2017年7月4日

アメリカン・スタッフォードシャー・テリアってどんな犬?性格や歴史

闘犬として活躍していたアメリカン・スタッフォードシャー・テリアに対して「元闘犬だから少し乱暴かも」というイメージを持っている方もいるかもしれませんが、それは間違いです。

少し強面ながら飼い主に従順で愛情深い性質から、じわじわと人気を集めつつあるアメリカン・スタッフォードシャー・テリアについて歴史から性格、寿命や飼育するときに気をつけたいポイントまでまとめました。

アメリカン・スタッフォードシャー・テリアの基礎知識

アメリカン・スタッフォードシャー・テリアの歴史

水に飛び込むアメリカン・スタッフォードシャー・テリア アメリカン・スタッフォードシャー・テリアは元々イギリスの闘犬であるスタッフォードシャー・ブル・テリアと同じ犬種でした。

イギリスのスタッフォードシャー・ブル・テリアは、ブルドッグとフォックステリアを交配し、闘わせることを目的に作られた犬です。

1870年代にイギリスからアメリカに渡ると、アメリカの闘犬愛好家たちはイギリスのものより大きい個体を求めたため、体格のいい個体が選択交配されました。

1898年にアメリカの犬種団体によってアメリカン・ピット・ブル・テリアという別の名前で認定されました。また別の団体は、同じ犬種をアメリカン・スタッフォードシャー・テリアと認定し、この犬は一時的に二つの名前をもつ犬種となったのです。

またこの間、アメリカン・ブルテリア、ピット・ドッグ、ピット・ブルテリア、ヤンキー・テリアなど色々な愛称で呼ばれて親しまれてきました。

そして現在、この2つはまったく違う運命を辿っています。アメリカン・ピット・ブル・テリアはその闘争心の強さから闘犬・護身犬として利用されるようになり、複数の国と地域で飼育に制限があります。

そしてアメリカン・スタッフォードシャー・テリアは、闘争心が抑えられるように交配が続けられたため、現在人間の側で暮らせるパートナー犬となっているのです。

名前が非常に長いため、世界的に愛称の「アム・スタッフ」と呼ばれています。日本ではこれをさらに略した「アメスタ」などと呼ぶ愛好家もいるようです。

アメリカン・スタッフォードシャー・テリアの特徴

砂浜で遊ぶアメリカン・スタッフォードシャー・テリア アメリカン・スタッフォードシャー・テリアは筋肉質で重心が下にある、非常に安定感のある体をしています。短い被毛の密度は高く、美しい光沢を持っています。ブルドッグを祖先としているため、がっしりとした下顎も特徴です。

アメリカン・スタッフォードシャー・テリアのサイズ

水辺で並んで立っている二匹のアメリカン・スタッフォードシャー・テリア アメリカン・スタッフォードシャー・テリアの体高はオスが46~48cm、メスは43~46cmが平均とされていて、体重はオスが18~23kg、メスが15~20kgです。

体高や体重の明確な基準があるわけではなく、体重と体高の バランスが取れていることが重要とされています。

アメリカン・スタッフォードシャー・テリアの性格は?

原っぱで座っているアメリカン・スタッフォードシャー・テリア アメリカン・スタッフォードシャー・テリアは、飼い主にとても従順な性格をしています。これは元闘犬の性質として、興奮して闘っている最中でも飼い主の命令一つでピタリと攻撃を止める必要があったためです。

