着してもらう必要があるため、面倒と懸念される飼い主さんも多いようです。
ただし、市町村によっては助成金が出る場合もあり、ほぼ無料でできることもあるそうですので、ご興味のある方は、一度お近くの自治体へ問い合わせしてみるのもいいかもしれませんね。
照合できるマイクロチップリーダーを使える場所が少ない
マイクロチップを装着していても、読み取る機器(マイクロチップリーダー)が無い場合、迷子の犬を保護しても飼い主を探しだすことができないというデメリットがあります。現在は、動物病院や動物保護センターなどにマイクロチップリーダーが置かれているようですが、一般的にはまだまだ認知されていないのが現状です。
身体への負担
装着の際の、犬猫の体への負担も心配されるところだと思います。しかし日本国内で、これまでにマイクロチップの装着による死亡例というはありませんので、特に心配する必要はないかと思いますが、持病や気になることがある場合は獣医師へ相談してみると良いと思います。
登録内容の変更
引っ越しなどで連絡先が変更となる場合は、それに合わせて登録内容も変更する必要があります。もしものときに役立つマイクロチップですが、メリットとデメリットがありますのでよく理解した上で装着することをおすすめします。
マイクロチップの装着は動物病院で
装着には通常の注射針より少し太い専用の注射器を使い、直径2㎜、長さ約8~12㎜の円筒形のマイクロチップを体内に注入します。通常の注射と同じくらいの痛みであると言われているので、鎮静剤や麻酔薬などは通常使用しません。
埋め込む場所は犬や猫の場合、首の後ろの皮下が一般的で注入したマイクロチップは体内で移動することはありません。
犬は生後2週間後から、猫は生後4週間から埋め込みは可能と言われています。
ただし、マイクロチップの埋め込みは獣医療行為にあたるため希望する際は、動物病院へ相談しましょう。
マイクロチップ登録の流れと費用
費用
マイクロチップを注入する費用は、2,000~8,000円ほど。動物病院によって金額は異なるようです。
また自治体によっては助成金が出ることもあるようですので、事前に確認をしておきましょう。
登録の方法
マイクロチップ自体には飼い主の連絡先などのデーターは入っていませんので、マイクロチップのデータ(15桁の数字)と飼い主の情報を紐づける必要があります。まず、獣医師から渡される用紙に必要事項を記入します。
マイクロチップを装着した犬や猫に関する情報は、既に獣医師が記入してくれていますので、余白の部分を記入しましょう。
記載項目は下記の通りです。
飼い主の情報(住所、氏名、電話番号、FAX、E-mail、緊急連絡先)
データベースで管理をしているAIPO(動物ID普及推進会議)という団体へ、データ登録料1,000円と共に提出します。ただし、メーカーやお住いの地域によってはチップ代に登録料が含まれていることもありますので、詳しく知りたい方は事前に動物病院へ問い合わせしてみましょう。
AIPOとは…Animal ID Promotion Organization (動物ID普及推進会議)の略称で、マイクロチップによる犬、猫などの動物個体識別の普及推進を行っている組織です。
「マイクロチップ」について、メリット・デメリット、装着の方法や費用についてまとめてみました。
東日本大震災以降、犬猫を飼っている飼い主さんの間で徐々に注目されつつあるようです。
注射器で簡単に挿入することができますので、もしものときに備えて一度ご家族で話合われてみると良いかもしれません。
文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。
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