2017年6月22日
シーズーってどんな犬?魅力や歴史と飼うときのポイント
小型犬のなかでも、とても穏やかで物静かなシーズーは、長年人気ランキングに入り続ける安定した人気の犬種です。
古くは“神の使い”と言われており、その後過酷な運命を生き抜いてきたシーズーの知られざる歴史、名前の由来、サイズ、性格、かかりやすい病気や飼うときのポイントについてお話しします。
もくじ [非表示]
シーズーの基礎知識~どこで生まれたどんな犬?~
シーズーの歴史
チベットで神の使いとされていたラサアプソと、中国のペキニーズの混血でシーズーが生まれたと言われています。チベットと中国は仏教の関係で古くから関係があり、伝統的にチベットの僧院から聖なる生き物である犬(ラサアプソ)を中国の皇帝に献上するという慣例がありました。
献上されたラサアプソと中国の宮廷で飼育されていたペキニーズを交配させて生まれたのがシーズーだと言われています。
かの西太后から寵愛を受け、紫禁城から門外不出の「神の使いの犬」として扱われ、一時は宮廷内に1,000匹ものシーズーが飼育されていたと言われています。
しかし、1911年に起こった辛亥革命により、革命の混乱の中、宮廷内のシーズー達は一掃されてしまいます。
また、1950年だいに起こった共産主義革命のあとは、「犬の飼育は退廃的だ」とされ、家庭内での飼育もできなくなり、中国では絶滅の危機を迎えます。
そのため、現在私たちが目にしているシーズーは、革命前の1930年代に密かにヨーロッパに渡っていたシーズーの子孫だと言われています。
ヨーロッパに渡った後は、シーズーとペキニーズとラサアプソは混同され、一つの犬種だと勘違いされたこともありましたが、20世紀に入り、シーズークラブが設立され、犬種として認定されたのです。
名前の由来
もともとシーズーは中国で獅子狗(シー・ズー・クウ)と呼ばれていました。日本語に直訳すると“ライオン犬”。小型犬の体に対して骨格がずっしりしていることから、シーズーは獅子に例えられていたのです。
このシー・ズー・クウがヨーロッパに渡り、そのまま短くして「シーズー」と呼ばれるようになりました。
中国では獅子は架空の神聖な生き物なので、同じようにシーズーも神の使いとして大切にされてきました。
シーズーの特徴
ダブルコートの長い被毛は色々な色があり、クリクリとした大きな目、短吻で耳は垂れ、鼻から放射状に広がる長い毛がとてもチャーミングです。
シーズーのサイズ
体高は26.7cm以下で、体重は4.5~8kgが標準とされています。
小さな体に対してずっしりと重さがあり、安定感があるのが特徴です。
シーズーの性格は?
シーズーの性格は?
シーズーは明るく活発で人懐っこい性格ですが、穏やかで落ち着いた一面も合わせ持つ犬種です。家族のことが大好きで、とても甘えん坊かと思えば、自分の世界を持っているようなところもあります。
概ねおおらかな性格で、飼い主に対しても気遣いをするほど優しい性質を持ち、愛玩犬らしい思慮深い部分もあります。
少しプライドが高いところがあるので、小さい頃から社会性を育ててあげるようにすることが大切です。
マイペースでエンジンが入るのが遅いところがあるので、しつけは根気よく行う必要があります。
シーズーの毛色
シーズーの毛色は多種多様でゴールド・ブラック・ホワイト・シャンパン・ブルーなどあらゆる毛色が認定されています。
ホワイトをベースにいろんな色が斑点状に現れているものはパーティーカラーと言われています。
パーティーカラーの場合は、顔の中心が白い子に人気が集まる傾向にあるようです。
気になるシーズーの寿命。長生きさせるにはどうすればいいの?
シーズーの平均寿命
シーズーの平均寿命は14〜15歳と言われており、これは小型犬としては標準の寿命です。ただ、20歳以上まで生きるシーズーも少なくないので、少しでも長く一緒に居られるように健康管理には気をつけてあげましょう。
シーズーの肥満は深刻な病気の元
シーズーを長生きさせるのに欠かせないのは、まず肥満にさせないことです。シーズーのような鼻が低い犬種は、基本的に鼻呼吸が苦手なため、肥満になってしまうと気管が圧迫されて呼吸が難しくなり、気管虚脱という病気になってしまう可能性があります。
また、この病気を防ぐために、首輪が締まり過ぎないようにする、散歩のときには首輪ではなく胴輪を使うことをおすすめします。
そのほかシーズーのかかりやすい病気
目の病気
シーズーのチャームポイントはクリクリとした大きな目ですが、目が少し前に出ていることから傷がつきやすいため、シーズーは目の病気に注意するべき犬種だと言われています。目の周りの毛は短くカットしてあげたり、目やにを小まめにとってあげるなど、よく気をつけてあげましょう。
耳の病気
シーズーのように耳が垂れた犬種は、耳の中が湿った状態になりやすく、菌が増殖して外耳炎などの病気にかかりやすいと言われています。1週間に1回は耳のお掃除をして、日頃から耳には気を使ってあげるようにするといいでしょう。
皮膚の病気
もともとシーズーはチベットの寒い乾燥した地域の犬なので、日本の高温多湿な気候はあまり得意ではありません。とくに梅雨の時期など、雨が多く湿度が高い時には菌が繁殖しやすく皮膚病にかかることが非常に多くなります。
体を痒がったり、皮膚が赤くなっていたりしたら、動物病院で薬用シャンプーなどの施術を受ける必要があります。
シーズーを飼うときのポイント
シーズーのお散歩
シーズーは小型犬ですがしっかりとした骨格を持っているので、とても体力があり、一日に必要な運動量も多い犬種です。1日2回、3o分程度の散歩をしてあげるのが理想的です。運動量が増えることで肥満を予防することもできます。
シーズーは食欲旺盛な子が多いので、体重は運動で調整してあげるのがオススメです。
シーズーは暑さに弱い
シーズーはとにかく暑さに弱い犬です。鼻が低く呼吸が苦手なので熱中症になりやすく、夏場の炎天下の散歩や、短くても車内でのお留守番は命に関わるので気をつけましょう。
お留守番させる時はクーラーをつけて室温を25度前後に保ってあげることが重要です。
シーズーの毎日のケア
シーズーの魅力はふわふわの被毛ですが、この被毛は汚れやすく、簡単にもつれて毛玉になってしまいます。
毛玉になると見た目を損なうだけではなく皮膚病の元になってしまうので注意しましょう。
一日一回はブラッシングしてあげるようにしましょう。前述の通り暑さに弱いため、夏はサマーカットにしてあげるのもおすすめです。
最近では色々なカットスタイルがあるので、大胆にイメージチェンジできるのもシーズーの魅力の一つです。
まとめ
中国の宮廷で愛されていたシーズーは「頭はライオン、骨格はクマ、足はラクダ、歩く姿は金魚」と表現されていたそうです。まさに、優雅で愛らしい他にはないバランスをした小型犬のシーズーをうまく表した言葉です。
シーズーは飼いやすい性格の犬種で、子どもとの生活も安心です。
小型犬ながら必要な運動量は多く、皮膚や目の病気にかかりやすい一面もあるので、きちんとケアができる家族が飼い主になることが重要です。
あなたの愛情でしっかりと信頼関係を結べれば、最高のパートナー犬になってくれることでしょう。
文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。
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