アメリカン・スタッフォードシャー・テリアは攻撃的な闘犬としての性質を排除して交配されたため、飼い主の言うことをよく聞く賢い犬種ではあります。

しかし、飼い主のいない場所で、挑戦的な態度をとる犬や生き物にあった場合、その防衛本能の高さから思わぬ行動に出る可能性があるので注意が必要です。

基本的に、飼い主に対してとそれ以外に対しては態度が違う犬なので、自分に対する態度だけで判断をしないように気をつけましょう。

「この犬は甘えん坊でなんでも言うことを聞くから」と油断して他の犬や人に攻撃するようなことがあっては、犬も飼い主も悲しい想いをします。


アメリカン・スタッフォードシャー・テリアの寿命と長生きのコツ

アメリカン・スタッフォードシャー・テリアの平均寿命

芝生でオスワリしているアメリカン・スタッフォードシャー・テリア アメリカン・スタッフォードシャー・テリアの平均寿命は12〜14歳と言われています。

先天性の心疾患などにかかりやすい犬種ですので、お迎えするときは、両親の遺伝性疾患の有無などを確かめることが大切です。皮膚が全体的に強くない犬種なので、皮膚の病気にも十分注意しましょう。

また、アメリカン・スタッフォードシャー・テリアは元闘犬なので、痛みを感じにくい性質が特化されています。もし具合が悪くても、痛みが態度に出にくい上、我慢してしまいがちな犬種です。

飼い主の方が体調の変化によく気をつけてあげるようにすることが大切です。

アメリカン・スタッフォードシャー・テリアは暑いのも寒いのも苦手!

水辺で歩いているアメリカン・スタッフォードシャー・テリア 短い被毛が密集しているアメリカン・スタッフォードシャー・テリアは短頭種でもあるため、暑さにとても弱い性質を持っています。

真夏の外飼いは避け、夏のお散歩は朝か夕方に連れて行ってあげるようにしましょう。

また、反対に寒さに強いかというと、寒さにも弱い上、飼い主からの愛情を強く求める犬種でもあるので、室内で飼育できる環境を整えてあげるのが望ましい犬種です。

アメリカン・スタッフォードシャー・テリアを飼うときのポイント

アメリカン・スタッフォードシャー・テリアの日々のお手入れ

タオルにくるまっているアメリカン・スタッフォードシャー・テリア 短毛なので日々のブラッシングは長毛種ほど気をつけなくても大丈夫ですが、濡れたタオルで体全体を定期的にマッサージしてあげることで、光沢のある美しい被毛を守ることができます。

アメリカン・スタッフォードシャー・テリアの運動量とお散歩は?

秋の森の中で走るアメリカン・スタッフォードシャー・テリア アム・スタッフは必要な運動量が非常に多い犬種です。最低でも1日2回、それぞれ一時間程度のお散歩が必要です。

この犬種は、運動が直接ストレス発散に繋がりますので、お散歩は欠かせません。ストレスがたまると、問題行動に繋がることがあるので、お散歩は必ず行うようにしましょう。

1日2回のお散歩のうち、1回を早足にすることも愛犬のストレス発散におすすめです。

アメリカン・スタッフォードシャー・テリアのしつけ

お手をしているアメリカン・スタッフォードシャー・テリア 現在は闘犬としての性質が消され、人間とともに過ごすことができるようになったとはいえ、アメリカン・スタッフォードシャー・テリアのしつけは非常に重要です。

自分から攻撃することはなくても、周りの状況に大きな反応を見せることがあります。また力が強い犬なので、本人が遊んでいるつもりでも周りの犬や子供に大ケガを追わせてしまう可能性があります。

子犬の頃から徹底的なトレーニングを行うことが必要です。遊びでも攻撃性を高めるようなものを避けた方が賢明です。

ただ、愛情を多く求める犬種なので、トレーニングが終わったらたっぷりの愛情を与えてあげるようにしましょう。

まとめ

飼い主と追いかけっこしているアメリカン・スタッフォードシャー・テリア 強面と愛情溢れるいじらしい性格のギャップがたまらない、アメリカン・スタッフォードシャー・テリアについてまとめてみました。

現在、元闘犬であった特徴を消して交配され続けていますが、闘犬の資質がすべてなくなった訳ではありません。

防衛本能の高さや飼い主への忠誠心などが一転して攻撃行動になってしまわないように、小さい頃から適切なトレーニングをする必要がある犬種です。

そういったことを踏まえて、アメリカン・スタッフォードシャー・テリアのオーナーになれば、きっとこの犬種はあなたの人生の素晴らしいパートナーとなってくれるでしょう。

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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


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