2018年6月29日

【獣医師監修】犬の『うんち』について知っておきたい知識!

監修にご協力いただきました!

2002年麻布大学卒業

2002年目黒区の病院に勤務

2008年中央区の病院に勤務

2012年大田区の病院に勤務

2016年大田区西蒲田にてマリア動物病院開院

言葉を話せない犬は、「お腹が痛い」「具合が悪い」を言えません。気づいてあげられるのは飼い主だけです。

今回の記事では、犬の便から分かる健康状態について詳しく解説していきます。犬の便も人間同様に健康のバロメーターです。

是非覚えておきましょう。

健康的な犬の便の特徴

犬がトイレをする様子

硬さと艶

健康的な便はティッシュで難なく掴める固さです。

例えば散歩中にはビニール袋に入れて処理しますが、その際に便の形がほぼ崩れない状態です。

形もコロンとまとまって、程よく水分が含まれ艶のある状態です。
 

普段通りの臭い

食べた物にもよりますが何らかの病気になれば、普段より便の臭いはキツくなります。

毎日チェックしていれば、その違いが分かるはずです。

わざわざ鼻を便に寄せる必要はありませんが、近くにいるだけでも臭いは感じとれますので普段の臭いを記憶しておきましょう。

色の違い

健康的な便の色は「黄褐色~茶色」です。

この色より濃すぎても薄すぎても健康的な便だとはいえません。

ただし、与えた食材の影響もあるので、それを加味してチェックする必要がありますね。

病気が疑われる場合の便の特徴

犬のトイレの様子

白っぽい便

白い便の場合には、消化管内に胆汁が排泄されていないことが考えられます。

健康的な便の色を作り出すビリルビンといわれる胆汁色素が深く関わっているためです。

また、膵臓から分泌される消化液が少なくなっていることもあります。

便が白くなる原因として細菌感染による場合もありますので注意が必要です。

細菌感染ならば発熱や下痢も伴うことが多く、診察が必要でしょう。

免疫力の低い老犬や子犬なら脱水症状から重症化することもあるため特に注意しましょう。

緑っぽい便

消化不良で十分な消化吸収が行われていないことから、急速に食べ物が腸内を通過していることが考えられます。

腸の機能障害も考えられますので早めの診察をオススメします。

黒っぽい便・タール状の便

「真っ黒」の便は小腸内や胃で出血が起こっている可能性がありますが、肉メインのドッグフードを食べさせている場合には「黒っぽい」又は焦げ茶の便が出ます。

硬さも正常で程よい水分や艶があり、単純に色が黒っぽいだけなら心配ないケースもあります。

注意しなくてはならないのが「タール状の便」です。

タール状とは、真っ黒でドロッとして異様にテカテカとしている「タールに似た便」を指します。

この場合には緊急事態だと考え診察が必要です。

考えられるのは胃や腸内で大量の出血が起こっている状態で、少ない出血でタール状の便にはなりません。

場合によっては胃ガンも考えられます。

普段より臭い

便の臭いは食べたものにより左右しますが、消化不良で未消化のものを便に含む時にも臭くなることがあります。

また米や芋類、油分を過剰に与えた時も便が臭くなります。

腐敗臭や酸味のある臭いの場合には、脾臓や小腸、大腸に何らかの問題がある場合もあります。

水っぽい便

水っぽい便が続く場合、腸に悪い細菌やウィルスが繁殖していることや感染症、何らかの中毒を引き起こしている可能性もあります。

様子がおかしいと感じたら診察をしてもらいましょう。


動物病院での検便

診察を受けるハスキー 動物病院では犬の検便が実施されています。方法は2つで直接法と集虫法です。

直接法とは生理食塩水を使って犬の便を希釈し、顕微鏡で確認する方法となります。

直接法では腸内の細菌の状態や寄生虫の有無、更には大腸や小腸の細胞に関わることを知ることができます。

一方、集虫法は、便を溶かした飽和食塩水の上澄液を顕微鏡で確認する方法となります。

これらの方法の違いは、直接法だと様々なことを発見できますが一部の僅かな寄生虫の卵などは発見が難しいとされ、集中法は逆に僅かな寄生虫の卵も発見可能であるが細菌や細胞を確認することはできないので、沢山のことを見つけるのには向いていません。

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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


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