2017年11月9日

ペキニーズと狆の違いとは?

ペキニーズと狆は、大きな瞳にぺちゃんこの鼻が特徴的で愛くるしい顔をしています。その姿を見て、一目惚れして飼いたくなった方も多いのではないでしょうか。

ここでは、容姿が似ているペキニーズと狆のそれぞれの特徴や見分け方などをまとめました。

ペキニーズとは

ペキニーズが芝生の上でくつろぎながら舌を出している様子

ペキニーズの歴史

ペキニーズは、名前からもわかる通り中国原産の犬種です。

祖先犬はチベット原産のラサ・アプソ、またはチベタン・スパニエルのどちらかだといわれていますが、現在のところ明らかにはなっていません。

ペキニーズに関する最も古い記録は8世紀頃のものですが、紀元前から存在すると考えられています。

優雅な容姿をもつペキニーズは、秦の時代から中国の皇帝たちに飼われて愛されてきました。あの西太后が愛した犬も、ペキニーズだったといわれています。

そんなペキニーズは宮廷外へ連れ出すことは許されておらず、宮廷内のみで繁殖が続けられていました。

中国だけに存在したペキニーズがイギリスにわたったのは、1860年のことです。アヘン戦争のときに、イギリスの軍人がビクトリア女王のためにペキニーズを母国に持ち帰ったことがきっかけでした。

その後1860年にはドッグショーへ出演し、世界中へと広まりました。

ペキニーズの性格

猫のような性格だといわれることもあり、独立心が強く飼い主に依存しません。また、見知らぬ人に対して愛想良くすることもありません。

自分から他の犬に攻撃を仕掛けることは少ないですが、負けず嫌いで一度ケンカになるとなかなか引かないようです。

飼い方のポイント

古くから人間の愛玩犬として飼われていたため、活発な性格ではありません。

散歩は短い時間で十分だといえるでしょう。しつけが難しく初心者には飼いやすい犬種ではなく、特に子犬のうちは甘やかさずにしつけることが重要です。

狆とは

芝生の上で狆が凛々しくたっている様子

狆の歴史

狆のルーツとしては諸説あり、仏教が伝来した500年代に入ってきたという説や632年頃に朝鮮からの贈り物として入ってきたという説などがあります。

また、732年および824年に朝鮮から初めて贈られたという記録も残っており、どの記録が正しいのかは定かになっていません。

また、日本の使者が中国あるいは朝鮮から持ち帰ったのを始まりだとする記録もあります。

愛くるしい見た目をもつ狆は、江戸時代には皇族の家、高級武士の家などで飼われ、人間でもうらやむような豪華な生活を送っていたとされています。

上流家庭のみで飼われていた狆でしたが、庶民の生活にゆとりができることで一般人の間にも広まったようです。

長く日本人に愛されてきた狆ですが、日本開国と共に洋犬の人気が広まり、狆の頭数は次第に減りました。現在は、愛玩犬としてマイナーな犬種となっています。

狆の性格

愛嬌があり、大人しい性格をしています。長く愛玩犬として飼われていたので、飼い主の表情をよくみて行動する賢さがあります。攻撃的な性格ではありませんが、子供にしつこく構われる等は好みません。

飼い方のポイント

運動量の必要な犬種ではないので、1日20~30分ほどの散歩で十分です。

従順な性格ですが、プライドが高い一面があるのでしつけに時間がかかることがあります。強く叱らず、根気よく教えることが大切です。


ペキニーズと狆の見分け方

狆の子犬が持ち上がられて可愛い顔をしている様子
ペキニーズと狆は非常に似た雰囲気をもっていますが、ポイントをつかめばすぐに見分けることができます。

被毛

ペキニーズの毛色は、非常にバリエーション豊富です。

ブラックやホワイトをはじめ、黒みがかった茶色のフォーンや黒い顔に茶色の身体をしたフォーン・ブラックマスク、黒地にタン模様が入るブラックタン、白と黒のパーティーカラー、白と茶のパーティーカラー、白黒茶のパーティーカラー、単色のレッド、クリームなどがあります。

これに対して、狆はそのほとんどが白と黒のパーティーカラーです。稀に白と茶のパーティーカラーの個体も生まれてくるようです。

白と黒および白と茶のパーティーカラー以外の毛色であれば、狆ではなくペキニーズだと容易に判別がつきます。また、ペキニーズのほうが狆より毛量が多い傾向があります。

ペキニーズと狆は、どちらも鼻がぺちゃっとした愛らしい顔立ちをしていますが、ペキニーズよりも狆のほうがやや鼻が長いことがわかります。

ペキニーズの鼻がぺちゃんこなのに対し、狆の鼻はシーズーほどの長さがあります。

体型

長い毛で全身が覆われているため見落としがちですが、実は体型も異なります。

狆は手足が長く、スレンダーな体型をしています。ペキニーズは全体的に丸く、愛らしい体つきをしています。

洋犬のような日本犬

日本スピッツがこちらを見ている様子 日本犬というと、秋田犬や甲斐犬、紀州犬、柴犬などを思い浮かべますが、狆もれっきとした日本犬です。

どこか洋犬のような雰囲気をもっている狆ですが、洋犬のような容姿をした日本犬は狆の他にも存在します。

意外と知られていない日本犬をご紹介します。

日本スピッツ

日本スピッツは、洋犬をルーツにもつ日本犬です。

第二次世界大戦後に人気が急騰しましたが、吠え癖からブームはすぐに終わりました。現在の日本スピッツは改良され、以前よりも飼いやすくなっているようです。

特徴は、ふわふわした純白の被毛につぶらで愛らしい瞳です。かつては、お金持ちの人が買う犬といわれていたことに納得の華やかな容姿をしています。

性格は人懐っこく飼い主に従順で、子供がいる家で飼うのも問題ありません。

日本テリア

日本テリアは、テリア種の中で唯一日本原産の犬種です。

その始まりは、1700年代に日本に持ち込まれたスムース・フォックステリアと日本犬を掛け合わせたことだといわれています。

神戸で高い人気を誇っていた日本テリアは「神戸テリア」とも呼ばれていましたが、第二次世界大戦時に頭数が急激に減りました。現在では数も少なく、希少性の高い犬種です。

見た目の特徴はユニークな毛色で、胴体は白に半模様をもち、頭部は真っ黒です。幼いうちに断尾するため尻尾が短く、手足の長いスマートな体型をしています。

川上犬

ここでご紹介する3つの犬種のなかで、最もマイナーなのが川上犬ではないかと思います。

天然記念物として指定されている長野県原産の犬種で、全国で350頭ほどしか存在しません。

柴犬の倍ほどの毛量をもつ犬で、極寒の中でも耐えうる強さがあります。性格は警戒心が強く、見知らぬ人が近付くとすぐに吠えるため優秀な番犬になってくれます。

川上犬は、ペットショップには売っていませんが、長野県の川上村で子犬の分譲を行っているので、興味のある方は問い合わせてみてはいかがでしょうか。

まとめ

ペキニーズが良い子に伏せてこちらを見ている様子
ペキニーズと狆は似た容姿をしていますが原産地から異なります。しかし、その優雅で愛らしい見た目から上流階級の人々に飼われていたという共通点があります。

近年はトイプードルやチワワなどが愛玩犬として人気がありますが、ペキニーズや狆もそれらの犬種に劣らない魅力があります。

これから犬を飼いたいという方は、ぜひ候補に入れてみてあげてください。

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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


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