2017年11月18日

コモンドールについて

本当に犬かと疑ってしまうような外観をした犬、それがコモンドールです。

ぱっと見はまるで大きなモップのように見えてしまいます。

今回は、そんな特徴的な犬であるコモンドールの歴史や特徴、性格、飼うときの注意点などについてまとめました。

コモンドールの歴史

10世紀頃、コモンドールの祖先犬は中央アジアでクモン人によって飼育されていました。

ところがモンゴル人が勢力を拡大してきたため、クモン人はヨーロッパ方面へと追いやられることになりました。

クモン人はコモンドールの祖先犬を様々な犬種と交配させながら移動を続け、13世紀頃にはハンガリーに定住するようになりました。

クモン人が暮らしていたカルパチア山脈地域で、コモンドールは羊を警護する牧羊犬として使用されました。

そして、コモンドールが現在に近い姿になったのは15世紀頃のことです。

その後もコモンドールは安定して牧畜民との生活を続けました。

そして2回の世界大戦を乗り越えたコモンドールは都市部でも飼われるようになり、2004年にはハンガリーで国宝としての指定を受けました。

コモンドールの被毛

緑の上に座るコモンドール コモンドールの最大の特徴は、何といってもモップのような被毛です。

このような被毛になったのは、羊と似た容姿にすることで羊の群れの中で存在を隠しやすくするためです。

また、非常に厚い被毛は、身を守るという役割もあります。

しかし、この被毛のお手入れは決して楽ではありません。

コモンドールの被毛はブラシやコームは通らないため、定期的にコード1本1本をほぐしながら汚れを取ってあげる必要があります。

また、シャンプーをするのは1日がかりの大仕事です。

コードを1本ずつ揉み洗いし、身体が冷えないように気を配りながら乾かします。

家庭犬として飼う場合は被毛をカットしたりバリカンで剃ったりすることもできます。

しかし、コモンドールの特徴であるユニークな外観を損なうくらいなら他の犬種を飼った方がいいかもしれません。


コモンドールの性格

体を振るうコモンドール ぬいぐるみのような可愛らしい外見ですが、護衛犬として働いてきた犬種のため自立心が強く警戒心があります。

オオカミまで追い払うことのできた犬種なので、攻撃的にならないように十分に注意しなければいけません。

支配的な一面があるので、飼い主は上下関係をはっきりさせたうえでリーダーシップを発揮しなければいけません。

きちんとコントロールできるようにしておかないと、後々問題を起こしてしまう恐れがあります。

子犬のうちから、毅然とした態度でしつけを行うようにしましょう。

コモンドールの飼うときの注意点

白い子犬のコモンドール

気候

コモンドールの被毛は通気性が悪いので、寒い土地で暮らすには適していますが暑さにはめっぽう弱いです。

コモンドールを飼うときには、温度に気を配ってあげてください。

日本では一部の地域を除いてコモンドールの飼育は向いていないといえるでしょう。

運動

牧羊犬のコモンドールは運動量が必要なので、散歩は1日2回、1回1時間を目安に行いましょう。

また、自由に歩き回ることのできる広いスペースも必要です。

運動不足になるとストレスを溜めてしまうので気を付けてください。

病気

コモンドールは被毛のケアを怠ると皮膚疾患にかかりやすくなってしまいます。

できるだけ通気の良い状態を保つように心掛けましょう。

また顔の毛が伸びて目に入ると眼疾患につながるので気を付けてください。

まとめ

舌を出して遠くを見るコモンドール ユニークな外観が魅力的なコモンドールですが、家庭犬に向いている犬種ではありません。

しつけも手入れも難しく、特に初心者には手に負えないことでしょう。

もしコモンドールを飼うのであれば、まずは犬種に関する知識を深めることをおすすめします。

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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


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