2018年2月21日

【行政書士が解説】Q.「多頭飼いのペットを離婚後にそれぞれ引き取った場合、面会を約束することは可能?」

監修にご協力いただきました!

平成元年3月 法政大学法学部法律学科卒業

(司法試験浪人)
平成4年3月 株式会社市進(現、株式会社市進ホールディングス) 入社
平成25年1月 行政書士試験 合格
平成28年2月 行政書士齊藤学法務事務所 開設

ペットを引き取るためにも、お互いにペットを“子ども”と認識し、“子どもの幸せ”を考えて、共に過ごす時間を多く取れる方法を準備しておくことが重要でした。

詰めとして、公正証書に必ず入れるべき文言を忘れないことです。

さて、今回はペットが複数いる(多頭飼いの)場合の小知恵をご紹介いたします。

このようなケースでは、ペットたちをお互いが分担してお世話をするという結末が多いと思われます。

「ペットとの面会交流権」は主張できるが、強制力はない。

それぞれ犬を連れて座っている男女 “子どもたち”はあくまでもお二人の“子どもたち”のはずです。

事情があって別れて暮らすことになったとしても、気になる存在のはずです。

そこで、正当な権利として「ペットの面会交流権」を主張しておくのです。その約束は、当然公正証書にしておくべきです。

しかし実際に面会しようとしたら相手方が断ったという場合には、残念ながら強制執行はできません。

ただ慰謝料請求は認められますから、不誠実な相手方を困らせることは可能になります。

そして、面会できずに慰謝料請求をした後に相手方が面会に応じても、相手方には慰謝料の支払い義務は残ることになるのです。

離婚しても、信託で万が一に備えることも可能

こちらを見つめている黒い毛並みのラブラドール 二人でそれぞれ“子どもたち”をお世話していくと決めた後に、もしもどちらかが事故や病気で従来の生活が送れなくなったら、…。

そんなとき、残された“子どもたち”を引き取りたいと思うのは当然ですよね。でも、経済的な負担がずっしりと重くのしかかってきます。

このような問題を解決する方法として、民事信託を活用する方法をご紹介しましょう。

AさんとBさんが元ご夫婦とします。Aさんは、自己資金の一部をBさんが引き取った“子どもたち”の生活費用として信託しておくのです。

同様にBさんも、自己資金の一部をAさんが引き取った“子どもたち”の生活費用として信託するのです。

そして万が一のことが起こったら、その信託された資金で相手が引き取っていた“子どもたち”をお世話するのです。

何も起こらず、無事に“子どもたち”が虹の橋を渡ったならば、信託契約は解除できますから、信託した資金は戻ってくることになります。

相手が信用できないという思いが強ければ、専門家を信託監督人として用意することも可能です。

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文:齊藤 学
小学生時代は小説家、中学生時代には弁護士になる夢を持つ。高校生の頃に獣医学部を目指すも、数学が苦手で挫折。小説家と弁護士を天秤にかけ、弁護士の道を選んだものの、結果は見事惨敗。

東日本大震災をきっかけに、法律の勉強に再チャレンジ。家族を説得して脱サラし、行政書士事務所を開設。

日々持ち込まれるご相談やご依頼手続きに走り回りながら、ご縁に感謝する日々を送っております。


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