2019年1月5日

似ている犬種?「ラサ・アプソ」と「シーズー」の違い

シーズーといえば、もふもふの被毛とぺちゃんこの鼻が可愛らしい人気犬種ですよね。大人しくて穏やかな性格であることから、初めて犬を飼う方にもよく勧められます。

ここではそんなシーズーと、シーズーとよく似た犬種として知られるラサ・アプソについてご紹介します。

ラサ・アプソという犬種について

海岸沿いに立っているラサアプソ
日本ではあまり見かけないラサ・アプソですが、実は2000年という長い歴史があります。まずは、ラサ・アプソについてみていきましょう。

ラサ・アプソの歴史

ラサ・アプソはチベット原産の愛玩犬で、「人の死後に魂が宿る犬」としてラマ教の僧侶の下で大切に飼われてきました。

神聖な犬として扱われていたため、中国の朝廷にラサ・アプソを献上する習慣が数世紀にわたって続いていたそうです。

長い間中国のみで飼われていたラサ・アプソが西洋にわたったのは第二次世界大戦前で、その後はアメリカで多くの繁殖が行われました。

ラサ・アプソの特徴

ラサ・アプソは全身が美しい長毛に覆われており、毛色はゴールデン、サンディ、ハニー、ダーク・グリズルなど様々な色が認められています。

性格は陽気でプライドが高く、落ち着きがあります。また飼い主に対して強い忠誠心をもちますが、その一方で見知らぬ人に対しては用心深い傾向にあります。

シーズーという犬種について

水辺に立っているシーズー犬 実は、ラサ・アプソとシーズーの2犬種は、深い関係があります。ここではシーズーの歴史や特徴をご紹介します。

シーズーの歴史

シーズーはもともとラサ・アプソとペキニーズの交配によって誕生した犬種で、その作出は19世紀頃だったと考えらえれています。

なおシーズーとは中国語で「獅子」の意味で、守り神として中国王宮内で大切にされていました。その後戦争によって中国王宮を追い出されてしまったシーズーでしたが、一部が生き残ってイギリスにわたり、少しずつ家庭犬として広まっていったといわれています。

シーズーの特徴

シーズーは長い毛と大きな目、短いマズルが印象的な犬種です。身体は以外にもがっしりとしており、決して華奢ではありません。

性格は穏やかで落ち着いていますが、その一方で遊ぶことが大好きです。また他人やほかの犬に対してもフレンドリーで、子供とも仲良くできます。

とても飼育しやすい犬種ですが自尊心が高い一面もあり、育て方によっては番犬のようになってしまうこともあるようです。


ラサ・アプソとシーズーの違い

シーズーの顔
ラサ・アプソはシーズーの祖先犬であるため、この2犬種がよく似ているのは当然だといえます。実際に、1930年にイギリスにわたったシーズーは、似た特徴を持つラサ・アプソと一括りにされていました。

しかし、2犬種を明確に区別するための計画的な繁殖が行われた結果、わずか4年後の1934年にはシーズーはシーズーとして新しく犬種登録されました。

また、ラサ・アプソとシーズーが混同されたのはアメリカでも同様です。アメリカにシーズーが渡ったのは1938年でしたが、そのときにはすでにラサ・アプソがシーズーとして登録されていました。

アメリカではこの後も2犬種が混同される状態が長く続きましたが、「鼻論争」の結果、長いマズルの個体はラサ・アプソ、短いマズルの個体はシーズーとして登録することになりました。

現在では、ラサ・アプソとシーズーは別犬種として繁殖されています。区別がしにくいときには、マズルの長さに注目して観察してみてください。

屋外で遊んでいるラサアプソ ラサ・アプソとシーズーは、それぞれが独立した犬種として認められるまでに長い時間がかかりました。しかし、現在では別犬種として確立されています。

日本ではシーズーが多く飼われていますが、今後ラサ・アプソの人気が高まることもあるかもしれませんね。

(ちなみに、最後の写真はラサ・アプソです!)

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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


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