2017年6月26日

ブルドッグってどんな犬?魅力と飼うときのポイント

ブルドッグは独特な風貌とユーモラスな雰囲気から、家庭犬としてもコアな人気を博しています。

ここでは、そんなブルドッグの生い立ちや特徴、飼い方のコツなどについてまとめました。

ブルドッグとは

散歩中の三匹のブルドッグ ブルドッグは、体高33㎝~41㎝ほどの中型犬です。

毛色はブリンドル、ホワイト、レッド、フォーン、パイボールドなどがあり、ブラウンやレバーは認められていないそうです。

ずんぐりとした体型といかついルックスが印象的で、誰もが知っている犬種なのではないでしょうか。

中型犬は一般的に大型犬より長生きですが、ブルドッグの平均寿命は8~10年と短命です。ブルドッグを飼うときには健康に十分に気を配ることが大切です。

ブルドッグの歴史

森の中を歩くブルドッグ ブルドッグの特徴的な容姿は、その歴史をたどると納得のいくものばかりです。

ブルドッグに対する理解を深めるために、その歴史を振り返ってみましょう。

ブル・ベイディングのために作られた犬種

ブルドッグは、13世紀から18世紀までイギリスで人気のあった「ブル・ベイディング」のために作られた犬種です。

ブル・ベイディングとはいわゆる「牛いじめ」で、雄牛を杭につないで数頭の犬に攻撃させる貴族の間で始まった娯楽です。

牛を倒した犬の持ち主は高額の賞金を手に入れることができ、熱狂的なファンも数多くいました。

ブル・ベイディングではとにかく獰猛な性格の犬が活躍するため、この頃のブルドッグはひたすらに冷酷で攻撃的でした。

サイズも現在のブルドッグよりもずっと大きく、60㎏ほどあったといわれています。

牛の角がささったときのダメージを和らげるために皮膚はたるみ、牛に噛みついたままでも呼吸ができるように鼻はぺたんこな形になりました。

強く噛みつくために下あごの筋肉が特に発達し、牛に振り回されても落ちないように短足で重心が低い体型になりました。

ブルドッグは、まさにブル・ベイディングに最適化された犬種なのです。

一時期は絶滅の危機に

イギリス貴族の間で始められたブル・ベイディングは、いつしか庶民の間にも大人気となりましたが、1835年には人道的ではないという理由で法律により禁止されたのです。

それを境にブルドッグの人気は急落しました。

ブル・ベイディングという特殊な娯楽のために作られたブルドッグは他の役目を果たすこともできず、その性格と容姿が当時家庭犬として受け入れられることも少なかったようです。

唯一ブルドッグが使用されたのは犬同士を争わせるドッグ・ファイティングでしたが、これも1935年に禁止されます。

ブルドッグは、人間の都合に振り回された末に絶滅の危機に陥ったのです。

以前とは違う穏やかな性格の犬種に

ブルドッグの絶滅危機を救ったのは、ブリーダーであったビル・ジョージをはじめとしたブルドッグ愛好家たちです。

ブルドッグらしい特徴を残しながらも温和な性格になるようにかけ合わせが行われました。

この努力によってブルドッグは大きく改良され、現在のブルドッグになりました。

いかつい顔つきはそのままに優しい性格になったブルドッグは、家庭犬として人気の犬種になりました。さらに、イギリスでは国犬となったのです。


ブルドッグの性格

飼い主に頬をひっぱられているブルドッグ ブルドッグの性格は、見た目から想像するそれとはまるで異なります。愛嬌のある性格は、家庭に穏やかな空気と笑いをもたらしてくれます。

