2017年11月10日

【行政書士が解説】Q.「マンションの『ペットクラブ』をちゃんと機能させるには?」

監修にご協力いただきました!

平成元年3月 法政大学法学部法律学科卒業

(司法試験浪人)
平成4年3月 株式会社市進(現、株式会社市進ホールディングス) 入社
平成25年1月 行政書士試験 合格
平成28年2月 行政書士齊藤学法務事務所 開設

マンションにおけるペット飼育問題を解決できればと、ペットクラブを立ち上げて管理組合がサポートする。まさに理想的な環境を手に入れて「はい、お終い」と、そこで止まってしまっているペットクラブが、実は意外と多いのです。

これで果たして、本当にうまくいくのでしょうか?

ペットクラブの真の存在意義

ソファの上で飼い主の膝に顎を乗せて寝ている犬 そもそもペットクラブをつくった理由は何だったのでしょうか。

それは“マンションの管理組合が、ペットの飼養についての理解を持たないことへの対策”、“ペットについての知識を持たない管理組合が、ペット問題の前面に立たされたりすることを防ぐ”、というような意図があったのです。

更には、ペットクラブの運営によって“飼い主どうしのつながりを深める”という意図もありました。

しかし、これらの意図はあくまで表面的なものに過ぎません。本音の部分で言えば、ペットと暮らす人たちがその生活を維持継続させ、より幸せな生活を手に入れることに、ペットクラブの存在意義があるのです。

そうした目的があるからこそ「ペットについては素人である管理組合にペット問題を任せておけない」ということになり、ペットを愛する住民の力を結集させる必要があったのです。

なぜなら、ペットクラブがなければ極端な例として、ペット飼養禁止、一代限りの飼養しか認めずに以降のペット飼養禁止等と決められてしまうかもしれないからです。

もう一度確認しておきます。

ペットクラブはただの親睦団体ではありません。“ペットと暮らす住民のため”の、“幸福追求権を確保するための団体”です。

ペットクラブは活動をアピールしなければならない

会議している7人の男女 ペットクラブの真の存在意義をご理解いただけましたら、ぜひ皆さんの所属するペットクラブの活動を思い出してみてください。毎年、一緒に暮らしているペットの種類と数、わんこたちの場合は予防接種済みの報告をしているだけではありませんか?

そして何かトラブルが起こったら、代表者が理事会との間に入って、…。これでも理事会からすると、対応はしやすいのだと思います。少しでも問題を理解できる人が、間に入ってくれるのですから。

しかし、ペットと暮らす住民のための幸福追求権を確保する活動とは、程遠いはずです。そこで、次のような活動を推奨しています。
1.わんこのマナー教室開催
2.ペットと暮らす上での、マンション生活の勉強会開催
3.ペット飼養規約の違反報告
4.ペットと暮らす住民による避難訓練
(「4.」については、別の機会に詳しく取り上げます。)


ペットクラブの活動は「実施」だけで完結してはダメ

「1.」や「2.」については実施することが目的ではなく、あくまで手段です。目的はマンション内でペットと暮らしていない方々へのアピールです。ペットを飼う住民への信頼を勝ち取るのです。

したがって実施したら、掲示板等で大きくアピールしなければなりません。

「3.」も、あえて報告をもらって月次報告するのです。プライバシーに配慮しながら、このように改善されたとアピールしましょう。

ペットと暮らす幸福追求権を確保するには、ペットと暮らさない住民の信頼を得ることです。そのために、ペットクラブが機能しなくてはならないのです。

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文:齊藤 学
小学生時代は小説家、中学生時代には弁護士になる夢を持つ。高校生の頃に獣医学部を目指すも、数学が苦手で挫折。小説家と弁護士を天秤にかけ、弁護士の道を選んだものの、結果は見事惨敗。

東日本大震災をきっかけに、法律の勉強に再チャレンジ。家族を説得して脱サラし、行政書士事務所を開設。

日々持ち込まれるご相談やご依頼手続きに走り回りながら、ご縁に感謝する日々を送っております。


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