2017年11月6日
犬が“うれション”する理由と直し方
家に帰宅したときに愛犬が大喜びで出迎えてくれてくれると、心から愛おしく感じるものです。とはいえ、うれションの癖がある場合はその度に複雑な気持ちになりますよね。
特に来客があった時などに、犬自身は喜んでいるだけと理解してはいても、うれションという行為は歓迎できないというのが本音です。ここでは、愛犬がうれションする理由とそれを直す方法をご紹介します。
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犬が「うれション」してしまう理由
そもそも「うれション」とは?
飼い主など大好きな人に会うと、犬は嬉しそうに駆け寄ってきますよね。よく見たら床におしっこを漏らしていることがあると思いますが、いわゆる「うれション」です。犬の嬉しい気持ちがピークに達したときに、おしっこをしてしまうのです。うれションをすると、その後の処理があるので飼い主にとっては大変です。
また、来客の度にうれションをしてしまうとなると、人をお家に招きにくくなってしまいますよね。室内犬であれば、早急に直したい癖だと言えるでしょう。
犬の「うれション」は敬意の現れ?
今でこそペットとして飼われることが多い犬ですが、もともとは群れで生活する生き物で、その時の習慣が本能的に残っていることがあります。群れという集団で生活していく中では自然に上下関係が生まれます。犬の群れの中ではボスは絶対的な存在で、従わなければ生きていけません。
犬のうれションは、ボスと認めた者に対して服従心を表すためのものです。自分が相手よりも弱いということを認めるために、うれションをするのです。
つまり、犬が飼い主の前でうれションをするのは自分の方が下位だと認めるアピールなのです。飼い主としては複雑な心境ですが、犬にとってうれションは本能的に行っているごくごく自然な行動です。
それだけに、飼い主が上手にコントロールする必要があるといえます。
感情の高ぶりが伴わない失禁には注意!
犬は興奮したときにのみうれションをします。もし感情とは関係なくおもらしをするのであれば、それはうれションではなく尿失禁です。この場合は、病気や体調不良の可能性を疑いましょう。うれションをしやすい犬の特徴
「愛犬がうれションをする場面をみたことが無い」という方もいらっしゃると思います。実際まったくうれションをしない子もいますし、それが飼い主に対しての愛情や服従心と比例しているというわけではなく、やはり個体ごとの性格や生活習慣が大きく影響していると言えます。
というわけで、ここでは“うれションをしやすい犬の特徴”を挙げていきます。
子犬期
犬種などに関係なく、子犬期は周囲に対して「自分では敵わない」という意識が強いため、必然的にうれションも多くなります。また、感情のコントロールが下手で、興奮しやすいこともうれションが多くなる一因です。甘えん坊な性格だと、成犬になってもうれションをし続けることがあります。
小型犬
一般的に、中型犬や大型犬よりも小型犬の方がうれションが多いようです。これは、室内犬であるゆえに排泄を我慢しがちであり、興奮によってそのリミットがはずれやすくなることが関係しているといわれています。興奮しやすい性格
うれションは興奮したときに起こります。そのため、感情の起伏が大きい性格の犬は、うれションをする傾向も強いといえます。成犬、シニア犬になって性格に落ち着きがでてくると、うれションする回数が少なくなっていく場合もあります。
服従心の強い性格
うれションは服従心の表れのため、服従心が強い性格の犬はうれションをしやすいと言えます。また、一人で過ごした経験が少ないなど、飼い主に対する依存心が強い犬も、うれションが多くなる傾向があります。自立心が育っていない場合、飼い主の些細な動向によって精神面が不安定になるため、うれション以外の問題も起こりやすくなります。
依存心は愛情の深さのように見えていじらしく思えますが「愛犬の自立は愛犬自身のためになる」ということをしっかり意識しておきましょう。
精神的に弱い
ちょっとしたことでビクビクしてしまうようナイーブな性格の犬は、うれションもしやすい傾向があるといわれています。性格を変えることは難しいため、まずは「愛犬が何にビクビクしているのか?」を考えてみましょう。苦手なものがある程度偏っているのであればそれに馴致させる工夫をする、馴致が困難な場合は生活空間の仕切りを見直して極力交わらせないようにするのもひとつの手です。
犬のうれションを直す方法
犬にとっては自然な行動であるうれションですが、残念ながら人間にとっては好ましくありません。ここでは、犬のうれション対策を4つご紹介します。愛犬のうれションで困っている人は、ぜひ実践してみてくださいね。
帰宅後の対応で「うれション」を防ぐ!
