2017年7月21日

【専門家が解説】犬のシャンプー基礎知識!適切な頻度や注意点は?

自宅でする犬のシャンプーは、正しいやり方で出来ているでしょうか。自己流でシャンプーをしていると、時間がかかって大変な思いをするばかりか、犬の皮膚病の原因になることもあります。

犬のシャンプーの基本的なやり方や頻度、注意点などについて解説しますので、ご参考ください。

犬にシャンプーが必要な理由

シャワーをかけてもらう犬 犬のシャンプーには、以下の役割があります。

・体の汚れを落とし、清潔にする
・皮膚を健康に保つ
・もつれや毛玉を予防する
犬の体を洗わないでいると、だんだんと汚れがたまっていきます。汚れには、散歩でついた土汚れや、犬の体から出る皮脂汚れがあります。とくに皮脂汚れを放置していると、皮脂が酸化し、犬独特の強い臭いを発するようになります。

また、皮脂がたまることで雑菌が繁殖し、フケやかゆみの原因になります。そのままにしていると、やがては皮膚炎を起こしてしまうでしょう。適切な頻度でシャンプーを行い、皮脂汚れを落とすことで、皮膚を健康に保つことができます。

そして、汚れと犬の毛が絡まることで、もつれや毛玉ができやすくなります。もつれや毛玉ができると、風通しが悪くなり湿気がたまります。湿気は皮膚病の原因になるため、決まった頻度のシャンプーで犬の汚れを落とし、毛並みを整えておく必要があります。

犬のシャンプーの適切な頻度はどれくらい?

タオルにくるまる犬
犬のシャンプーの頻度は、1ヶ月に1度を目安に行いましょう。犬の皮膚は人間と比べて1/4程度と薄いため、洗いすぎると乾燥して皮膚トラブルの原因となります。汚れやすい犬の場合でも、2週間に1回程度に止めておきましょう。

また、梅雨などで湿気が多くなる時期は、いつもより頻度を増やしてあげると良いでしょう。湿気と皮脂は、雑菌の大好物です。そのため、皮膚炎を起こしやすいのもこの時期です。なるべく皮脂汚れを落として、皮膚を乾燥させておくよう心がけましょう。


犬をシャンプーする前に!準備しておく道具類

ブラシと犬

犬のシャンプーに必要な道具

犬をシャンプーするときは、以下の道具が必要です。

・スリッカーブラシ
・コーム
・バスタオル(できれば吸水タオルも)
・ドライヤー
・犬用シャンプー&リンス
スリッカーブラシやコームは、ペット用品を扱うショップで手に入れることができます。また、水分をたくさん吸収できるように大きめのバスタオルを用意しましょう。

ドライヤーは、普段使っている家庭用の製品でも問題ありませんが、風量の多いドライヤーのほうが早く乾かすことができます。また、シャンプーやリンスは必ず犬用を使ってください。

繰り返しになりますが、犬の皮膚はデリケートなので、刺激の強い人間用のシャンプーの使用は皮膚トラブルに繋がる可能性があります。

シャンプー前に環境を整えよう

犬のシャンプーは、環境を準備しておく事が重要です。事前準備は、人間や犬にかかる負担を軽減してくれます。

まずは、犬を乾かすためのテーブルを用意します。トリミングサロンにあるような高さのあるテーブルでなくても構いません。座卓程度の低めのどっしりとした台を用意してください。天板には、滑り止めを敷いておきます。

また、ドライヤーはコンセントに差した状態でセットしておきます。コンセントの位置が遠ければ、延長コードにつなぎましょう。
滑りやすい浴室は、バスマットを敷くなどして対策しておきます。シャンプー中は犬が動きます。協力してくれる人がいる場合は、複数人で安全に作業を進めていきましょう。

犬のシャンプーの正しいやり方を解説!

