2017年6月26日

イングリッシュセッターってどんな犬?魅力と飼うときのポイント

イングリッシュセッターは、優雅な容姿と愛らしい性格を併せ持つ魅力あふれる犬種です。

大型犬の中では飼いやすい犬種なので、大型犬の飼育を考えている人はぜひイングリッシュセッターを選択肢にいれてみてはいかがでしょうか。

セッターといえばイングリッシュセッター

雪が降っている屋外で座っているイングリッシュセッター セッター種にはイングリッシュセッターの他にもアイリッシュセッターやゴードンセッターなどがいますが、欧米ではセッターというとイングリッシュセッターを指します。

「セッター」とは“伏せの姿勢”のことです。

イングリッシュセッターは猟銃のない時代から鳥猟犬として人間に使役しており、獲物を見つけたときにその前で伏せて猟師に伝えたことからこの名前が付きました。

もともとは猟犬のイングリッシュセッターですが家庭犬としても適性があり、セッター種の中ではアイリッシュセッターと並んで人気があります。

大型犬の中では飼いやすい犬種だといわれており、十分な愛情を込めて育てることで素敵な家族の一員になります。

イングリッシュセッターの歴史

イングリッシュセッターのモノクロ写真イングリッシュセッターは、セッター種の中で最も歴史のある犬種です。

原産地ははっきりしていませんが、14世紀頃にイギリスに持ち込まれたスパニエルがイングリッシュセッターの祖先犬だといわれています。

その後は、長い間鳥猟犬として活躍していました。

さまざまな犬種との交配を繰り返して徐々に現在のイングリッシュセッターの形になり、19世紀には現在の犬種名で呼ばれるようになりました。

イングリッシュセッターの繁殖には、イギリス人のラヴェラック氏とルーエリン氏が大きく貢献したといわれています。

アメリカにわたってからは人気が爆発し、明治時代には日本にも輸入されました。

しかし、狩猟文化が薄れた現代では残念ながら頭数が減ってきているようです。


イングリッシュセッターの特徴

遠くを見ているイングリッシュセッター イングリッシュセッターは体高61~69㎝、体重25~30㎏の大型犬です。

大型犬の中では小さめで、首は長く優雅な体型をしています。歩き方はゆったりとしていますが非常に運動神経がよく、アスリートの気質があります。

イングリッシュセッターの最大の特徴は、光沢がある美しい被毛です。

ウェーブがかかった絹のような被毛は、エレガントな雰囲気を醸し出しています。

また、白地に黒などの斑点があるベルトン模様もイングリッシュセッターならではの美しい特徴です。

ホワイト&ブラックの他に、ホワイト&オレンジ、ホワイト&レモン、ホワイト&レバーなどがあります。

イングリッシュセッターの性格

屋外で走っているイングリッシュセッター イングリッシュセッターは、とても愛らしい性格をしています。知れば知るほど、その可愛さの虜になってしまうことでしょう。

人懐っこい

その大きな体からは想像できないほど、人懐っこくて穏やかな性格をしています。

誰とでも仲良くできるフレンドリーさがあり、小さな子供がいる家庭や他の動物がいる家庭でも飼うことができます。

まさに家庭犬としてぴったりな性格だといえるでしょう。

従順

マイペースなのでしつけには根気が必要ですが、基本的に飼い主の言うことをよく守る犬種です。

しつけの時には、大げさなくらいに褒めてあげましょう。

飼い主に褒められることが大好きなので、しつけの入りが良くなります。

活発

性格はおおらかですが、ルーツが猟犬だけにスタミナがあってとても活発です。そのため、しっかり運動させてあげないとストレスを溜めてしまいます。

また、仔犬のうちはやんちゃで好奇心旺盛なので事故防止に努めましょう。

ショータイプとフィールドタイプで異なる

イングリッシュセッターにはショータイプとフィールドタイプがあり、それぞれ性格が異なります。

ショータイプは、より人懐っこく落ち着きがあり、家庭犬向きです。

フィールドタイプは猟犬らしい性格で、活発に走り回ります。

イングリッシュセッターの飼育のポイント

イングリッシュセッターの子犬 イングリッシュセッターを飼育するときに大切なポイントを確認しましょう。

運動

運動欲を満たしてあげることは、イングリッシュセッターを飼う上で重要なポイントです。

散歩の時間は1日1時間以上、たっぷりと取りましょう。ゆっくり歩かせるだけでは不十分なので、できるだけ走らせることを意識しましょう。

時間があるときには、ドッグランなどに連れて行ってノーリードで思い切り走らせると喜びます。

また、遊びやゲームを積極的に取り入れるのもオススメですよ。

しつけ

イングリッシュセッターは、洞察力のある犬種です。アイコンタクトを取ることを意識しながらしつけを行いましょう。

マイペースな面があるとはいえ、頭がよく服従心の強いイングリッシュセッターはしつけが難しい犬種ではありません。人間の意図をそれとなく汲める聡明さがあるので、厳格な態度をとる必要はありません。

ブラッシング

ブラッシングは、週に2~3回を目安に行いましょう。特に、ショータイプの個体は被毛が長くなる傾向があるので念入りなブラッシングが必要です。

また、2カ月に1度ほどの頻度でトリミングをしてあげることで自慢の美しい毛並みをキープすることができます。

イングリッシュセッターで気を付けたい病気

床に伏せているイングリッシュセッター イングリッシュセッターを飼うときには、以下の病気に気を付けましょう。

難聴・盲目

イングリッシュセッターは、遺伝的に難聴や盲目になりやすい犬種です。

難聴に関しては、鳥猟犬として猟銃の爆音がしても動揺しないことが求められたということが背景にあるようです。

聴力や視力の低下に早めに気付けるように、定期的に検査を受けることをオススメします。

胃拡張・胃捻転

胃拡張と胃捻転は、なんらかの原因により胃の中にガスが一気に溜まることにより発症します。

膨らんだ胃は他の臓器や横隔膜を圧迫し、さらにねじれることによって胃の組織が壊死し始めます。

大型犬は胃の位置が固定されないため、胃拡張や胃捻転を起こしやすい傾向にあります。どちらも非常に危険な状態で、命を落としかねません。

食後すぐの運動は、胃拡張や胃捻転を招く原因となります。また、1日1回の食事だとドカ食いしてしまうので、1日2回の食事に比べてリスクが倍になるようです。

これらの点に注意するとともに、愛犬に異変が生じたらすぐに病院に連れて行くようにしましょう。

股関節形成不全・肘関節形成不全

大型犬の発症率が高いといわれる股関節形成不全や肘関節形成不全は、イングリッシュセッターも起こしやすい病気です。

軽度であれば安静にすることで改善しますが、悪化している場合には投薬や手術が必要になります。

歩き方が普段と違ったり運動を嫌がったりしたら、股関節形成不全や肘関節形成不全を疑いましょう。

また、原因の一つとして過度の運動があるので適度な運動を心がけましょう。

寿命は10~12歳

イングリッシュセッターの寿命は10~12歳だといわれています。しかし、寿命よりも長生きする個体はたくさんいます。

仔犬の頃から健康管理をすることで、元気に長生きしてくれるでしょう。

まとめ

屋外でイングリッシュセッターと遊んでいる女性 イングリッシュセッターを飼うのであれば、ストレスが溜まらないように運動させてあげること、そして病気に気を付けることを意識しましょう。

愛情たっぷりに世話をして、イングリッシュセッターと強い信頼関係を築いてください。

飼い主が健康管理に気を配りながら育てれば、長く元気でいてくれるでしょう。

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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


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