2018年6月19日

【計算例付き】愛犬に与えるドッグフードの1日の摂取カロリー計算方法

愛犬に与えるドッグフードの量は少ないと栄養不足が心配になり、量が多いと肥満の原因になるので悩まれる飼い主が多いと思います。

そこで今回は「愛犬にとっての適切なドッグフードの(カロリー)量」を知る計算方法をご紹介しますので、この機会にぜひ与える食事の量を見直してみてください。

給与量をみるときの注意点

大きなお皿と大量のドッグフードを犬が食べている様子
愛犬に食事を与える際に、ドッグフードのパッケージ裏に記載されている給与量を参考にしている飼い主が多いと思います。

しかし、記載されている量はあくまでも目安に過ぎません。ここでは、給与量をみるときに気を付けたい注意点をご説明します。

記載されているのは1日量

パッケージ裏に記載されている給与量は、1日量です。

つまり、1日2回に分けて食事を与える場合は、1回量は記載されている値の半分になります。1日量と1回量を勘違いしないように気を付けましょう。

愛犬の体型を考慮する

パッケージに記載されている給与量は、体重別になっています。

しかし、これは標準体型であることを前提にした数値です。肥満型の犬や痩せ型の犬に適応すると、理想的な給与量と差が出てきます。

愛犬が体型に合わせて、標準体型に近づけるように調整する必要があります。肥満型であればドッグフードの量を減らし、痩せ型であればドッグフードの量を増やすことで与えるカロリーの量を調節しましょう。

運動が多ければドッグフードも多めに

犬種や個体によって、活発で運動好きな犬もいれば家でのんびりするのが好きな犬もいます。

過ごし方が違えば、必要摂取カロリーも異なります。ドッグスポーツに励んでいるような犬であれば、大人しい性格の犬の何倍もカロリーを消費します。

ドッグフードを与えるときには、運動量も加味して量を調節することで健康的な体型を維持することができます。

運動量が多い犬であっても、食事全体の栄養バランスを崩して調整する必要性はほとんどありません。

運動量が多い犬は、犬種や運動時間に応じて給与量を調整する必要があります。短時間の運動から時間を図って体重の変動を記録して、量を調整する必要があります。

また、人間と同じく運動前には消化によいものを中心にエネルギー量を多いものを、運動後や睡眠前には、たんぱく質が多量に含まれているものを与えるようにしましょう。

おやつも計算に入れる

最近の室内犬は、肥満型が多いといわれています。

その理由の一つとして、おやつの与えすぎがあります。

飼い主としては、かわいい愛犬におねだりされるとおやつを与えたくなりますが、健康を損なって苦しませることになれば本末転倒です。

おやつは、通常のドッグフード以上に高カロリーな物が多いです。おやつを与える場合には、その分ドッグフードの量を減らして摂取カロリーを調整する必要があります。

なお、栄養面の観点でおやつから摂取するカロリーは全体の10%以下に抑えてあげる必要があります。

愛犬の消費カロリーは季節によって異なる

犬の消費カロリーおよび食欲は、季節によっても異なります。

「冬太り」という言葉がありますが、犬が最も太りやすいのは過ごしやすい春と秋です。この時期には愛犬の肥満に注意しながらドッグフードを食べさせましょう。

それとは逆に、暑い夏は食欲がなくなります。しかし、犬は暑い日にパンティングを行うため非常に多くのエネルギーが必要になります。

栄養不足にならないように、少量でしっかりとカロリーを摂取できるドッグフードを選びましょう。

外気温が低いなかで体温を保たなければいけないので、同様に冬も多くのエネルギーが必要となります。

特に寒い地域では夏の1.5倍のエネルギーが必要になることがあるので、たっぷり栄養補給させることが大切です。

室内飼いか、外飼いか

近頃は室内飼いが主流で、特に街中では外飼いされている犬を見なくなりました。郊外では犬を庭で飼われている方も居ます。

天気や気温の影響も大きく受けることになり、庭で放し飼いされている場合は運動量も増えるので外飼いの方が、エネルギーの消費量が増えるのでご注意ください。

特に、暑い夏と寒い冬はその違いが顕著に現れます。愛犬を外で飼っている飼い主で、愛犬が痩せ型の場合は、記載されている給与量よりも多めにドッグフードを与える必要があります。

