2017年6月22日

秋田犬ってどんな犬?魅力と飼うときのポイント

秋田犬は「あきたけん」と読みたくなりますが、正しくは「あきたいぬ」と読みます。

日本で初めて天然記念物となった犬種で、日本犬ながら海外でも人気があります。

そんな秋田犬の特徴をまとめたので、秋田犬を迎えようかと考えている方は、ご参考ください。

秋田犬の特徴

雪の中で寝そべる秋田犬 秋田犬は、体高が61㎝~67㎝の大型犬です。がっしりとした体格で足が長く、三角耳の立ち耳とクルリとした巻き尾が特徴的です。

毛色は主に赤、白、虎の3種類があります。最も多いのは赤の毛色で、白の毛色の秋田犬を飼っている人はあまりいません。

綺麗な虎毛を作り出すのはなかなか難しいといわれていて、密かに人気があるようです。

寿命は11歳~15歳で、大型犬としてはごく一般的です。

秋田犬はペットショップでは売っていないことが多いので、秋田犬を飼う場合は里親になるかブリーダーから購入するかの2択になります。

秋田犬のお世話

駆け寄ってくる秋田犬の子犬

運動量について

秋田犬は体力がある犬種なので、しっかりと運動させる必要があります。1日に2回、30分~1時間ほど散歩させましょう。

運動を怠るとストレスから吠えたり暴れたりすることがあるので、雨や雪など悪天候の日でも散歩は必須です。

秋田犬の飼い主の中には、犬を飼い始めてから体力がついた人も多いそうですよ。

散歩は力のある人で

なお、秋田犬は力が強いので、絶対に子供に散歩を任せてはいけません。体力があり、体の大きな秋田犬をしっかりと制御できる人が散歩を担当しましょう。

また、警戒心が強いため他人に噛みつくことがあります。散歩中に他人が触ってきたりしないように注意しましょう。

キレイ好きなので住環境に注意

秋田犬は、どっしりとした見かけとは裏腹に繊細できれい好きです。トイレとベッドが近いとストレスになるので、離れた場所に設置してあげましょう。

また、短毛ですが抜け毛は多いのでブラッシングは毎日行うのがベストです。少なくとも、週に1回~2回は行いましょう。

秋田犬のかかりやすい病気

気を付けたい病気としては、ブドウ膜皮膚症候群が挙げられます。

この病気は自分の免疫がメラニン色素を攻撃することによって起こり、放置すると失明につながります。

他の犬種でも起こりうる病気ですが、秋田犬は特に発症率が高いといわれています。

ブドウ膜皮膚症候群になると、はじめは急に涙が溢れて止まらなくなります。それから白目が充血し、目の表面が白濁していきます。

このような症状が現れたら、直ちに獣医に連れて行ってください。初期のうちに治療を行えば、かなり視力が回復しますよ。


秋田犬の歴史

屋外で座っている秋田犬 秋田犬の原産地は秋田県の北部で、祖先は熊の狩猟犬であったマタギ犬だと考えられています。

明治時代にはより強く大きな犬になるようにと洋犬との交配が進められ、純血種の数は激減しました。

20世紀初めに闘犬が禁止されると、秋田犬の存続が危ぶまれるようになりました。

しかし、愛好家や研究科などの努力の甲斐あって1931年には日本で最初の天然記念物として登録されたのです。

そんな秋田犬に絶滅の危機が訪れたのは、第二次世界大戦のときです。

犬の毛皮を防寒着の材料とするため、ジャーマンシェパード以外の犬はすべて軍に引き渡さなければいけなくなったのです。

当然秋田犬も例外ではなく、戦争が幕を閉じたときに残っていた純血の秋田犬はたったの20頭ほどだったといわれています。

その後は、残った秋田犬をもとに決死の作出が行われました。また、この頃から秋田犬は海外にも持ち出されるようになりました。

今では、あのプーチン大統領も秋田犬を飼っているそうです。東日本大震災で被災者を支援してくれたお礼として、秋田犬を贈ったそうですよ。

秋田犬の性格

森の中で立っている秋田犬 秋田犬の性格の特徴は、大きく3つあります。

忠誠心が厚い

秋田犬は、リーダーと認めた飼い主に対して厚い忠誠心を持ちます。非常に従順で、忍耐強く飼い主の命令を守ろうとします。

