2018年2月20日

捨てられた犬達の現実

捨てられた犬が、年間でどれくらいの数になるかご存知でしょうか。

今回は、捨てられた犬の実情や捨てられる理由、年間で殺処分される数までご紹介します。

犬が捨てられる理由

犬が床に伏せてる様子 犬が捨てられるのは、様々な理由があります。

多い理由の一つとして、「飼えなくなった」という理由が挙げられます。

引っ越し先が動物禁止だった、数匹飼っていたが育てる余裕がなくなった、子供が出来たが引き取ってくれる人がいないから捨てる等、理由は様々になります。

犬が捨てられる理由の多くは、飼い主の都合によるものだと言えます。

経済的に犬の面倒を見るのが難しい、犬が高齢になったが看病する余裕がないといった理由も飼い主の都合になります。

犬側の状況によって捨てられたという場合もあります。

性格が凶暴で噛み癖があり家族を傷つけた、成犬の時に譲り受けたが家族に馴染めず餌をまったく食べない、24時間構わず吠え続けるなどです。

しかし、こういった理由も、実際には飼い主の躾の仕方が適切ではなかったという見方も出来ます。

どんな理由であったとしても、命ある動物を「捨てる」という選択肢が取れる方は、飼い主としての資格がないと言えます。

捨てられた犬の行方

犬が檻に入れられている様子 そのまま逃がすように捨てるか、保健所などに引き取ってもらうかで変わります。

逃がすように捨てられた場合

まず、逃がすように捨てた場合ですが、捨てられた犬は野生化します。

しかし、今までは愛玩犬として飼われていたことで、寝るところや食べるものが用意されていたこともあり、自力で生きる力を持っていません。

群れであり家族である飼い主の姿は見えず、ごはんの時間に餌が出てこない事に不思議に思い、自分の匂いのついた温かい寝床は見つからず、体力が減って不安とストレスが溜まっていきます。

そして、そのまま餓死するか、本物の野生の動物に襲われる、事故にあうなどして、命を亡くします。

例外として、逞しく野生で生き抜く犬もいますが、こうなると居場所の確保のために凶暴化し、場合によっては人間を攻撃する可能性があります。

攻撃されれば、傷つけられるだけではなく病原菌を移される事もあるわけです。

人目につかないところで静かに暮らせる犬もごく稀にいますが、すべては結果論に過ぎません。

逃がすように捨てた方は、一匹の犬を不幸にしたばかりでなく、多くの人に不安を与える状況をつくり出すことになるのです。

保健所に引き取ってもらった場合

逆に保健所に引き取ってもらう方法です。

保健所に引き取ってもらえるのなら里親とのご縁もあるのではないか、と思う飼い主もいるかもしれませんが、実際には違います。

『引き取る=そこで育てる』ではありません。

保健所に持ち込まれた犬は、最終的に殺処分されてしまいます。

運良く引き取ってくれる新しい飼い主さんが出来て、引き取られる事もありますが可能性は高くありません。

狭い檻の中に押し込まれる生活を強いられ、知らない犬達と不安な生活を過ごすことになり、そのまま大半の犬が殺処分されてしまいます。

それを安楽死なんだから良い方じゃないか、と考えてしまう方は、やはり飼い主として素質が無いと言えます。

それは人間側の勝手な都合で、犬も命のある生き物です。

飼い主となることは、命の責任を持つという事なので、最後まで責任を持って飼ってあげることが大前提です。


殺処分数について

多くの捨てられた犬や野犬 環境省の発表によると、平成28年度の犬の殺処分数は約10,424匹と言われています。

約1万匹、1日30匹ほどが殺処分されていると考えると多いように感じられますが、これでも減少傾向にあります。

5年前の平成23年度は約44,000匹、10年前の平成18年度は約113,000匹が殺処分されていました。

どれだけ減ってきているか分かると思います。

これは保健所が引き取る数が少なくなり、引き取った犬が元の飼い主のとこに返還される、新しい飼い主に譲渡される数が増えた事も影響しています。

殺処分0を達成した動物管理センターもあり、いずれは全国で殺処分0を目指しています。人間側の、犬に対する意識が高くなっていると言えます。

まとめ

飼い主が犬を抱きしめている様子 捨てられた犬達の実状について、ご紹介しました。

犬に限らず言えることですが、命は殺されるために生まれてくるのではありません。

楽しく健やかな人生を送るために生まれてきています。

犬をお迎えするということは、命に責任を持つということです。

気まぐれであれ、やむを得ない事情であれ、”犬を手放す”という選択肢は今回お話したような意味を持ちます。

その重みを理解したうえで、犬のお迎えを検討して頂きたいと、切に願います。

この記事が気に入ったら
Qpetに「いいね!」しよう

文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


合わせて読みたい

PAGE TOP