2019年1月6日

「ペット向けバリアフリー」老犬が住みやすい家づくりのコツ

子犬の頃は元気いっぱいに走り回っていた犬も、年を取ると徐々に足腰が衰えていきます。愛犬が年を取ってきたと思ったら、部屋の中をバリアフリーにして少しでも快適に過ごせる環境を作ってあげましょう。

ここでは、老犬が住みやすい家づくりのコツをご紹介します。ぜひ参考にして、家の中の環境を改善してみてください。

歩いているときに滑ってしまう場合の対策

犬の前足の肉球
犬はつるつるしたフローリングの上を歩くことが苦手です。子犬や成犬のうちはそれでも足の力で踏ん張ることができますが、老犬になると足の筋力が衰えるため踏ん張りがきかずに滑りやすくなってしまいます。

滑りやすい床の上を歩くと足腰に大きな負担がかかるため、小型犬に多い「膝蓋骨脱臼」や大型犬に多い「股関節形成不全」、胴長犬種に多い「椎間板ヘルニア」などになりやすくなります。

また、滑って転んで大怪我をすることも十分に考えられます。自宅の床がフローリングの場合は、少しでも早く対策しましょう。

床に敷くものとしては、タイルマットがおすすめです。滑りにくいため犬にとって歩きやすく、また汚れたときには1枚だけをはがして洗うことができるのでお手入れが簡単です。万が一転んでも怪我をしないように、クッション性があるものを選ぶといいでしょう。

滑りにくい床としてはカーペットもありますが、カーペットは爪が引っかかってしまいがちです。また汚してしまったときに洗うのが大変なので、犬がいる家庭にはあまり向いていないかもしれません。

お気に入りのベッドやソファに登れない場合の対策

ソファで眠るシーズー
ジャンプ力が衰えると、お気に入りだったベッドやソファに登るのが難しくなってしまいます。また何とか登れたとしても、足腰の弱い老犬は着地のときに足腰を痛めてしまう危険性があります。

かといって、好きな場所に行けないままにするのはかわいそうですよね。ベッドやソファなどの高いところに登りたがる場合は、ペット用スロープを用意してあげましょう。

市販されているスロープには色々な高さのものがありますが、高さを自由に調節できるタイプだと移動させて使えるので便利です。

なお、スロープを設置しても犬がなかなか使ってくれないというときもあります。そのような場合は、おやつなどを使って「スロープを使うといいことがある」と教えてあげてください。


部屋のあちこちに身体をぶつけてしまう場合の対策


老犬になると、家具などに身体をぶつけやすくなってしまいます。これは五感が衰えることが原因で、視力、聴覚、嗅覚などが利かなくなることで障害物をよけるのが難しくなってしまうのです。

フラットな壁にぶつかるくらいであれば問題ないかもしれませんが、運悪く家具の角などにぶつかると大怪我をする危険性があります。万が一ぶつかっても大丈夫なように、あらかじめ対策しておくことが大切です。

体をぶつけてしまいがちな老犬を守るために有効なのは、コーナーガードです。テーブルやタンス、クローゼットなどの角にコーナーガードを貼り、ぶつかっても怪我をしにくい状態にしておきましょう。

なお、クローゼットや引き出しなどを開けっぱなしにしておくのはとても危険です。愛犬を危険にさらさないように、普段から注意を怠らないようにしてください。

庭で座っている年老いたゴールデンレトリーバー 年を取ると若い頃のように無理をすることができなくなるため、飼い主の環境に対する配慮がとても大切になります。怪我をしてしまってからでは遅いので、愛犬を守るためにも早めにバリアフリーにしてあげましょう。

また、老犬の健康のためには食事管理や心のケアも大切です。足腰が弱っても心豊かな生活ができるように、多面的にサポートしてあげてくださいね。

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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


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