2017年6月23日

シベリアン・ハスキーってどんな犬?魅力と飼うときのポイント

シベリアン・ハスキーは、オオカミのような精悍な顔つきをした犬種です。

一時期日本で大ブームとなったこともあり、犬に詳しくない方との会話でも名前が通じるほど認知度が高いです。

家に迎える犬種としてシベリアン・ハスキーを検討しているのであれば、まずはその特徴を知ることが大切です。

ここではシベリアン・ハスキーの特徴や性格、飼うときのポイントなどをご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

あらためて、シベリアン・ハスキーとは

森の中で走るハスキー 体高54~60㎝ほどの大型犬で、オオカミのような容姿をしています。骨格も筋肉もがっちりしており、しなやかな体には美しさがあります。

ブルーやグレーのキレイな瞳や黒と白の独特な毛色に魅了されてシベリアン・ハスキーを飼い始める人も少なくありません。

平均寿命は12年ですが、最近は以前よりも長生きするようになっているようです。

食事や運動、ブラッシングなどに気を配ることで、より長生きしてくれることでしょう。

命にかかわるような重篤な病気では、かかりやすいものは特にないようです。

しかし、眼の病気を患いやすい傾向があるので注意が必要です。

また、日本の気候風土には合わないために、皮膚病も発症しやすいといわれています。

シベリアン・ハスキーの歴史

雪の積もった森の中で走るハスキー 名前からもわかる通り、シベリアン・ハスキーはロシアのシベリア地方原産の犬種です。

シベリアの北東部に住むチュクチ族によって飼われ、そり犬や猟犬として活躍しました。

そんなシベリアン・ハスキーは寒さに強く、力があり、人によく懐きます。

シベリアン・ハスキーの評判が知れ渡るようになったのは、20世紀になってからです。

1909年には初めて犬ぞりレースに参加し、それから10年に渡って多くのシベリアン・ハスキーが犬ぞりレースで大活躍しました。

シベリアン・ハスキーがさらに一躍有名になったのが、1925年です。この年に、アメリカのノーム市ではジフテリアが大流行しました。

そして、感染した患者を救うためにシベリアン・ハスキーが引く血清や薬を積んだ犬ぞりは500㎞以上の距離を走り抜けたのです。

その時の気温は、なんと氷点下50度にも及んだそうです。

たくさんの人命を救った功績がたたえられ、ニューヨーク市のセントラルパークには名誉犬バルトの像がつくられました。

このことはニュースにも取り上げられ、世界中にこの犬種が知られるようになったのです。

その後は、アメリカやカナダへのシベリアン・ハスキーの輸入が進みました。第二次世界大戦では、アメリカ軍の探索犬、救助犬として活躍したそうです。

北米で改良が加えられたシベリアン・ハスキーは全世界で大人気となり、今でも極地系の犬種のなかで圧倒的な人気を誇っています。


シベリアン・ハスキーの性格

破顔するハスキー シベリアン・ハスキーは、オオカミのような凛々しい見た目とは裏腹にフレンドリーな性格をしています。

そり犬だったこともあり社会性が高いため、多頭飼いをしても問題ありません。子供や小さな犬種にも、仲間のように接してくれますよ。

明るくて前向き、そして遊ぶことや冒険することが大好きです。イタズラするのも大好きなので、特に仔犬のうちは気を付けましょう。

イタズラされて困るものは、必ず手が届かないところにしまうようにしてください。

警戒心は強いですが、攻撃性は低く本気で威嚇することはあまりありません。そのため、番犬としては向いていないでしょう。

家族との触れ合いを好むことからも、外飼いよりも室内飼いをおすすめします。

飼い主に対しては非常に従順です。一度リーダーだと認めたら、しっかりとついてきてくれることでしょう。

しかし、意外と頑固なところがあるので仔犬のうちから正しくしつけることが重要になります。

シベリアン・ハスキーを飼うときのポイント

庭で空を見上げているハスキー シベリアン・ハスキーは飼育が難しいため、初心者には向きません。

しつけに失敗すると、手に負えなくなることもあります。

しかし、以下の点を守って飼育することで素晴らしいパートナーになってくれます。

十分に運動させる

もともと犬ぞりを引いていたシベリアン・ハスキーは、非常に体力があります。

そのため、かなりの運動量が必要になります。

散歩は1日2回、1回1時間以上を目安にしましょう。

散歩が不十分だと、シベリアン・ハスキーはストレスを溜めてしまいます。

そして、人を威嚇する、吠えるなどの問題行動につながります。

散歩の時間をしっかりとってあげて、運動不足を解消させてあげるよう心がけてください。

なお、そりを引いていた本能からかシベリアン・ハスキーは散歩のときにリードを引っ張って歩く癖が出やすい傾向にあります。

犬の安全のためにも、リーダーウォークを教えて癖をなおしていきましょう。

主従関係を徹底する

シベリアン・ハスキーは飼い主に従順な性格をしており、褒められるととても喜びます。

そのため、飼い主が犬種の知識をもって正しく接すれば良きパートナーになります。

しかし、上手にリードできないと好き勝手な行動をする犬になりかねません。そのため、仔犬のうちから徹底して主従関係を教えることが大切です。

愛情を与えつつも、ベタベタしすぎないようにしましょう。

根気よくしつけをする

シベリアン・ハスキーは頭が悪いといわれることがありますが、決してそんなことはありません。しかし、ポジティブで楽観的な性格のため失敗しても気にせずに繰り返してしまうことがあります。

根気強く教えることで、しつけをしっかりとマスターしてくれることでしょう。

愛情を込めて育てる

シベリアン・ハスキーは、孤独を感じると脱走する恐れがあります。また、犬同士のコミュニケーションを図るために遠吠えをすることもあるようです。

頻繁に声をかける、なでるなどして、たっぷりと愛情をかけて育ててあげましょう。

長時間の留守番も得意ではないので、できるだけ家族がそばにいてあげることをおすすめします。

小まめにブラッシングをする

寒い地方が原産のシベリアン・ハスキーはダブルコートで、抜け毛の多い犬種です。特に春と秋の換毛期は、抜け毛の量に驚かれる飼い主が多いです。

ブラッシングは、最低でも週に2~3回ほど行うようにしましょう。ブラッシングの時間は、飼い主とコミュニケーションをとるよい機会にもなります。

シベリアン・ハスキーが一躍ブームになった背景

チョビに似た柄のハスキーの子犬 かつて、シベリアン・ハスキーが大ブームになったことがありました。

その火付け役は、1987年から1993年まで連載された「動物のお医者さん」というマンガです。

主人公の飼い犬であるシベリアン・ハスキーのチョビのかわいさに魅せられた人が大勢いたのです。

しかし、前述したようにシベリアン・ハスキーは飼育が簡単な犬種ではありません。

しつけやトレーニングの難しさ、そしてチョビとのイメージの違いから、戸惑いの声が多くあげられていたようです。

犬を飼うことは、1つの尊い命を預かることです。

長い時間を共にするパートナーなわけですから「本当にずっと一緒にいられるのか?」を判断できるよう、ある程度の知識を持った上でパートナー選びをしましょう。

雪が降る中で座っているハスキー シベリアン・ハスキーは、クールな見た目と人懐っこい性格が魅力的な犬種です。

目の色も美しく、一目ぼれして飼いたいと考える人もいるかもしれません。

しかし、シベリアン・ハスキーを飼うのは決して簡単なことではありません。

犬種について理解を深めて、最後まで世話をする覚悟をもってお迎えしてあげてください。

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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


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