飼い主に忠実

ブルドッグは飼い主に対して厚い忠誠心があります。そのため、しつけは比較的楽な犬種だといえるでしょう。

マイペースで心が強いため、少しのことではあまり動じません。また、頑固な部分も持ち合わせています。

陽気

明るく陽気な性格をしており、初めて会う人に対しても警戒心を抱きません。ブルドッグのおどけた態度に笑わされることも多いことでしょう。

甘えん坊な性格で、いつでも飼い主と一緒にいたがります。寂しがりやな面もあり、長時間の留守番は得意ではありません。

穏やか

元来の攻撃性が取り除かれた現在のブルドッグは、とてもおっとりしていて穏やかです。子どもに対しても優しいので、お子さんがいる家庭でも問題なく飼育することができます。

アクティブな性格ではなくとても落ち着いているので、のんびりと過ごすことを好みます。

ブルドッグの飼い方

散歩中のブルドッグの子犬 ここでは、ブルドッグを飼うときのポイントをご紹介します。

しつけ

ブルドッグはのんびりとした性格の犬種で、性格が頑固なこともあり、トレーニングはすこし忍耐が必要になります。

しかし、飼い主に従順で柔和な性格をしているため根気強く教えれば問題ありません。

運動

活発で運動量の多いタイプではないので、1日30分~1時間ほどの散歩がベストです。ゆっくりしたペースで歩かせるとよいでしょう。

暑さに弱い犬種なので、涼しい時間帯に出かけることをオススメします。暑さの厳しい夏は、無理に散歩させる必要はありません。

しわのケア

短毛のブルドッグは、被毛のケアには手間がかかります。被毛よりも、顔としっぽのしわを重点的にケアしてあげましょう。

ブルドッグのしわは意外と深く、ここに汚れが溜まると皮膚病の原因になってしまいます。柔らかい布を濡らして、優しく拭き取ってあげましょう。

ブルドッグがかかりやすい病気

紐にじゃれているブルドッグ ブルドッグは、遺伝病が多い犬種です。症状が出たら早めに対応できるように、好発する病気を覚えておきましょう。

股関節形成不全

股関節形成不全は大型犬に頻発する病気ですが、ブルドッグも患うことが多いといわれています。遺伝的な素因が影響していることが多く、股関節で関節炎を起こします。

先天性の場合は、生後6カ月ほどで症状が出ることが多いようです。跳ねるように歩く、運動を嫌がるなどの傾向がみられたら股関節形成不全を疑いましょう。

軽傷の場合はリハビリなどで対処することが可能です。しかし、重症になると外科手術が必要になるので早期発見が大切です。

肥満は股関節形成不全の原因となるので、体重管理は徹底しましょう。

チェリーアイ

チェリーアイとは、第三眼瞼が飛び出した状態のことです。

この第三眼瞼が角膜や結膜を傷つけることで、角膜炎や結膜炎に発展してしまいます。

1歳以下で発症することが多く、見た目が変化するので発症するとすぐにわかります。

重症になると治療しても再発してしまうので、気が付いた時点で病院へ連れて行きましょう。

この病気に関しては、より良い治療が模索されている最中です。

遺伝的な理由が大きい病気ですが、他の犬種との交配によって改善しようとするとブルドッグらしい目の形ではなくなってしまうため難しいようです。

鼻腔狭窄

ブルドッグ、パグ、ボストンテリアのようなマズルが短い犬種で起こりやすいのが、鼻腔狭窄です。鼻の穴が小さくなり、呼吸がしにくくなってしまいます。

鼻水を飛ばす、呼吸が荒い、鼻をグーグー鳴らすなどの症状があれば、鼻腔狭窄の可能性があります。

鼻腔狭窄になると対応調節がままならなくなるため、熱中症になりやすくなります。

もともと暑さに弱いブルドッグですが、鼻腔狭窄がある場合はさらに温度管理に気を配るようにしましょう。

また、明らかに呼吸困難であると判断された場合には手術が行われます。

まとめ

男性に撫でられているブルドッグ ブルドッグの最大の魅力は、なんといっても見た目と性格のギャップではないでしょうか。

飼い続けるほどに愛おしくなり、ブルドッグにメロメロの飼い主もたくさんいます。

ぜひブルドッグを、家庭犬として迎え入る検討をしてみてあげてください。

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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


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