2018年3月28日

【盲導犬の生涯】誕生から引退まで

目の不自由な人を支えてくれる盲導犬は、人間にとって大切な存在です。

盲導犬の存在は広く知られていますが、幼少時代や訓練の様子、引退後などついてご存知の方は少ないのではないでしょうか。

ここでは、そんな盲導犬の生涯についてご紹介します。

盲導犬の子ども時代

盲導犬の子犬時代 盲導犬の候補犬は、生後2か月になると親や兄弟と離れて、「パピーウォーカー」の下で育てられます。

パピーウォーカーとは、盲導犬になる予定の犬、生後2カ月~1歳になるまで、お世話をする子犬飼育ボランティアのことです。

人間の家族の一員として、大切に育てられた盲導犬の候補犬たちは、人間社会で暮らすためのルールを学んでいきます。

盲導犬の訓練

盲導犬がユーザーをサポートしている様子 1歳になると、愛情たっぷりにお世話をしてくれたパピーウォーカーの下を離れることになります。

そして、約1年間にわたる犬舎での盲導犬の訓練が始まります。

とはいっても、怖い訓練士によるスパルタな訓練を受けるわけではありません。

盲導犬候補生たちが楽しくやる気をもって訓練を受けられるように、訓練士も様々な工夫を凝らしています。

基本訓練

まずは、オスワリ、マテ、フセなどの一般的なコマンドから訓練していきます。

指示語が人によって違うと犬が混乱するので、「シット」「ウェイト」「ダウン」など英語で統一されています。

誘導訓練

誘導訓練では、道の左側を歩く、段差や交差点を知らせる、障害物を回避するなどの誘導動作をマスターします。

なお、訓練をする中で「盲導犬としての適性がない」と判断されてキャリアチェンジをする犬もいます。

アイマスク・テスト

訓練がどれだけ進んでいるかをチェックするために、指導員は自ら目隠しをして盲導犬の誘導に従って歩きます。

最終的にこのテストに合格できるのは、10頭のうち3~4頭のみだと言われています。

共同訓練

盲導犬を必要としている視覚障害者とのマッチングを行うために、共同訓練を行います。

たいていの場合は盲導犬を希望している人が4週間協会に宿泊し、盲導犬との間に信頼関係を築きつつ歩行訓練をしていきます。


盲導犬ユーザーとの生活(約2~10歳)

盲導犬がユーザーと生活している様子 無事に訓練が終了したら、盲導犬は盲導犬ユーザーとの生活を始めます。

2歳~10歳頃まで盲導犬ユーザーと過ごすのが一般的なので、生涯のほとんどを盲導犬として過ごすことになります。

盲導犬が盲導犬ユーザーに引き取られるときには、歩行指導員が同行します。

盲導犬は訓練の中で歩行の基本をしっかり身に着けていますが、実際に道を歩いていると例外も多々あります。

そのようなときも、盲導犬は応用力を効かせて盲導犬ユーザーの安全を守らなければいけません。

そのため、同行した歩行指導員が2~3日かけて歩行指導を行います。

歩行指導員が同行して指導するのは数日ですが、盲導犬と盲導犬ユーザーの息がぴったり合うようになるまでには半年~1年ほどかかることが多いようです。

しかし、毎日生活を共にする1人と1匹は確実に絆を育み、お互いに最高のパートナーとなっていきます。

引退後の生活

盲導犬が引退後の生活をしている様子 長年にわたって盲導犬ユーザーとの生活を続けた盲導犬も、10歳頃になるとその役目を終了して普通の犬に戻ることになります。

そして、盲導犬を引退した後は、引退犬飼育ボランティアのもとでのびのびと老後を過ごします。

盲導犬の平均寿命は13歳前後だといわれているので、約3年間を新しい家族と満喫することになります。

まとめ

ユーザーを支える盲導犬 盲導犬は生まれたときから生涯を終えるときまで、たくさんの人の愛情を受けながら生きています。

また、それと同時にたくさんの人々を幸せにしてくれます。

これからも盲導犬たちは、助けを必要としている視覚障害者の支えとなってくれることでしょう。

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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


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