2017年7月10日
プーリーってどんな犬?その歴史と性格
まるでモップに足が生えたような容姿の犬をご存知でしょうか。一度見たら忘れられないほどユニークで個性的な犬は、「プーリー」と呼ばれています。アメリカなど海外では人気があるものの、日本ではあまりみかけません。
ここでは、そんなプーリーの特徴や飼い方などについてまとめました。自分の家に迎え入れる犬としてプーリーを検討している人は、ぜひ参考にしてください。
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プーリーの歴史
プーリーは、ハンガリー生まれの牧羊犬です。日本で家庭犬として人気のプードルとは見た目に共通項がみられますが。その気質はまるで違います。17世紀にはプーリーはヨーロッパの他の国々にも流出し、交雑が行われました。この過程でプーリーは一時期絶滅の危機に瀕していましたが、1912年には復元への試みが始まりました。そして、2015年には無事にスタンダードが制定されたのです。
第二次世界大戦では、ハンガリーにいるプーリーのブリーダーが壊滅状態になってしまい再び危機に陥りましたが、アメリカのブリーダーの努力によって現在も種が守られています。
プーリーの特徴
プーリーは、体高40~43㎝、体重10~15㎏の中型犬です。正方形に近い形をした胴体は骨格がしっかりしており筋肉質です。動きが機敏で瞬時に方向転換ができるのもプーリーの大きな特徴のひとつだといえるでしょう。
縄状になっている被毛は非常に長く、表情もよく見えないほどです。被毛は密集して生えているアンダーコートとウェーブのかかっているオーバーコートから成るダブルコートで、寒さにも耐えられます。
ちなみに子犬の頃の被毛は軽くカールしている程度で、成犬になるにつれてドレッドヘアが出来上がっていきます。
毛色はブラックが一般的だとされていますが、グレーやホワイトのプーリーもいます。もともと牧羊犬であったプーリーは、羊の毛色に近いホワイトやグレーよりもブラックが好まれたようです。
また、羊はブラックのプーリーの言うことをよく聞くともいわれています。
プーリーの性格
プーリーは、見た目ののんびりとしたイメージとはまるで違う性格をしています。そのギャップも、プーリーの魅力のひとつだといえるでしょう。プライドが高い
プライドが高く頑固な面があり、自分が正しいと思うことをして叱られると混乱してしまいます。また、独立心が強くおだてにはあまり乗りません。従順
リーダーだと認めた飼い主にはとても従順で、言いつけを忠実に守ります。順応性も高いため、周りの環境に素早く馴染むことができます。賢い
プーリーは賢い犬種です。学習能力が高く、トレーニングのしがいがあります。信頼関係さえ築ければ、しつけはスムーズにできるでしょう。活発
プーリーは、とても快活でエネルギッシュな犬種です。大人しくしているよりも動き回っていることが大好きで、好奇心旺盛です。また、明るい性格なので子供とも仲良くできます。警戒心が強い
プーリーは警戒心が強く、見知らぬ人にはなかなか懐きません。常に用心深く周囲の環境に目を光らせているので、優秀な番犬となって家族を危険から守ってくれます。吠え癖がある
個体によって吠え癖があるのも、プーリーの特徴のひとつです。これは、牧羊犬だったからこその特性だといえるでしょう。吠え癖がある場合は、しっかりしつけることが大切です。プーリーの被毛の手入れ
プーリーの一番の特徴といえば、やはり縄上になった被毛です。このコーデットコートと呼ばれる被毛は、丁寧にケアをしないと絡まって毛玉になってしまいます。また、ゴミやほこりもすぐについてしまいます。被毛をバリカンで剃ってしまうことも可能ですが、プーリーの魅力の一つを失ってしまうので、飼うときには、被毛を小まめに手入れをすることが一番のポイントです。
ブラッシング
トリミングは必要ありませんが、ブラッシングは必須です。毎日のブラッシングの他、週に1回は30分ほどかけて丁寧にブラッシングをする時間を作るといいでしょう。また、縄状になっている束も定期的にほどくようにしましょう。直径2㎝ほどを目安に、地肌がみえるように裂いていってください。
シャンプー
地面までつくほどに長いプーリーの毛は、非常に汚れやすいです。そのためシャンプーをしてきれいにしてあげたくなりますが、一度被毛を濡らすと乾くまでにかなりの時間がかかります。慣れていないと丸1日を費やすほどの大仕事となるので、シャンプーをするのは時間がたっぷりあるときにしましょう。
プーリーの運動量
プーリーは元気で活発な犬なので、お迎えをされる方は十分に運動する時間を作ってあげる必要があります。散歩は、1日最低でも60分は行いましょう。プーリーは走るのが速いので、のんびり歩く散歩では満足しません。そのため、毎日の散歩は少々ハードだといえます。
運動が大好きで動きが機敏なので、ドッグスポーツにも向いています。愛犬と一緒にアジリティーやフリスビーなどを楽しみたい人は、プーリーの飼い主としての素質があります。
プーリーがかかりやすい病気
プーリーの寿命は、12~16歳だといわれています。最近は犬の平均寿命ものびているため、健康的な食事や適度な運動を心がけることで、平均よりも長生きしてくれる可能性があります。注意したい病気としては、股関節形成不全と進行性網膜萎縮症が挙げられます。
股関節形成不全
股関節に先天的な異常があることを、股関節形成不全といいます。歩くときに身体が左右に揺れていたりスキップのようなしぐさが見られるときは、股関節形成不全の疑いがあります。軽度であれば安静療法がとられますが、進行している場合は投薬や外科手術が必要になります。
進行性網膜萎縮症
網膜の光を受ける部分に異常が生じる眼の病気で、暗いところで目が見えにくくなります。この病気に対する治療法は確立されておらず、最終的にはほとんどの犬が失明してしまいます。
進行性網膜萎縮症だと診断されたら、不安やストレスをできるだけ取り除いてあげるようにしましょう。
プーリーを飼うには?
プーリーを飼っている人をほとんど見ないことからも分かるように、日本にはプーリーのブリーダーはいません。プーリーを飼うためには、ブリーダーなどを通じて海外から輸入してもらうことになります。価格はおよそ30~60万円ほどだといわれています。
プーリーを子犬の時期から飼いたいのであれば、オーストラリア、アイスランド、ニュージーランドなどから輸入することになります。
飼育数が多いのはアメリカやイギリスですが、輸入できるのは生後1年以上経った犬になります。
自分で海外まで足を運んで購入することも不可能ではありませんが、渡航費用や輸送費用、検疫にかかる費用など、かなりの出費となるので難しいでしょう。
また、長距離の移動は犬にとって大きな負担になります。「苦労してでも迎えに行く」という熱意があったとしてもぐっとこらえて、経験の長い人へ任せた方が犬にとってもよいかもしれません。
まとめ
プーリーをお迎えするのであれば、被毛のケアや散歩などの時間をしっかり確保する必要があります。しかし、個性的な魅力をもつプーリーですから、代わりになるような犬種は他にいません。その姿に一目ぼれしたという人は、ぜひプーリーの飼育を検討してあげてください。愛情を込めて一生懸命に世話をすれば、自慢の家庭犬になってくれるでしょう。
文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。
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