2017年11月7日

愛犬のためのDIY(手作り)教室~人も犬も使える虫除け~

アウトドアや散歩コースなど緑の多い場所では、体にまとわりついてくる虫が気になりますよね。それは人間だけではなく犬も同じことです。虫が多い夏はもちろん、虫がたくさんいそうな所へおでかけする際には愛犬のために虫除け対策をしましょう。

犬の虫除けグッズはたくさん販売されていますが、虫除けの効果があるアロマを利用するという方法もあります。ここでは、犬用虫よけスプレーの作り方をご紹介します。

病気のきっかけにも! 犬に虫除けが必要な理由

床に伏せて寝ているパグ 犬にとって恐ろしい病気のひとつとして、蚊によって運ばれる「犬フィラリア症」があります。寄生虫の一種であるフィラリアによって引き起こされる病気で、咳や息切れ、肝障害、腎障害、腹水、むくみなどの症状を呈します。

悪化すると重篤な症状をみせるケースもあり、フィラリアが原因で健康そうに見えた犬が突然体調を崩すこともあります。残念ながら治療法は確立されておらず、感染を予防するしかありません。

フィラリア感染を防ぐ一番の方法は予防接種ですが、虫除けを併用することで安心感が増します。フィラリアは蚊が媒介するため、蚊に刺されなければ犬フィラリア症を発症することもないのです。

予防接種や予防薬は、蚊に刺された際に侵入してくる幼虫を“心臓に達する前に駆除する”効果があります。逆に言えば“蚊の吸血を防ぐ”ことはできないため、日常的に虫除けに取り組むことでより安心できるというわけです。

犬にとって害のある虫は、なにも蚊だけではありません。ノミやダニも、愛犬に寄生させたくない危険な害虫です。少しでもリスクを減らすためにも、虫除けは必須だといえるでしょう。

アロマを使った「犬用の虫除け」の作り方

アロマオイルのボトル アロマを使った手作りの虫除けなら、愛犬が自分の身体を舐めてしまっても安心です。また、犬だけではなく人間にも使用可能です。ちゃんと注意点さえおさえておけば短時間で簡単に作れるので、ぜひチャレンジしてくださいね。

用意するもの

・アロマ精油

香りや効能を考えて選びましょう。複数のアロマ精油を組み合わせてもOKです。

・精製水

水道水よりも純度の高い水です。ドラッグストア等で購入できます。

・無水エタノール

精製水だけでも作れますが、無水エタノールを入れたほうがアロマがよく馴染みます。また、日持ちもよくなります。

・ビーカー

ビーカーは、煮沸消毒しておきましょう。消毒ができるのであれば、大体の家庭にある計量カップで代用することも可能です。

・スポイト

アロマ精油を入れるために必要です。

・スプレーボトル

100均などで売っています。できれば遮光タイプがおすすめです。

作り方

1.あらかじめ煮沸消毒しておいたビーカーに、無水エタノールを5ml入れます。
2.スポイトを使って、アロマ精油を10滴ほど入れます。
3.精製水を50ml入れます。
4.よく混ぜてから、スプレーボトルに入れて完成です!


虫除けに使えるアロマ精油の効能と香りの特徴

ラベンダーの花 アロマ精油を選ぶ際には、どの虫に対処したいのかを決めておくことが大切です。蚊除けに使用したいのであれば、ラベンダー、ペパーミント、レモングラス、シトロネラ、ユーカリ、ゼラニウムなどがおすすめです。

