2017年7月5日

キャバリアってどんな犬?その性格や歴史と魅力

近年人気が高まっているキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、人によっては「こんなに完璧な家庭犬はいない」と言われるほど、とても優秀なコンパニオンドッグです。

絵画に描かれた面影を取り戻して誕生した、という意外な歴史や、子ども好きで優しい性格、かかりやすい病気や寿命、美しい被毛のケアの仕方やしつけの方法などについてお話しします。

キャバリアの基礎知識

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの知られざる歴史秘話

キャバリアの横顔 一般的にキャバリアと呼ばれていますが、正式には「キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル」という犬種です。

この名前の通り、キング・チャールズ・スパニエルとは親戚関係にある犬種です。では、キャバリアの誕生の陰にはどんな物語があったのでしょうか?それにはまず、キング・チャールズ・スパニエルについて知る必要があります。

この犬種はもともと鳥猟犬でしたが、愛玩犬として改良されていく中でパグと交配することにより、短い鼻の愛嬌のある可愛らしい見た目になったのですが、中世の頃の面影を失ってしまいます。

なぜ、現代にキング・チャールズ・スパニエルの中世の姿が分かるのかというと、有名な画家ヴァン・ダイクが描いた肖像画にその姿が残されていたからです。(ちなみにその絵画に一緒に描かれていたのがイングランド王チャールズ2世なので、キング・チャールズという名前の犬になりました。)

1920年代に、ロスウェル・エルトリッジという名前のアメリカ人が、この中世の絵画のようなキング・チャールズ・スパニエルを蘇らせた繁殖家に賞金を出すと宣言し、見事その姿が蘇ったわけです。

その犬種を他のキング・チャールズ・スパニエルと区別するために「キャバリア」と名付けました。

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの名前の由来

階段の前に立っているキャバリア では、なぜキング・チャールズ・スパニエルの前に「キャバリア」とつけるに至ったのでしょうか?

中世の絵画に描かれたキング・チャールズ・スパニエルの姿を現代に蘇らせた犬種が「キャバリア」だと前述しましたが、キャバリアというのは英語で「中世の騎士」を意味する言葉です。

優雅で気品溢れ、物語を持ったこの犬種にまさにぴったりの名付けです。

キャバリアの特徴

芝生の上で立っているキャバリア キング・チャールズよりやや大きく、マズルが長いのが特徴です。ダークで大きな目は優しく輝いて、人を和ませるような表情をたたえています。

バランスの良い安定感のある体は、絹糸のような美しい被毛におおわれています。この被毛は少しだけ波打っていますが、巻き毛というほどではありません。

垂れた耳と胸部、四肢に豊かなふさ状の飾り毛があるのも特徴です。尾は小さい頃に3分の2以上を残した状態で断尾されることがあります。

キャバリアのカラー

芝生の上でフセをしている二匹のキャバリア キャバリアのカラーは、ブラック&タン、ルビー、ブレンハイム、トライカラーがあります。

キャバリアのサイズ

キャバリアの平均的な体高は31~33cm、体重は5~8kgです。

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの性格は?

ベッドの上で寝そべるキャバリア とにかく優しく温厚で、警戒心もなく、誰にでもフレンドリーな性格のいい犬です。

丈夫な身体に温和な性格なので、お年寄りのいる家庭にもオススメですし、小さいお子さんがいる家庭でも安心してお迎えすることができます。

とにかくキャバリアをオススメする人が一定数いる理由は、この気立てのよさです。賢く状況判断力もあるので、初心者にも安心してすすめることができる犬種です。

キャバリアのしつけ

とても利口な犬種なので、しつけもさほど難しくありません。素直で賢く、飲み込みも早いので、初心者の方も楽しんでしつけをすることができるでしょう。

家族とのふれあいが大好きな犬種なので、褒めて伸ばすトレーニングを心がけることをおすすめします。


キャバリアの平均寿命と長生きのヒント

森の中でフセをしているキャバリア

キャバリアの平均寿命

キャバリアの平均寿命は9~11年と、他の犬種に比べて少し短くなっています。

それは「キャバリアは身体が弱い犬だから」というわけではありません。丈夫な体を持っているので、長生きする犬は15年程度生きることもあります。

ただ、需要に応えるため、一部で無理な近親交配が行われたことで遺伝的疾患が発生しやすくなり、一時的に平均寿命が短くなったと言われています。(※諸説あります)

先にもお話した通り、キャバリア自体は比較的身体が丈夫な犬種です。信頼できるブリーダーのもとでお迎えし、通常通りの健康管理を行っていれば極端に短命となることはないでしょう。

長生きさせるにはどうしたらいいの?

遺伝的疾患を抱えている可能性が他の犬種に比べて高い犬種だと言われています。

長生きをさせるためには、先ほども触れたように「信頼できるブリーダーからお迎えすること」がポイントとなってきます。

キャバリアを飼うときのポイント

キャバリアの日々のお手入れ

フローリングの上で寝ているキャバリア 美しい被毛を保つために、ブラシやピンブラシで毎日ブラッシングしてあげましょう。特に、耳と胸の飾り毛は毛玉になりやすいので、念入りにブラッシングするのがオススメです。

毎日のブラッシングは皮膚疾患を予防することにもつながります。耳が垂れた犬種は蒸れた耳の中で雑菌が繁殖し、外耳炎になりやすいので、こまめにお掃除してあげるようにしましょう。

キャバリアの運動量とお散歩は?

木の枝をくわえて公園を走るキャバリア もともと猟犬なので、必要な運動量は少なくありません。1日2回、30分程度のお散歩や、ドッグランなどで自由に走り回れる時間を作ってあげましょう。

肥満になりやすい犬種なので、肥満を予防するためにも適度な運動は重要です。

キャバリアは食いしん坊!?

キャバリアはとっても食いしん坊な犬種なので、食事の管理は飼い主が行いましょう。肥満になってしまうと、股関節など他の部位にも負担がかかり様々な病気に発展してしまいます。

正直なところ、食欲旺盛な愛犬を目の前にするとおやつをあげたいという気持ちは強くなります。おやつがもらえたとなると食いしん坊は本当に無邪気に喜ぶので、与える側もその姿を見たいと思ってしまうのは自然のことです。

そんな葛藤で苦しんでしまう場合は、中にエサをいれられるタイプのおもちゃを活用することをおすすめします。これなら犬も少量のおやつで長時間楽しめますし、飼い主も食べ物の要求に悩む回数が減ります。

キャバリアと子どもの相性はいい?

キャバリアと子ども キャバリアは動物には珍しく「子どもが大好き」という犬種です。とにかく優しく、一緒にはしゃぐよりもそばに寄り添うような性質で、子どもと一緒に育てることで、最高の親友であり理解者になってくれるような犬です。

まとめ

散歩中の女性とキャバリア とにかく、キャバリアは「家族になるのにこんなにいい犬はない」というほど理想的なコンパニオンドッグです。

雨の日には一緒にソファで読書し、飼い主と一緒なら何kmも歩くこともできます。キャバリアと一度暮らしたことがある人はみんな虜になってしまう、優しい犬です。

長く生活を共にするためにも、お迎えするときは信頼できるブリーダー探しから着実に始めることをお勧めします。

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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


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