2018年1月22日

タイガンの魅力と歴史について

タイガンは中央アジアに位置するキルギス原産の犬種で、非常に長い歴史をもっています。

日本だけでなく、海外でもほとんど見かけることのないとても珍しい犬種です。

そんなタイガンの魅力から歴史までご紹介します。

タイガンの歴史

タイガンが伏せている様子 タイガンはキルギスを故郷とするかなり古い犬種で、4000年ほど前にはすでに存在したと考えられています。

現存する犬の中で最も古いといわれているサルーキを改良して作出した犬種で、山羊やキツネ、アナグマなどを狩るときに使用されました。

山岳猟用に品種改良されたタイガンは、起伏が激しい山の中でも上手に獲物を追い詰めていったそうです。

もともと頭数の多くなかったタイガンですが、ほかの地域から入ってきた犬種との交雑が進んだことにより一時は絶滅の危機に陥りました。

そこで、歴史ある犬種を絶滅させるわけにはいかないと、タイガンの繁殖に力を入れたのが地元キルギス、そしてロシアです。

この努力の甲斐あって、現在では1000頭ほどのタイガンが飼われています。

2009年にはロシアや中央アジア、東ヨーロッパの国々を中心にタイガンが正式に犬種登録されました。

しかしながら、今でもFCI(国際畜犬連盟)では公認されていません。

なお、現存するタイガンはそのほとんどがキルギスとロシアにいるようです。

タイガンは視覚の優れた「サイトハウンド」

タイガンが運動している様子 タイガンは、山の猟で活躍した古代サイトハウンド犬種です。

サイトハウンドとはハウンド・グループの中でも優れた視覚をもつ犬種群のことで、現在10犬種がサイトハウンドとしてFCIに登録されています。

犬の視野は平均で200~250度ほどだといわれていますが、サイトハウンドの視野は270度もあり、さらに遠くまで見渡すことができます。

また、サイトハウンドは速く走ることができるという面でも猟犬として優れています。

これは4本脚を効率的に使っているためで、なかでもグレーハウンドの足の速さは突出しています。

サイトハウンドが細身で引き締まった身体をしているのも、速く走れるように進化を遂げた結果だといえるでしょう。

現在JKCに登録されているサイトハウンドは、以下になります。

・アイリッシュウルフハウンド
・アフガンハウンド
・イタリアングレーハウンド
・ウィペット
・グレーハウンド
・サルーキ
・スパニッシュグレーハウンド
・スルーギ
・ディアハウンド
・ボンゾイ

タイガンは残念ながら登録されていませんが、サイトハウンドとしての能力はこれらの犬種に劣らないといえます。


タイガンの特徴

タイガンが伏せている様子 タイガンは体高67㎝前後の大型犬で、長いマズルと垂れた耳が特徴的です。

被毛はアンダーコートとオーバーコートから成るダブルコートで、これは寒い地域で生活していくうちに発達したものだといわれています。

毛色はバラエティに富んでおり個体によって様々ですが、4本の脚とお腹、マズル、しっぽの先などはホワイトです。

性格は大型犬らしく、温和で落ち着いた性格をしています。

しかしながら猟犬としての本能も兼ね備えており、何かあれば勇敢に立ち向かっていきます。

頭がよく状況判断のできる犬種なので、しつけやトレーニングは入りやすいといえるでしょう。

なお、タイガンは猟犬として山の中を走り回っていた犬種のため、スタミナが豊富です。

そのため、タイガンを飼うときには、思いきり走って体力を発散させられる環境を用意してあげる必要があります。

まとめ

タイガンが駆けている様子 頭数は徐々に増えているタイガンですが、日本では飼育されていません。

力強さを感じさせるタイガンはとても魅力的な犬種ですが、今のところ日本で入手するのは難しいといえるでしょう。

タイガンがFCIに登録されれば、日本でも手に入れやすくなるかもしれません。

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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


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