また、ゼラニウム、ティートリ―、ミルラ、ローズウッドはノミやダニに効果があります。虫全般に対処したいのであれば、ラベンダーかティートリ―を選ぶとよいでしょう。

それぞれのアロマの香りの特徴は、以下の通りです。いろいろな組み合わせを試しながら、愛犬の気に入る香りを見つけましょう。

ラベンダー【虫全般】

爽やかでフローラルな香りで、優れたリラックス効果があると言われています。

ペパーミント【蚊除け】

清涼感溢れる香りで、フローラル系が苦手な方も気軽につけられるアロマです。

レモングラス【蚊除け】

リフレッシュ効果の高い、すっきりとした香りです。

シトロネラ【蚊除け】

レモンに似た香りで、爽やかな気分になります。

ユーカリ【蚊除け】

刺激の強い香りで、精神を集中させてくれる効果があります。

ゼラニウム【蚊/ノミ/ダニ除け】

ローズに似た、フローラルな香りです。

ティートリ―【虫全般】

清潔感のある香りで、リフレッシュ効果が期待できます。

ミルラ【ノミ/ダニ除け】

甘みと苦みがある、独特で落ち着いた香りです。

ローズウッド【ノミ/ダニ除け】

甘く優しい香りで、気持ちを楽にしてくれます。

愛犬に虫除けを作るときの注意点

緑の多い庭に座るポメラニアン 自分で虫除けを手作りするときは、以下のことに注意しましょう。

肌に合うかチェックする

安全に使用できるアロマの虫除けですが、人間と同じく犬にも「肌に合う、合わない」といった相性があります。いきなり全身にスプレーするのではなく、少しだけ付けて肌の様子をみましょう。

もし赤みが出るなど肌に異常がみられるのであれば、アロマが合わない可能性があります。その場合は、残念ですが使用を中止しましょう。愛犬の服や首輪、飾り毛につけるゴムやピン、首輪のチャーム、リードなど直接肌に触れないものに付けてみるのもひとつの方法です。

香りに注意

犬の嗅覚は、人間よりもずっと優れています。その分、匂いによるストレスを強く感じてしまいます。初めて手作りした虫除けを使うときには、犬がどのように感じているかを注意深く観察するようにしましょう。

虫除けを付けた部分の匂いをくんくんと嗅いでくるようであれば、その匂いが好きな証拠です。その場合は、そのまま使い続けて問題ないでしょう。くしゃみをしたり顔を背けたりするのであれば、精製水で薄めるか、違う香りのアロマで作り直しましょう。

作り置きしない

自分で手作りした虫除けは、無水エタノールを入れていたとしてもさほど長持ちしません。日常的に使用する物なので、つい大量に作ってしまいたくなりますが、作った虫除けは早めに使い切ることが大切です。あまり作り置きはしないようにしましょう。

使える目安としては、だいたい1週間~2週間ほどです。そのため、1回に作る量は50ml~100mlほどで十分だといえるでしょう。使い切れなかった場合は、網戸などにスプレーすると家に入る虫を減らすことができますよ。

市販の犬用虫除けグッズ

蚊取り線香 「アロマが愛犬に合わなかった……」という方のために、ここでは市販されている虫除けグッズを簡単にご紹介します。もちろんアロマと併用することも可能ですので、シーンによって使い分けてみてもいいかもしれませんね。

全身に使えるスプレータイプ

スプレータイプは名前の通り、犬に直接吹きかけて使います。お腹や足先はノミやダニが付きやすい部位なので、特に丁寧に吹きかけるようにしましょう。顔に直接スプレーするのは嫌がるので、自分の手に吹きかけて伸ばしてから付けてあげるのがおすすめです。

お手軽なスプレータイプですが、欠点としては効果の持続時間が短いことが挙げられます。2時間ほどしかもたないので、長距離のお出かけのときには小まめにスプレーし直す必要があります。

蚊取り線香は犬用のものを

夏にはお馴染みの蚊取り線香ですが、実は人間用のものと犬用のものでは違いがあります。一番の違いは匂いの強さで、やはり犬用は匂いが弱く作られています。犬が匂いによってストレスを溜めないようにとの配慮でしょう。

蚊取り線香を使うときに一番注意しなければいけないのは“置く場所”です。犬がイタズラしたり誤飲したりしないよう、手の届かない場所を確保しましょう。ケージの近くに置くのはもちろんNGです。

手軽に使える首輪タイプ

首輪タイプの虫除けはホームセンターなどでよく販売されており、首に装着するだけという手軽さが魅力です。首輪に接触したノミを弱らせることはできますが、全身に効果が広がるわけではないようです。もし首輪タイプを選ぶのであれば、他の虫除けグッズと併用する必要があります。

ジャックラッセルテリアの子犬が二匹並んで走っている様子 手作りの虫除けは5分ほどで簡単に作ることができるうえに経済的です。効果は穏やかですが、そのぶん犬が舐めても安全というメリットがあります。大切な愛犬を害虫から守るためにも、ぜひアロマの虫除けを作ってみてくださいね!

この記事が気に入ったら
Qpetに「いいね!」しよう

文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


合わせて読みたい


  • もしもマガジン Qpet協力ドクターの紹介
  • PAGE TOP