2017年12月1日

知ってた?盲導犬を預かるボランティア、パピーウォーカーの条件や期間

「パピーウォーカー」という言葉を聞いたことがある人は少ないかもしれません。

パピーウォーカーとは、盲導犬の候補犬を1歳になるまで里親として預かるボランティアのことです。

生後6~8週のときに委託されるため、子犬と過ごす期間はおよそ10カ月となります。

盲導犬の資質として、人間が大好きである必要があります。

そのため、盲導犬協会では子犬を愛情たっぷりに育ててくれるパピーウォーカーを随時募集しています。

ここではそんなパピーウォーカーについてご説明します。

パピーウォーカーになるための条件

子犬が芝生の上で飼い主を見ている様子 パピーウォーカーになるためには、まずは地域にある盲導犬協会に登録を行う必要があります。

日本盲導犬協会では、パピーウォーカーの基本条件として以下の8つを定めています。

・訓練センターの近郊に居住しており、かつ車移動が可能であること
・訓練センターで開催されるレクチャーに月1回参加することができること
・室内で犬を飼えること
・家を留守にする時間が少なく、犬の様子を小まめに観察できること
・家族全員で犬のしつけができること
・先住犬がおらず、子犬を飼育するゆとりが十分にあること
・集合住宅に住んでいる場合、管理側の承諾が得られること
・日々のフード代や雑費、治療費などを自己負担できること

これらの条件を満たしていれば、説明会に参加したのちパピーウォーカーとして登録をすることができます。

なお、登録の際には簡単な面接もあります。

登録が完了したら、自宅に迎える犬が決まるのを待ちます。パピーウォーカーは現在不足しているため、すぐに決定することも少なくないようです。

委託日の1カ月前までには盲導犬協会から連絡が入るので、子犬を受け入れる準備を整えておきましょう。

また、正式に委託を受ける前には訓練センターで子犬との接し方についてのレクチャーを受けます。

パピーウォーカーとしてのしつけ

子犬が口を開けている様子 パピーウォーカーが預かる子犬は、将来は盲導犬として目の不自由な人々のために使役するようになります。

しかし、一般人であるパピーウォーカーが特別な訓練をする必要はありません。

専門的な訓練は育成団体が行うので、パピーウォーカーが行うのは基本的なしつけのみです。

また、しつけでわからない点があれば育成団体に質問することができます。育成団体が後々スムーズに訓練を行えるようにするためにも、不安な点があるときは遠慮せずに相談するようにしてください。


パピーウォーカーとして別れた犬とはまた再会できる?

盲導犬がパートナーを導いている様子 パピーウォーカーとして子犬の面倒をみる期間は約10カ月とほんの一瞬のことで、その後は必ず別れのときが来ます。

10か月とはいえ一緒に暮らした子犬に対して愛情がないわけはなく、また再会したいと思う人も多いことでしょう。

しかし、残念ながら自分が預かった子犬と再会することはできません。

パピーウォーカーの元を離れた子犬たちは盲導犬として成長していき、将来は盲導犬を必要とするユーザーのために働くようになります。

このとき、何よりも大切なのはユーザーとの間に信頼関係を築くことです。

子犬の頃に自分の世話をしてくれたパピーウォーカーと再会することで、気持ちが子犬に戻ってしまうことや、混乱してしまう可能性があります。

こういった理由から、預かった子犬ともう一度会うことはできません。

このことは契約書にも記載されているので、よく確認しておきましょう。

パピーウォーカーのまとめ

飼い主が子犬を持ち上げている様子 パピーウォーカーとして育てた子犬と会えなくなることを考えると、それだけで寂しくなってしまうかもしれません。

しかし、盲導犬を育てるためにはたくさんの人の支援が必要なので、興味がある方はパピーウォーカーを目指してみてはいかがでしょうか。

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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


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