2018年4月10日

【研究結果】犬は嫉妬する?犬の感情について

以前は、「嫉妬」という複雑な感情を持ち合わせているのは人間だけだと考えられていました。

しかし、最近では犬も嫉妬するのではないかといわれています。

ここでは、犬の嫉妬に関して行われた研究についてご紹介します。

犬の嫉妬に関する研究

二匹のボーダーコリー カリフォルニア大学サンディエゴ校では、犬の嫉妬感情についての研究が行われました。

ここでは、この研究内容および研究結果についてみていきましょう。

研究のきっかけ

研究を主導したクリスティン・ハリス氏の両親は、2匹のボーダーコリーを飼っていました。

クリス氏もボーダーコリーたちと遊ぶことがありましたが、あるとき「両方に構うと両方とも満足しない」ということに気付きます。

ここから、犬の嫉妬感情に関する研究がスタートしました。

研究内容

この研究は、36匹の様々な犬種(ボストンテリア、ヨークシャーテリア、チワワ、パグ、雑種など)の犬を対象に行われました。

研究内容は、飼い主が以下の行動を取った際の様子を、ビデオカメラで撮影する事で行われました。

・本物の犬そっくりのぬいぐるみで遊んでいるとき
・ハロウィンのかぼちゃに似せたバケツで遊んでいるとき
・飛び出す絵本を読んでいるとき

これは、犬がそれぞれをライバルとみなすか、またライバルとみなしたときに何かしらの行動を起こすか、を観察することで嫉妬感情があるかどうかを推察するためです。

研究結果

研究の結果、飼い主が犬のぬいぐるみを撫でたりしているときに何らかの反応を起こした犬は78%にも上りました。

30%ほどの犬は飼い主とぬいぐるみの間に無理やり押し入り、さらに25%の犬はぬいぐるみに噛みついたそうです。

ほとんどの犬が犬のぬいぐるみのお尻の臭いを嗅いだことから、「犬そっくりの生き物を本物のライバルとみなした」と考えられます。

なお、カボチャに似せたバケツで遊んでいるときに反応を示した犬は42%、飛び出す絵本を読んでいるときに取り乱す様子を見せた犬は22%でした。

多くの犬が脅威であるとみなしたのは、「犬のぬいぐるみ」のみだったようです。

この研究から分かること

犬のぬいぐるみ この研究からは、犬は犬そっくりのぬいぐるみをライバルとみなしたのだと考えられます。

飼い主とぬいぐるみの間に割って入ったりぬいぐるみに噛みついたりしたのは、おそらくぬいぐるみに飼い主を奪われることを懸念したのでしょう。

この結果をみると、犬に嫉妬の感情があるといわれるのも納得です。

しかし、だからといって犬に人間と同じ感情があるとは言い切れません。

人間であれば、慕っている相手が自分以外の誰かを大切にするようになったときに「自分には魅力はないのか」「何か悪いことをしてしまったのだろうか」など、様々な考えが頭に浮かびます。

一方で、犬にあるのは慕っている相手の関心を取り戻したいという気持ちのみだと考えられています。

犬も人間と似た嫉妬の感情はあるかもしれませんが、やはり違う生き物である以上全ての感情が共通しているとは言い難いといえます。


愛犬が嫉妬したときの対処法

犬がぬいぐるみをくわえている様子 研究結果が示すように犬には嫉妬感情があり、何かに嫉妬したときには吠える、噛むなどの問題行動を起こすことがあります。

しかし、問題行動を起こしたときに構ってあげると「吠えたり噛んだりすると飼い主に構ってもらえる」と学習し、逆効果になってしまいます。

犬が嫉妬している様子を見せたときにはすぐに構うのではなく、無視するようにしましょう。

そして、問題行動をやめた時に、褒めてあげるようにしてください。

まとめ

二匹の犬と飼い主 犬がやきもちを焼いている姿は、飼い主からみると微笑ましいものです。

しかし、大好きな飼い主を取られたくないという犬は嫉妬の感情に苦しんでいます。

愛犬に辛い思いをさせないためにも、嫉妬をする必要がないくらいたっぷりと愛情を注いであげてください。

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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


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