2017年6月26日

スタンダード・ダックスフンドってどんな犬?魅力や歴史と飼うときのポイント

「ダックスフンド」と聞いて皆さんが思い浮かべる姿はおそらくミニチュア・ダックスフンドでしょう。

スタンダード・ダックスフンドは、ダックスフンドの中で最も大きい体格を持った犬種です。

小型犬ブームの影響もあり見かける機会はミニチュアよりも少ないですが、スタンダード・ダックスフンドにも特有の魅力があります。

スタンダード・ダックスフンドの基本 〜歴史やルーツ、特徴など〜

スタンダード・ダックスフンドの歴史

庭で飼い主と遊ぶダックスフンド スタンダード・ダッグスフンドの祖先に当たる犬は現在もその起源が明らかにはなっていませんが、一説では15世紀のオーストリアやドイツ、フランスに生息していた猟犬を先祖にしていると考えられています。

祖先犬の候補と言われている犬は、ジャーマンショートヘアードポインターや、ミニチュア・ピンシャー、バセットハウンド等が挙げられています。

スタンダード・ダックスフントは中世ヨーロッパの時代から、穴熊狩り専門の猟犬として活躍してきました。

穴熊は、夜に畑にやってきては農作物を荒らし、昼になると自分の巣穴に潜って眠る性質を持っています。

そこで細長い体で穴に入って穴熊を狩るのにスタンダード・ダックスフンドがとても重宝されていたのです。

その目的からより深く潜れる犬が求められたため、胴体の長い個体を選択交配した結果、現在のスタンダード・ダックスフドが生まれました。

ダックスフンドには体の小さいミニチュア・ダックスフンドやカニンヘン・ダックスフンドも存在していますが、これはスタンダード・ダックスフンドから生まれた犬種です。

猟犬としてはある程度の大きさが必要なスタンダード・ダックスフンドがダックスフンドの中で最も歴史が古い犬だと言われています。

洗濯物やベッドの隙間に潜り込む癖がある子を見ると「穴熊狩りの名残がのこっているのかな?」と感じますね。

名前の由来「フンド」?それとも「フント」?!

雪を掘り続けているダックスフンド スタンダード・ダックスフンドの名前の由来は、その猟犬としての性質から来ています。

フンドというのはドイツ語で英語の”hound”と同じ、つまり「狩る」という意味を持ちます。

ダックスはドイツ語で「穴熊」を意味する言葉なので、まさに「穴熊を狩る犬」という意味の犬種です。

ちなみに、「ダックスフンド」か「ダックスフント」、ペットショップなどでこれら二つの呼び方を目にすることもあるでしょう。

これはどちらも間違いではなく、英語読みだと「フンド」、ドイツ語読みだと「フント」となります。

日本で犬種を認定しているジャパンケンネルクラブでは、英語読みの「ダックスフンド」としているため、日本では「ダックスフンド」と呼ばれることが多いようです。

スタンダード・ダックスフンドがドイツの犬であることから、ダックスフンドのオーナーの中ではそのルーツを尊重してダックスフントと呼ぶことにこだわりを持っている場合もあります。

スタンダード・ダックスフントの特徴

大きさが3種類あるダックスフンドの中で最も大きく、最も歴史の古いスタンダード・ダックスフンド。

一番の特徴は何と言っても長い胴と短い足でしょう。その他には発達した筋肉と垂れた耳を持っています。

被毛の種類は「ロング」「スムース(短い)」「ワイアー(硬めの毛で長い)」の3種類があり、色は被毛の種類によって様々で、最もバリエーションがあるのがスムースとロングタイプ。

レッド、イエロー、レディッシュイエロー、バイカラー(チョコレート・タン、ブラック・タンなど)、大理石模様、縞模様もあります。

色々な組み合わせでそれぞれの犬に個性が見えるのもスタンダード・ダックスフンドの魅力の一つです。

スタンダード・ダックスフントのサイズ

ダックスフンドファミリーの中で最も大きなスタンダード・ダックスフンドは、体重はオスで5.5キロ以上、メスは5キロ以上で、それぞれ10キロ前後が理想的だと言われています。

胸囲も35センチ以上でダックスフンドの中ではがっしりした安定感のある犬種です。

スタンダード・ダックスフントは被毛によって性格が違う!?