シャワーをかけてもらう犬

犬の体調をチェックしよう

シャンプーを行う前に、犬の体調をチェックします。元気や食欲はあるか、便の状態はどうかなど、普段と変わったところがないか調べてください。体調が悪そうだと感じた場合は、シャンプーを中止して様子を見ましょう。異常がなければ、作業を進めていきます。

抜け毛やもつれをチェックしよう

シャンプーの頻度にもよりますが、しばらく洗っていない犬は、抜け毛がたまっていたり、もつれが出来ていたりする可能性があります。そのため、シャンプー前には必ずブラッシングを行ってあげてください。

ブラッシングに必要なのは、スリッカーブラシとコームです。スリッカーブラシの柄の部分を、親指と人差し指でつまむように持ち、残りの指をかるく添えます。そして、手首が動かないように固定して、肘から下を回転させるように動かしましょう。このとき、ブラシは皮膚と平行になるよう意識します。

ブラッシングを終えたら、コームを使ってチェックします。抜け毛やもつれが残っていれば、コームが通らないはずです。途中で引っかかるようなら、もう一度ブラッシングに戻りましょう。コームが通るようになれば、シャンプーに進みます。

カットが必要な犬種の場合は、毛がもつれた状態で洗うと状態を悪化させてしまいます。少し大変ですが、シャンプー前のブラッシングは念入りに行いましょう。

犬のシャンプーの正しいやり方

頭を洗ってもらう犬

STEP1

まずは、犬の体をお湯で十分に濡らしてください。予洗いをしておくことで、ある程度の土汚れを落とすことができ、シャンプーも泡立ちやすくなります。
また、犬のシャンプー剤は、水分と皮脂汚れを混ぜ合わせて落とす性質があります。

そのため、毛の根本まで水分がいきわたっていないと、汚れをきれいに落とすことができません。とくに毛量が多い犬の場合は、毛の表面をお湯が流れ落ちてしまい、皮膚まで浸透しにくいです。時間をかけて濡らしていきましょう。

STEP2

しっかりと濡らすことができたら、シャンプーで体を洗っていきます。犬用シャンプーは、原液をそのまま使うのではなく、薄めて使いましょう。空のボトルにシャンプーの原液を少量入れ、お湯を加えて混ぜ合わせます。

350mlの容器の場合、原液とお湯の割合は、1:10が目安です。もちろん、洗面器の中でシャンプーを作っても構いません。汚れ具合に応じてシャンプー濃度を調節してみましょう。

STEP3

体の全体にシャンプーをなじませたら、指の腹をつかってマッサージするように洗っていきます。汚れやすい部分は、耳の周辺、お腹、足先、お尻です。
1回目のシャンプーはあまり泡立たちません。

大まかな汚れを落とす気持ちで、スピーディーに洗っていきましょう。全体を洗い終わったら、体についた泡をざっと流します。

STEP4

そして2回目以降のシャンプーで、念入りに汚れを落としていきます。同じように全体を洗っていきましょう。1度目より泡立ちが良くなります。ちなみに顔を洗う場合、目にシャンプーが入らないように注意してください。

万が一目に入った場合は、すぐに洗い流しましょう。洗い終わったら、体にシャンプー剤が残らないよう、しっかりと流していきます。

STEP5

汚れが落ちていないと感じたら、3回目のシャンプーを行いましょう。このとき、犬が疲れていないかを確認してから行ってください。汚れの落ちにくい足先だけ、お尻だけ、という部分的な洗い方でも良いでしょう。

リンスの役割とやり方

リンスには以下の役割があります。

・皮膚の乾燥を防ぐ
・犬の毛を保護する
・もつれや毛玉を防ぐ
・静電気の発生を防ぐ
シャンプーの作業が終わったら、全体にリンスをかけていきます。リンスは好みによって濃度を調節してください。全体的になじませたら、リンスが残らないようにしっかりと流していきます。

