2017年7月6日

ボストン・テリアってどんな犬?その性格や歴史

ボストン・テリアはまるでタキシードでおめかししたような外見と、温厚で優しい性格を持ち、アメリカでは「犬の世界の紳士」と言われるほど。

体格もちょうどよく内面も大らかということで、都心か否かなどの住環境にもあまり左右されない最高の家庭犬でもあります。

ボストン・テリアの基礎知識

ボストン・テリアの歴史

ベッドの横に座っているボストンテリア ボストン・テリアは、その名前の通りアメリカ合衆国のボストンで生まれた犬種です。

1860年代に、富裕層に雇われていた馬の御者たちが、主人の飼い犬同士を交配させていく中で、イングリッシュ・テリアとブルドッグを掛け合わせてできた犬がこの犬種の始まりと言われています。

その名も「ホッパーズ・ジャッジ」といい、なんと作出当時は20kg近くある大型の犬だったそうです。

その後、この犬種を小さくすることが繁殖家の間で流行し、どんどん小さくした犬とフレンチ・ブルドッグを掛け合わせて生まれたのが、このボストン・テリアだと言われています。

「この犬種、とってもフレンチ・ブルドッグに似てない?」と感じていた方はここで合点がいったのではないでしょうか。

その後、ボストン・テリアは誕生から30年余りでケネルクラブに認定される犬種にまで大出世しました。アメリカで不動の人気を獲得し、現在も人気の犬種にランクインを続けるアメリカを代表する愛玩犬となっています。

ボストン・テリアの特徴

ソファに座る三匹のボストンテリア ブルドッグといくつかのテリアを掛け合わせて生まれたので、テリアの特徴やネズミ捕りの才能はほとんど失われ、現在の姿になりました。

性格も穏やかなので「名前だけのテリア」と呼ばれることもあります。家庭犬として迎えるのであれば、テリア気質が丸くなっているのは、むしろ喜ばしいという方も多いかと思います。

外見の特徴としては、上の部分が平らで四角い形をした頭部に、先の尖ったコウモリ型の立ち耳がつき、ダークで丸く左右の感覚が離れて少し飛び出し気味の瞳、短いマズルと真っ黒な鼻が付いています。

筋肉質な体には、まるでタキシードをきておめかししているように見える模様が浮き出ており、全身がチャームポイントといってもいいほど魅力的な犬種です。

ボストン・テリアのサイズ

海辺で遊ぶ男性とボストンテリア ボストン・テリアの体高は38~43cm、体重は5~11kgが理想とされています。この犬種はオスとメスでさほど体格差がありません。

ボストン・テリアの性格は?

走っているボストンテリア 明るく朗らか、フレンドリーな性格で遊ぶのが大好きな犬種です。闘犬の血が通っているとは思えないほど温厚で、思いやりと愛情に溢れ、家族は特に信頼し愛情を寄せてくれます。

ただ、感受性が強く、少しだけ神経質で繊細な面があります。家族と一緒にいるのが大好きなので、長い留守番はとてもストレスになります。

単独の留守番があまりないような家庭にお迎えされるのが理想的です。

ボストン・テリアのしつけ

座ってこちらを見上げているボストンテリア とても賢く、物覚えも良いので、しつけはしやすいタイプの犬です。ただ、少々頑固なところがあるので、飼い主も根気よくトレーニングに寄り添う必要があります。

感受性が強いため、飼い主の言葉や表情、仕草に敏感に反応する上、傷つきやすい性格をしているので、体罰や叱責は絶対にやめましょう。

体罰や叱責は全犬種においておすすめしませんが、ボストン・テリアは特に感情に敏感なので、改めてここで強調させて頂きます。

何か悪いことをしたら、怒鳴ったり、慌てたり、怒ったりするのではなく、目を合わせずに無視するような”それとなく態度で示すやり方”が一番いいでしょう。


ボストン・テリアの平均寿命と長生きのヒント

ボストン・テリアの平均寿命

部屋の中で寝ているボストンテリア ボストン・テリアの平均寿命は10~14歳と言われています。比較的短命な犬種ではありますが、飼い主が健康管理と日頃のスキンシップを欠かさずに行い体調をチェックすることで、寿命は長くなる可能性があります。

