2018年4月29日

老犬の健康管理で大切なこと【食事編】

「前ほど長距離は歩けないな」「最近はジャンクな食べ物が食べれない」など、ふと変化を感じた時に自分も歳を重ねていることを実感しますよね。

犬は人間よりも老化が早い上に長生きを意識して過ごすことはないので、飼い主による健康管理は非常に重要になってきます。

今回は食生活の視点から、老犬の健康管理について考えていきます。

“食が細くなる”と“食欲不振”の混同に注意

チワワが舌を出している様子 足腰が弱って前ほど身体を動かせない分、食事が日々の楽しみの中で大きな割合を占めるようになります。

老化して歯が弱くなったり、飲み込む筋力が落ちたりしても、元気なうちは食欲自体がなくなることはありません。

食が細くなったとしても、食べる意欲はしっかりあるといった感じです。

☑ご飯を拒否した時は体調不良のサイン

病気などで衰弱が進み食べることが困難となった際には「食べたいけど食べれない」といった状況に陥ることもあります。

ご飯から顔を背ける、ご飯を拒否するといった様子を見せた場合は体調不良による食欲不振を疑って下さい。

老犬の食は「好み」「栄養」「食後」をチェック

コンクリートの上で伏せている犬の様子

1.子犬期のように「食べやすさ」を配慮

人間の老後を想像して頂けると分かりやすいでしょう。

「硬いものは疲れる…」「ミノは噛み切れないからやめとく」など、老化により食べることが苦痛になるものが出てきますよね。

若い頃は健康のために偏食にならないよう考慮するべきですが、老後は“食を快適にする”工夫が大切になります。

若い犬であれば犬用のジャーキーや、おやつガム、固いドッグフードも容易に食べることができますが、老犬には厳しいのです。

それに長い間気づかずに今まで通り硬いものを与え続けることで「食べたいけど食べれない」という状況になることもあります。

老犬になった時こそ、体を撫でるなどのスキンシップをたくさんとって、体つきの変化をこまめに確認してあげましょう。

☑ドッグフードは柔らかいものに
☑場合によっては細かく砕く
☑おやつも場合によっては細かくする
☑温水(温かい方が内臓に負担がかかりません)や犬用の牛乳につける

10代半ばくらいになってくると、犬種によっては飲み込む力がかなり弱まります。

飲み込みづらそうにしている時は、最終的にはペースト状にしてあげるなどの工夫も必要です。

2.運動量が減れば今までの食事がカロリーオーバーに!

赤い骨型のビスケットを食べているダックスの様子 老犬は散歩に行く頻度も減りますし、テンションに任せて走り回るようなことも減って来るでしょう。

運動量が減ったのに今まで通りの量を与えてしまうと、当然のことながらカロリーオーバーになってしまい、肥満のリスクが高くなります。

そして肥満が内臓に負担をかけ、別の病気を招く場合もあるのです。

また、運動量が減ってくると水を飲むタイミングも少なくなるので、水分不足にも十分注意してあげましょう。

先ほど触れたように、フードに水分を含ませることで水分補給を兼ねることもできます。

3.便秘や喉つまりに注意する

☑老犬は便秘になりやすい

先ほどの項目とも関わりがあるのですが、運動量が減ることで水を飲む量が減るのも理由の一つです。

食べる量が減り、排便をスムーズにする栄養を十分にとれていない、というケースもあります。

お腹や足を中心に丁寧にマッサージしてあげることも非常に効果的です。

☑喉つまり対策として食器の見直しも

他に深刻な問題として、喉つまりということが挙げられます。

犬に食事を与える際に皿の位置を胸の高さ程の位置に置いてあげる、などの方法も有効です。

低い台や適切な箱でも良いですし、専用の台も売っています。

それだけで食事は非常に快適になりますよ。

老犬になっても食いしん坊な子の場合、早食いが原因で喉つまりを起こす可能性があります。

一回の食事量を減らして食事回数を増やせば内臓への負担も軽減できますし、早食い防止のための特殊な形状をしている食器を購入するのも一つの方法でしょう。

毎日一緒にいると、愛犬の老化には気付きにくいものですよね。

しかし、犬は「硬いから食べれない」という一言を人間に伝えることができません。

できることはたくさんありますし、どれも意外と簡単なものばかりなので、ひとつひとつ取り組んでみてはいかがでしょうか。

老化現象の進み方も一匹一匹で異なるので、まずはやってみる、反応を見る、反応からまた考えてみる…そういった繰り返しが必要になるのではないでしょうか。

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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


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