原液をそのまま使うと、流すのに時間がかかります。時間を短縮するためにも、ある程度は薄めた方が良いでしょう。

タオルドライ

勢いよく水を飛ばす犬
リンスを流し終わったら、犬にブルブルをさせます。体についた水分をとばすと同時に、耳の中の水分を排出できます。それから、バスタオルを使ってしっかりと水分をふき取っていきましょう。

吸水タオルを使えば、よりたくさんの水分を吸い取ることができます。タオルドライでしっかりと水分を取っておけば、ブロー時間を短縮できます。

ドライヤー

タオルドライが終わったら、用意しておいたテーブルの上で乾かします。犬が誤って転落しないよう、誰かにおさえてもらいましょう。ブラッシングをしながら乾かしていきます。

ドライヤーは、犬から30㎝ほど離しましょう。風を当てると、毛が根本から割れて皮膚が見えるはずです。風を当てた部分を、毛並みに沿ってブラッシングします。

ブローのコツは、部分ごとに区切って乾かしていくことです。ブローしている部分が完全に乾いてから、次に移りましょう。

この作業を繰り返すことで、だんだんと犬の体が乾いてくるはずです。はじめは時間がかかると思いますが、根気よく続けていきましょう。

また、ドライヤーが近すぎたり、ずっと同じ場所に当てすぎたりすると、火傷をすることがあります。顔を乾かすときは、目に直接風を当てないよう気を付けておきましょう。

犬をシャンプーするときの注意点

ドライヤーをあてられる犬

ワクチンを接種した日はシャンプーしない

混合ワクチンや狂犬病など、ワクチン接種をした日はシャンプーを控えましょう。もちろん、トリミングも当てはまります。ワクチンは、体の中に無毒化されたウイルスを入れることで、免疫力を高めるものです。

そのため、多少なりとも犬の体に負担がかかります。ワクチン接種当日は、激しい運動を控えて安静に過ごしましょう。

犬のシャンプーを行うには、ワクチン接種から2~3日ほど期間をあける必要があります。

シャンプー中は犬の表情を確認しよう

体温調節をつかさどる犬の汗腺は、足の裏にしかありません。そのため、シャワーがあまりにも熱いと、のぼせて倒れることがあります。シャワーの温度は37°が目安です。人間がぬるいと感じる程度で構いません。

また、シャンプー中は常に犬の表情を確認するようにしましょう。舌を出してハアハアと呼吸している場合は温度を下げ、ブルブルと震えている場合は温度を上げて調節してください。

しっかりと最後まで乾かしてあげよう

犬のシャンプーは、汚れを落とすことも大切ですが、しっかりと最後まで乾かすことも大切です。乾かし残しがあると、犬の皮膚に雑菌が繁殖し、皮膚炎を引き起こす原因となってしまいます。

乾いたかどうかを確認するには、ドライヤーの冷風を犬の体にあて、1本1本の毛が風になびいているかを調べます。

もしも乾いていなければ、かたまりになった毛がヨレヨレとなびいているはずです。どの部分の毛もサラサラとなびくよう、しっかり乾かしてあげましょう。

まとめ

体をタオルで拭いてもらう犬
犬の自宅シャンプーは、正しい方法で行わないと、もつれや毛玉を作ってしまったり、皮膚病の原因になったりします。

また、シャンプーは、意外と犬の体に負担をかけてしまうため、体調が良い日に行うことも大切です。適切な頻度や注意点を守って、犬にとって負担の少ないやり方を心掛けてあげましょう。

氏原由佳理 文:氏原 由佳理

トリマー歴9年。愛玩動物飼養管理士1級。ホリスティックケア・カウンセラー。

動物の専門学校を卒業後、ペットショップ、動物病院でトリマーとして勤務。現在は自宅でサロンを開業し「心地よいトリミング」をテーマに、犬の気持ちに寄り添った負担の少ないトリミングを実践中。ちょっと大きめトイプードルと暮らしてます。

この記事が気に入ったら
Qpetに「いいね!」しよう

スポンサーリンク

PAGE TOP