ボストン・テリアがかかりやすい病気

白内障

ボストン・テリアのように眼球が飛び出しているタイプの犬は、白内障に限らず目の病気にかかりやすいと言われています。

お散歩の時に、目にものが当たるような場所を歩かせないように注意しましょう。

また、目やにが出やすい犬種なので、目の周りは常に清潔を保つようにしましょう。

皮膚疾患

ボストン・テリアは肌が敏感で、アトピー性皮膚炎を発症する個体も増えています。家ダニなどが原因となることもあるので、部屋を清潔に保つことも大切です。

また、体にできるシワの間に汚れがたまりやすく、食事の後に、顔のシワの間に食べ残しが入って雑菌が繁殖することもあるので、シワの間は念入りにタオルで拭いてあげるよう気をつけましょう。

出産の予定がないメスは避妊手術を

目を閉じているボストンテリア ボストン・テリアは頭が大きいのがチャームポイントですが、その体型のせいで自然分娩が難しく、出産となるとほとんどの場合帝王切開となります。

小さな犬であるボストン・テリアにとって、麻酔の使用が伴う帝王切開は命がけです。

もし、出産を考えていない場合は、発情期に辛い思いをさせないためにも早めに避妊手術をしてあげることをおすすめします。

ボストン・テリアを飼うときのポイント

ボストン・テリアの日々のお手入れ

砂浜で伏せの姿勢をしているボストンテリア ボストン・テリアは短毛種なので獣毛ブラシでブラッシングをして、固く絞った布で全身をマッサージするように拭いてあげましょう。

シワの間にゴミや雑菌がたまるので、シワや口の周りは念入りに行います。

涙が出やすい犬種でもあるので、涙やけを防ぐためにもこまめに拭き取りましょう。

ボストン・テリアの運動量とお散歩は?

走っているボストンテリア 小さいけれど、必要な運動量が多めの犬種です。1日2回、朝と夕方にそれぞれ30分程度お散歩に連れて行く必要があります。

庭など安全な場所で自由に走り回らせてあげる機会をつくってあげることも大切です。ボールなどを使って遊んであげるととても喜びます。

ただ、ドッグランなど他の犬がいる場所に連れて行く際は十分に注意してください。負けず嫌いで気が強いので、思わぬトラブルに発展してしまうことがあります。

また、小さい子どもと一緒に遊ぶ時には少し注意が必要です。子どもの活発さにつられて全力ではしゃぎ続けると、ボストン・テリアのような短頭種(※)は呼吸困難になったり熱中症になったりすることがあるので十分注意しましょう。

ゼエゼエ言うようなことがあれば、一旦日陰や涼しい場所で休ませるようにしてください。

(※)短頭種…マズルが短い犬種のことを指します。犬はパンティングという口呼吸で身体の熱を逃がそうとしますが、鼻が短く口腔が狭い短頭種は熱を逃がす効率が低く、熱中症をはじめとした体調不良のリスクが高くなります。航空会社によって短頭種の預かりを断る期間を設けている理由のひとつでもあります。

ボストン・テリアは暑さに弱い!

顔を伏せているボストンテリア 前述したようにマズルが短いため、体温調節がとても苦手です。短頭種の犬は飛行機への搭乗が夏の間禁止されるほど暑さに弱いので注意が必要です。

夏のお散歩は涼しい時間帯に行ってあげてください。コンクリートの照り返しは人間の想像以上に犬にとって過酷なことを忘れないようにしてください。

そしてもともと熱を逃がすことが苦手な短頭種に関しては、他の犬にとって平気な気温・湿度でも一気に体調を崩す可能性があります。

もちろん激しい運動も体内に膨大な熱を生み出すので、はしゃぎすぎないよう飼い主が様子を見てあげる必要があります。

おだやかな性格ではありますが、体調を崩すほどはしゃぎすぎることのないようしっかり行動をコントロールするためにも、「オスワリ」「マテ」「オイデ」といったしつけはしっかりしておきましょう。

まとめ

寄り添って寝ている二匹のボストンテリア 小さな体に大きな耳、少し離れた目に短い鼻、まるでタキシードを着ているように見える楽しい模様。どこをとってもチャーミングなボストン・テリアはアメリカでは不動の人気を誇る大人気の犬種です。

「テリアとは名前だけの犬」と言われるほど、温厚で優しい性格をしています。飼い主や家族へはとても愛情を注ぎますが、相手が犬の場合は少し注意してあげる必要があります。

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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


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