見知らぬ人には攻撃的

飼い主に対して忠誠心が厚い反面、その他の人間に対しては強い警戒心を持ちます。そのため、散歩中に見知らぬ人を攻撃することも少なくありません。

一撃で人間に重傷を負わせるため、秋田犬の咬傷事故で命を落としている人もいます。

頭がいい

秋田犬は非常に利発で、難しい命令にも正しく従うことができます。また、芸を覚えさせることも可能です。

秋田犬を遊ばせるときには、知能を使う遊びも取り入れるとよいでしょう。

忠犬ハチ公は秋田犬

渋谷の忠犬ハチ公像 渋谷にある有名な「忠犬ハチ公」は秋田犬です。ハチは大正12年の11月に生まれ、生後50日で東京帝国大学農学部教授であった上野英三郎博士に引き取られました。

それからハチは立派に成長し、渋谷駅まで博士の送り迎えをするまでになりました。

ところがある日、博士は教授会での公演中に脳溢血で倒れ、急死してしまったのです。ハチが引き取られてから1年と4か月後のことでした。

博士の死後3日間、ハチは一切食べ物を口にしませんでした。

その後、浅草に引っ越しましたが、渋谷に向かって走っていく姿がたびたび目撃されているそうです。

そして、博士が亡くなって2年余り経ったころ、ハチは代々木の家へと移されました。

この頃から、ハチは博士が帰宅していた時間に渋谷駅で待つようになったそうです。

たとえ悪天候でも、ハチは渋谷駅で博士を待ち続けました。

新しい家で可愛がられていても博士のことが忘れられず、夕食を食べてはまた渋谷駅に戻る生活を繰り返していたそうです。

そして、渋谷駅に向かう途中には必ず博士が以前住んでいた家に立ち寄っていたといわれています。

そして、昭和10年の3月5日にハチは13年の生涯に幕を閉じました。ハチの心臓と肝臓には、大量のフィラリアが寄生していたそうです。

現在は、大好きだった博士と一緒に青山基地で眠っています。

忠犬ハチ公像は、博士に忠誠を尽くしたハチへの敬意から建てられたものなのです。

秋田犬はしつけが重要

芝生の上を歩く秋田犬 忠犬ハチ公の話からもわかるように、秋田犬は正しくしつけをすれば最高のパートナーになってくれます。

しかし、一歩しつけを間違えると手に負えなくなるので注意が必要です。

過保護に溺愛してしまうと秋田犬が飼い主をリーダーだと認めなくなり、言うことを聞かなくなります。主従関係は徹底的に叩き込むようにしましょう。

噛み癖や吠え癖も、必ず直さなければいけません。秋田犬ほどのパワーがある犬だと、本人は甘噛みのつもりでも大けがにつながります。

また、秋田犬は吠える声が大きいため、吠え癖を直さないと飼うことが難しくなってしまいます。

秋田犬は、大型犬の中でも重大な噛みつき事故が多く発生している犬種です。表情を変えずにいきなり飛びかかることがあるため、獣医でさえ秋田犬のことは慎重に扱います。

秋田犬の飼い主は、そのことを心得たうえで厳しくしつけをしなければいけません。そのため、犬を飼った経験がない人には少々難易度が高いといえるでしょう。

現実には、秋田犬のしつけに失敗して手放す人は少なくありません。これは、飼い主にとっても犬にとっても一番悲しい結果ですよね。秋田犬を飼うと決めたら、厳格な飼い主になる覚悟が必要です。

厳しくしつけることがお互いのためになることを理解し、正しいコミュニケーションを取るように努めましょう。

まとめ

赤毛と虎毛の秋田犬 秋田犬を飼うと決めたら、ドッグトレーナーなどに相談しながら正しくしつけていきましょう。しつけを怠ると、飼い続けることさえ難しくなってしまいます。しかし、秋田犬はもともと忠誠心が強く従順な犬種です。

接し方を間違えなければ、唯一無二の最良のパートナーになってくれます。

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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


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