スタンダード・ダックスフンドには被毛の種類が3種類あると前述しましたが、それはそれぞれ異なる犬種と掛け合わせた結果によるため、その被毛によって性格が異なります。

スムースヘアー

ソファの上で丸まっているダックスフンド 短い被毛が密集したスムースヘアーのスタンダード・ダックスフンドは、ダックスフンドファミリーの中で最も歴史が古く、この犬種の原型です。

性格は明るくとても活発で機敏です。体が丈夫なのも大きな特徴です。

ロングヘアー

凛々しく空を眺めるダックスフンド 長く柔らかな被毛に包まれたロングヘアータイプのスタンダード・ダックスフンドは、コッカー・スパニエルなど、スパニエル系の犬と掛け合わせて生まれた犬種です。

性格は3種類の中で最も甘えん坊で、おっとりとした性格をしています。

ワイヤータイプ

ワイヤーヘアーのダックスフンド 硬めの毛で覆われているワイヤータイプのダックスフンドは、テリア系の血が流れているためやんちゃな性格な子が多いことが特徴です。

また、テリア気質と言われる気の強さと頑固な一面があるので、番犬にも向いているのがこのダックスの特徴です。


スタンダード・ダックスフンドの平均寿命と長生きのヒント

かたまって寝ている4匹のダックスフンドの子犬

スタンダード・ダックスフンドの平均寿命

ダックスフンドの平均寿命は14歳〜17歳と言われていて、人間の年令に換算すると、70代後半から80歳前半です。

犬全体の平均寿命が15歳前後なのと比べてみても、ダックスフンドがかなりの長寿犬であることがわかります。

しかし、これはもちろん一般的な話で個体差があります。

例えば、とても人気の高いダップル模様のスタンダード・ダックスフンドで両親共にダップルタイプだった場合、遺伝的疾患を持っている可能性が高いという報告もあります。
(※可能性であり、すべての個体にあるわけではありません)

お迎えする際はそういった部分もきちんと確認しておくこと、信頼できる業者やブリーダーから譲り受けることをおすすめします。

スタンダード・ダックスフンドの弱点は腰

スタンダード・ダックスフンドの最大のチャームポイントは短い足と長い胴ですが、実はこれが最大の弱点でもあります。

スタンダード・ダックスフンドが最もかかりやすい病気は椎間板ヘルニアです。人間にも同じ疾患がありますね。

腰を悪くすると、必要な運動ができなくなり、肥満になってしまうことで、さらに他の疾患にかかってしまう可能性が高くなります。

ダックスの飼い主の方は、この腰を守ってあげることが大切です。

スタンダード・ダックスフンドを飼うときのポイント

芝生の上でフセをしているダックスフンド

住環境を整える

前述した通り、腰を悪くさせやすい犬種なので住環境を整えてあげるのが大切です。

少しの段差でも負担になってしまう可能性があるので、ソファに上らせないようにしつけをする、階段やベッドに柵をつけてあげる、日常的に段差を登りおりすることがないようにしてあげましょう。

また、フローリングは滑りやすく、腰への負担が大きいカーペットなどを敷いてあげるといいでしょう。

スタンダード・ダックスフンドの運動量とお散歩は?

ダックスフンドは筋肉質な元猟犬なので、意外と必要な運動量が多いのも特徴です。

少し早足で30分程度のお散歩を一日2回程度行うのが理想です。

まとめ

女性に抱かれているブラックタンのダックスフンド ダックスフンドの元祖、スタンダード・ダックスフンドについてまとめました。

日本ではミニチュア・ダックスフンドに比べると見かけることが少ないですが、世界的にはスタンダード・ダックスフンドはとても人気の犬種です。

カラーや毛質も様々で個性が光るスタンダード・ダックスフンドをお迎えしてあげてみてはいかがでしょう。

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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


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