2017年10月30日
犬を飛行機に乗せる前に知っておきたい5つのこと
毎日一緒に過ごしている愛犬は、大切な家族の一員です。旅行にも連れていきたいと考えるのも自然なことかと思います。
しかし、犬にとって空の旅には、いくつかの危険やリスクも存在しています。
愛犬との空の旅が楽しいものになるように押さえておかなければならないポイント等を説明します。
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飛行機での犬の運び方
日本の航空会社のうち、ペットを乗せられるのはANA、JAL、ソラシドエア、AIR DOなどです。
ピーチやジェットスターなどのLCC各社では、ペットを乗せるサービスは原則として行われていません。
犬を飛行機に乗せる場合、犬は手荷物として扱われ貨物室に入れられます。
海外の航空会社の中には犬を座席に持ち込めるところもありますが、日本の航空会社の場合は、例外なく貨物室となります(盲導犬等は除く)。
貨物室も空調の管理は行われていますが、客室よりも高温や低温になることがあります。
また、航空会社のスタッフが犬の面倒をみることはありません。
愛犬は、飛行機が到着するまでの間、人の目に届かない場所にいることになります。
犬を飛行機に乗せる手続き
犬を飛行機に乗せるときの規定等は、航空会社によって異なるので、ホームページで確認をしてから利用する航空会社を決める必要があります。
ここでは、日本を代表する航空会社のひとつであるANAの規定等をご紹介します。
犬は手荷物と同じ扱いになるため、事前予約の必要はありません。
当日は、搭乗時間の30分前までに受付を済ませましょう。なお、受付時には同意書が必要となります。
ホームページからダウンロードして内容をよく読み、署名を済ませておきましょう。
犬を入れるケージは自分で用意することもできますが、無料でレンタルすることもできます。
レンタルを希望する場合は、事前に数が足りているか問い合わせをしておくとスムーズです。
犬を預けるときの料金は、一部の路線を除き6,000円です。
ただし、犬とケージの合計重量が32㎏以上となる場合は、貨物扱いとなるので別途料金が必要になります。
飛行機に乗せることが出来ない犬
犬を飛行機に乗せることには、一定のリスクが伴います。
そのため、愛犬が以下の項目に当てはまる場合は、飛行機は乗せない方がよいでしょう。
また、各航空会社の規定で搭乗出来ない場合もあります。
幼犬または老犬
生後4カ月未満の幼犬や7歳以上の老犬には、飛行機での旅は過酷です。獣医師の許可が下りているかを確認される場合もあります。短頭種犬
短頭種犬は、他の犬種に比べて高温に弱いといわれています。熱中症や呼吸困難に陥る恐れがあるので、飛行機には乗せないことをおすすめします。短頭種犬としては、ブルドッグ、フレンチ・ブルドッグ、シーズー、ボクサー、ボストン・テリア、ブル・テリア、チベタン・スパニエル、キングチャールズ・スパニエル、チャウチャウ、パグ、チン、ペキニーズ、ブリュッセル・グリフォンなどが挙げられます。
体調がよくない
搭乗する日に愛犬の体調が悪い場合、飛行機に乗せるのは不安が伴います。当日に合わせた健康管理が大切です。また、持病を持っている犬を搭乗させるのも好ましくありません。特に、心疾患や呼吸器疾患を持っている場合は、とても危険です。
ケージに慣れていない
日頃は、自由な状態で飼われている犬が初めてケージに入れられた場合、突然の不自由にパニック状態に陥ってもおかしくありません。愛犬があまりケージに慣れていないのであれば、事前にケージを購入して少しずつ練習させておく必要があります。
分離不安がある
飛行機に乗っている間は、飼い主に会うことが一切出来ません。多くの犬にとってストレスを感じる飛行機搭乗ですが、分離不安のある犬には、特に甚大な心理的ストレスがかかります。
どうしても飛行機に乗せる必要がある場合は、事前に留守番に慣れさせる等の準備をして慣れさせておく必要があります。
予防接種やワクチン接種の直後
狂犬病の予防接種やワクチン接種のすぐ後に飛行機に乗せるのは好ましくありません。フライトの日程をずらすなど変更をして、上手く時期を調整する必要があります。音に敏感
人間より優れた聴覚を持つ犬には、離陸時や着陸時などの騒音が苦痛となってストレスがかかる場合があります。大きな音に反応しやすい犬は、それだけ多くのストレスがかかりやすいといえるでしょう。
ケージを準備するときの注意点
ANAやJALなどの航空会社では、ペットを飛行機に乗せるためのケージを用意しています。しかし、犬にとっては初めてのケージに入るのは不安なものです。愛犬の負担を少しでも軽くするために、ケージは自分で購入してあらかじめ慣れさせておくことをおすすめします。
ここでは、ケージを選ぶときの注意点をご紹介します。
飛行機に乗っているときに愛犬を守ってくれる大切なものなので、慎重に選びましょう。
規定に合ったサイズのケージを選ぶ
各航空会社で、ペットの輸送に関する規定は異なります。規定サイズよりも大きなケージを用意してしまうと、愛犬を連れていっても飛行機に乗せることが出来ないということになりかねません。
ケージを購入する前に利用する航空会社を決め、規定に沿ったケージを選びましょう。
上下をクリップで留めるタイプは控える
ケージには、上下をクリップで留めるタイプのものがあります。しかし、クリップがきちんと留まっていない場合などに貨物室の中でケージが開いてしまうかもしれません。
不安になった犬がケージからの脱出を試みるかもしれないことを考えると、なおさらです。
クリップタイプではなく、ナットやボルトで留めるタイプのケージをおすすめします。
安全度の高さを考慮する
飛行機の貨物室の中でケージが壊れてしまったら、愛犬の命にかかわります。他の荷物にぶつかった場合に多少の衝撃にも耐えられるように強度の高いケージを選びましょう。当然ですが、危険なのでソフトキャリーで運ぶことは出来ません。
プラスチックや金属でできたケージを選ぶとよいでしょう。
犬の空の旅では悲しい事故も…
ペットを飼う人が増えている昨今では、飛行機に犬を乗せるのも当たり前の事になりました。しかし、残念ながらその安全性は保障されていません。過去には、飛行機に乗せた犬が亡くなった事件も何件か起きています。
2013年には、愛犬が飛行機で死んだというTwitterの投稿が話題になりました。
旅行のために愛犬のチワワをANAの貨物室に乗せたところ、熱中症で命を落としてしまったのです。そのときの体温は47℃以上で、測ることさえできなかったそうです。
このほかにも、真っ暗な貨物室に入れられた恐怖から暴れて血だらけになってしまった事例や、不安から何度も失禁をする場合や、体調不良から亡くなってしまった事例もあります。
飛行機に乗る犬の負担は測りきれません。
もちろん、何の問題もなく飛行機に搭乗できる犬もいます。しかし、実際に愛犬を飛行機に乗せたときに何が起こるかは誰にもわかりません。
人間にとって快適な空の旅も、犬にとっては精神的、肉体的に大きなストレスとなる場合があることを覚えておきましょう。
まとめ
愛犬を頻繁に飛行機に乗せている人もいれば、絶対に乗せるべきではないという人もいます。
しかし、引っ越しなどで愛犬を飛行機に乗せなければいけない状況があるのも事実です。
大切なのは、マメに準備をするということです。
目的地で元気な愛犬に再会するためにも、事前に可能な限りの手を尽くしてあげてください。
文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。
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