2017年6月26日

バセットハウンドってどんな犬?その魅力や歴史と飼うときのポイント

胴長短足の体に、地面についてしまいそうな長い耳が特徴のバセット・ハウンド。

マリリンモンローの愛犬であったことでも知られています。

その愛らしく特徴的な見た目から、靴のブランドのマスコットになったり、刑事コロンボの愛犬として映画に登場していたり、はたまた押井守監督のアニメ作品に頻繁に描かれるなど、いろいろな分野で注目を浴び、愛されている犬種です。

熱狂的なファンをもつバセット・ハウンドとはどんな犬種なのでしょうか?

その歴史やルーツ、名前の由来から身体的な特徴、寿命や長生きのコツを調べました。

バセットハウンドの基本 〜歴史やルーツ、特徴など〜

木の枝をくわえたまま走るバセットハウンド

バセット・ハウンドの歴史 19世紀のフランスで活躍した猟犬

バセット・ハウンドは16世紀にフランスで発見された犬種です。

フランスの隣国であるベルギーの寺院で飼育されていたセント・ヒューバードがバセット・ハウンドの祖先だという説もありますが、セント・ヒューバードがどうやってバセット・ハウンドのような胴長短足の犬になったのか詳しいことはわかっていません。

18〜19世紀まで“狩り”は貴族のスポーツでした。

貴族たちが馬にのり、大勢の犬を連れて権力を誇示するための一種の手段として行っていた狩りですが、19世紀頃になると、庶民の文化として広がり始めます。

猟銃を片手に徒歩で山に入る庶民の狩りで大活躍したのがこのバセット・ハウンドです。

猟師に撃たれ、けがをして逃げる獲物を優れた嗅覚によって追いかけるのが仕事でした。

決して足は早くないので、飼い主と同じスピードで山を歩き、何キロも離れた場所にいる獲物の場所まで導いていたのです。

獲物の付近になるとスピードを上げて近づきますが、直接獲物を捕まえることはなく、猟師が到着するまで獲物を足止めする役割を果たしていました。

アメリカとイギリスのエンタメ界で大人気に

フランスでのんびりとした狩りを助けていたバセット・ハウンドですが、19世紀の後半にアメリカとイギリスに持ち込まれると愛玩犬としてじわじわと人気が高まっていきました。

そのとぼけたような独特の表情が話題となり、映画の出演や、広告キャラクターに採用され、20世紀半ばには一大ムーブメントを巻き起こしました。

名前の由来

バセット・ハウンドという名前は、その身体的な特徴と猟犬としての役割に由来しています。

バセットは英語ですが、バセット・ハウンドの原産国のフランス語でバ「bas」というのは、「低い、短い」という意味を持っています。

胴長短足で体高が低い体に、猟犬という意味のハウンドをくっつけたのがバセット・ハウンドの名前の由来です。

バセットハウンドの特徴

犬用ドアから顔だけ出しているバセットハウンド バセット・ハウンドの特徴は、大きな頭に地面にくっついてしまいそうな長い耳、胴長短足の足、そして全犬種の中でもトップクラスの嗅覚です。

体高が低いおかげで、地面に鼻を近づけやすく、長くたれさがった耳は、音を遮断し嗅覚に全神経を集中させるためや、地面についた匂いを巻き上がらせるのに役立っていると言われています。

胴長短足で足が遅いおかげで、獲物たちも油断する上に猟師たちはバセットハウンドの後をついていくことができたので、庶民の徒歩の狩りに重宝されました。

こうしてみると、まるでキャラクターのように特徴的な見た目が全て狩りに適していることがわかります。

バセットハウンドのサイズ

男性の足とバセットハウンド バセットハウンドの平均体高は33~38cmとされていますが、体重は20kg前後と重く、体の大きさに対してずっしりとしています。しっかりとした骨格で骨太なのが特徴です。

バセットハウンドの性格はトップクラスののんびり屋!?

ソファの上でリラックスしているバセットハウンド バセット・ハウンドは驚くほどののんびり屋さんで、とても温厚な性格をしています。他の犬や動物、人間の子どもに対しても常に穏やかに接します。

しかし、奔放に遊ばせると興奮して騒いで足腰を痛めることがあるので、飼い主が気をつけてあげる必要があります。

ゆったりと自分のペースで動くことを好みますが、そこは嗅覚犬、気になる匂いを見つけると納得いくまで追いかけるような頑固な一面も持ち合わせています。

他の動物全般と仲良くできるとはいっても、その狩猟本能を目覚めさせるようなうさぎやフェレットなどの小動物と一緒に飼うことはおすすめできません。


気になるバセットハウンドの寿命。長生きさせるにはどうすればいいの?

道路を走っている二匹のバセットハウンド

バセットハウンドの平均寿命

バセット・ハウンドの平均寿命は10〜12歳と言われています。犬全体の平均寿命が15歳なのを考えると短いように感じますが、もちろんこれには個体差があります。

遺伝的疾患がなく、健康に気をつけていれば、平均より長く生きる個体も多いと言われています。

長生きさせるには何に気をつける?

胴長短足の体が特徴のバセット・ハウンドは腰を痛めやすく、椎間板ヘルニアになりやすい犬種です。

椎間板ヘルニアを防止するためには、日常的に段差を行き来させないことが重要です。ソファや階段の上り下りは最小限になるように、飼い主が気をつけてあげるようにしましょう。

バセット・ハウンドは運動量が少なく肥満になりやすい犬種で、体型は飼い主がきちんとコントロールする必要があります。

運動で痩せるよりも、食事制限で体重の調整を行う方が向いている犬種です。

バセットハウンドを飼うときのポイント

芝生の上で座っているバセットハウンドの子犬

バセット・ハウンドの日々のお手入れ

短毛でびっしりと生えた被毛を持っていますが、換毛期以外は抜け毛も少なく、週に2回ほどブラッシングをしてあげれば美しい被毛を保つことができます。

ただ、よだれが多い犬種でもあるため、首の周りのシワには汚れが溜まりやすくなります。定期的に濡れたコットンなどで拭き取ってあげるようにしましょう。

目やにが出やすい犬種でもあるので、こちらも拭き取ってあげてください。

また、耳が垂れている犬種なので、耳の中に雑菌が溜まりやすいという特徴があります。耳のお手入れは特に念入りに行ってあげるようにしましょう。

バセット・ハウンドの運動量とお散歩は?

木製の橋の上を歩くバセットハウンド 猟犬ではありますが、激しい運動に適した犬種ではないため、運動量はそこまで必要ありません。一日一時間程度、ゆっくり歩く程度のお散歩で十分です。

バセット・ハウンドのしつけ

温厚で賢い性質のため、しつけは難しくありませんが、マイペースで自分の興味のあることに固執する性格をしているため、しつけには根気が必要です。

犬の中でもトップクラスののんびり屋さんだということを理解して、飼い主は褒めて伸ばすように心がけ、バセットハウンドのペースに合わせてあげるようにしましょう。

また、吠える声が特に大きく、その響きはコントラバスに例えられるほどなので、集合住宅で飼育する際には、吠え癖をつけないようにしっかりとしつけましょう。

まとめ

バセットハウンドと散歩中の女性 世界中のエンタメ界で大人気のバセットハウンドについてまとめました。

おとぼけ顔と自分の耳に引っかかってこけてしまいそうな個性的で愛らしい見た目をしていますが、実は全てが狩りに適したれっきとした猟犬です。

猟犬でありながらもおっとりとマイペースな性質なので、子供がいるご家庭でも安心して飼育することができます。

バセット・ハウンドとのんびり素敵な毎日を送ってみてはいかがでしょうか。

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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


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