犬が最も興奮する瞬間は、信頼する飼い主が家に帰ってきたときですよね。留守番の寂しさから解放される喜びと、飼い主にやっと会える嬉しさで、愛犬のテンションは一気にマックスになります。しかし、うれションをさせないために最も重要なことは、興奮させないということです。帰宅時に愛犬が興奮しすぎている場合には、心を鬼にして徹底的に無視しましょう。
かわいい愛犬を無視するのは心が痛みますが、興奮が鎮まるまではぐっと我慢しなければいけません。落ち着くまでは無視するか、あるいはハウスに入れたままにして少し距離を置いておきましょう。
愛犬の興奮がおさまったら、はじめて頭を撫でて「ただいま」と言ってあげます。これを繰り返すことで、犬は“落ち着いていないと構ってもらえない”ということを学びます。
犬自身が興奮状態をコントロールできるようになれば、自然とうれションの回数も減りますよ。
号令で排泄をコントロールする
そもそも、膀胱の中におしっこがなければうれションすることもありません。排泄をコントロールできるようにして、うれションを防ぐという手もあります。大好きな来客がくる時など、興奮が予想できるタイミングを前に膀胱を空にしておけば、うれションの心配もありません。
排泄のコントロールは、それほど難しくはありません。まず、犬が排泄しているときに「ワンツー」などの声をかけましょう。そして、その後におやつを与えるなど犬にとって嬉しいことをします。
これを繰り返すことで、犬は「飼い主がワンツーと言っているときに排泄をするといいことがある」と記憶します。
コマンドで排泄を促せるようになると、うれションの防止以外にも役に立ちます。車でお出かけする前やドッグカフェに入る前など、あらかじめ支持を出して排泄させることができます。
また、迷惑になる場所で排泄しないように飼い主がコントロールをできるため、散歩のマナーの向上にもつながります。
基本的なコマンドをマスターさせておく
愛犬がうれションをしそうになったときに何らかの指示を出すという方法も、うれション対策として効果的です。そして、これを実践するためには日頃からしっかりとしつけを行っておくことが大切です。普段のしつけの中で、おすわりやふせなどの基本的なコマンドをマスターさせておきましょう。飼い主が指示を出したら、すぐに動けるようにしておくことが大切です。
そして、愛犬が興奮していると気づいた時点で素早くこれらの動作をする指示を出します。犬は複数の行動を同時に行うことはできないため、指示に従おうと思うとうれションはなくなります。
また、指示を受けることによって興奮状態もおさまりやすくなります。
うれション対策の注意点
長い目で見ると、愛犬のうれションは改善すべき問題です。しかし、先に述べたようにうれションは服従心があるからこその行動です。そのため、うれションしたときに愛犬を叱るのは好ましくありません。リーダーだと認めている飼い主への甘えを許さないことになってしまうからです。
うれションを叱ってしまうと、飼い主と愛犬の間の信頼関係が崩壊しかねません。場合によっては、うれションが悪化することもあります。
うれションに対しては上記の対策を行い、それでもしてしまったときには何も言わずにおしっこの処理をしてあげましょう。
ここまで読んでくださった方にはご理解いただけていると思いますが、うれション自体は悪いことではありません。しかし、愛犬は飼い主以外の人間にも接しながら暮らしていくことになりますし、愛犬自身の生活を快適にするためにもうれションは改善してあげたい問題です。
愛犬がうれションをしたら、ここでご紹介した対策法を実践してみてください。飼い主の取り組み次第で、犬のうれションの回数は減らしていけますよ。
文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。
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