ライフステージ

同じ犬種でも、ライフステージが違えば必要な食事量も異なります。

子犬のうちは成長するためにかなりのエネルギーが必要なので、しっかりと栄養を摂らせなければいけません。

老犬になると運動量が落ちるため、それに合わせて食事量も減らす必要があります。

ライフステージを考慮せずに子犬の頃と同じ量の食事を与えていると、年齢と共にエネルギー過剰で肥満型になります。

犬は人間よりも早く成長し早く老化するので、定期的に食事量を見直すようにしましょう。

必要カロリーと摂取カロリーの計算方法

ハスキーが手にもたれた一粒のドッグフードを舌を出しながら見つめている様子
必要カロリーとは毎日補給する必要があるカロリーのこと、そして摂取カロリーとは実際に体内でエネルギーとなっているカロリーのことです。

最も理想的なのは、必要カロリーと摂取カロリーがイコールになっていることです。

ここでは、それぞれの計算方法を簡単にご紹介します。

必要カロリーの計算方法

必要カロリーの計算方法は、以下の通りです。

1日の必要カロリー=安静時エネルギー要求量(RER)×ライフステージ係数

安静時エネルギー要求量(RER)とは

安静時エネルギー要求量(RER)とは、生命を維持するために必要なエネルギーです。その計算式は以下のようになります。

安静時エネルギー要求量(RER)=70×(適正体重㎏)の0.75乗

ライフステージ係数とは

ライフステージ係数とは、犬の月齢・年齢、および生活状況をもとに決められた係数です。以下を参考にしてください。

・減量中、重篤管理の犬 1.0
・老犬、肥満型 1.4
・不妊手術済みの成犬 1.6
・活発な1歳以上の成犬 1.8
・1日2回程度の徒歩で参加 2.0
・1日2回程度のランニング 2.5~3.5
・成長期の犬 3.5
・泌乳期の犬 4.0~8.0
・ドッグスポーツ等 4.0~8.0

摂取カロリーの計算方法

摂取カロリーを算出する計算式は、以下の通りになります。

1日の摂取カロリー=給与量(g)÷100(g)×kcal/100g

ドッグフードのパッケージに、100gあたり何kcalなのかが記載されていると思います。その情報を上記の計算式に当てはめて計算してみてください。

計算例

体重が3kgの場合は3x3x3=27 27の値が3乗した値になるので√を2回押します。

2.279に70を掛けて159前後が消費カロリーの目安になります。

4kgの場合は約197kcal、5kgの場合は約234kcal、約268kcalになります。

0.75乗は、3乗した値の平方根の平行根です。シンプルな計算ではないので、電卓を用いて計算することをおすすめします。

愛犬の体重からエネルギー要求量の値が出ましたら、ライフステージ係数を掛けます。

体重3kgの避妊、去勢済みの成犬であれば約254kcal、体重4kgの約354kcalになります。

こちらのエネルギー要求量を元にして餌を与えて、日々の体重測定で太るようであれば減らす等の細かな調整を行ってください。


適切な給与量を知るためには?

ゴールデンレトリバーがドッグフードが入った容器を見て舌を出している様子 先に述べたように、ドッグフードのパッケージ裏に書かれている給与量は大雑把な目安にしかなりません。

必要なカロリー摂取量は多くの要因に左右されるため、記載されている値だけを頼りにフードを与えていると理想の食事量と大きくかけ離れてしまうこともあります。

愛犬の詳細情報を入力することで適切な給与量を知ることができるサイトがあるので、活用されるのも一つの手です。

また、愛犬の体重で悩みがある場合は動物病院で尋ねてみましょう。実際に愛犬の状態を見てもらえますし、信頼性が高いのでおすすめします。

まとめ

ゴールデンレトリバーがドッグフードを入れる空の容器を口に咥えている様子
毎日の食事は、健康の基本です。与えるドッグフードの種類も大切ですが、食べさせる量にも気を配らなければいけません。

ここでご紹介した情報を参考にして、ぜひ愛犬に与えるフードの量を見直してください。

愛犬のライフステージや生活習慣等に合わせて適切にドッグフードを与えて長生きできるようにしてあげましょう。

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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


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