2017年9月12日
犬のノーリードは法律(条例)違反?事故やトラブルにもつながる危険性も
道をノーリードで散歩している犬を見かけたことがある方も居るのではないでしょうか。
リードに繋がれず自由に歩いている犬の姿は快適そうで、自分の犬もノーリードで歩かせたいと思うかもしれません。
しかし、ノーリードで犬を散歩させると犬自身だけでなく、周囲を危険に晒すことにも繋がります。
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犬のノーリードに関する法律
ペットの飼育に関しては法律でも記述があります。ノーリードで犬を歩かせることが法律違反に当たるのかどうかを、まず確認してみましょう。
ノーリードと直接関係があるものには、以下の法律があります。
動物の所有者又は占有者は、動物が人の生命,身体若しくは財産に害を加え,又は人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない(同法7条1項)
犬を道路等屋外で運動させる場合には,犬を制御できる者が原則として引き運動により行うこと、犬の突発的な行動に対応できるよう引綱の点検及び調節等に配慮すること。(第4 犬の飼養及び保管に関する基準より)
動物の愛護及び管理に関する法律では、迷惑をかけないようにする努力義務が明記されているだけであり、ノーリードについては触れられていません。
しかし、家庭動物等の飼養及び保管に関する基準では「屋外での運動は引き運動により行う」という記述があります。
これは、散歩をさせる場合はリードをつけなければいけないという意味です。
そして、ここで問題となるのが「原則として」の文字です。
この文言があるがために、「きちんとしつけをしたうちの犬は大丈夫」と解釈をすることもできてしまうのです。
そのため、各地方自治体が定める条例ではノーリードに関してよりはっきりと記述されていることが多くあります。
例として、東京都の条例を見てみましょう。
第九条 犬の飼い主は、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
一 犬を逸走させないため、犬をさく、おりその他囲いの中で、又は人の生命若しくは身体に危害を加えるおそれのない場所において固定した物に綱若しくは鎖で確実につないで、飼養又は保管をすること。ただし、次のイからニまでのいずれかに該当する場合は、この限りでない。
イ 警察犬、盲導犬等をその目的のために使用する場合
ロ 犬を制御できる者が、人の生命、身体及び財産に対する侵害のおそれのない場所並びに方法で犬を訓練する場合
ハ 犬を制御できる者が、犬を綱、鎖等で確実に保持して、移動させ、又は運動させる場合
ニ その他逸走又は人の生命、身体及び財産に対する侵害のおそれのない場合で、東京都規則(以下「規則」という。)で定めるとき。
表現が固く理解しづらいですが、第9条一のハを読むと、散歩の時には犬をリードなどで繋いで置かなければいけないということがわかります。
表現方法は様々ですが、ほとんどの都道府県では犬のノーリードを禁止しているようです。
しかし、罰則規定があるかどうかは都道府県によって異なります。
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犬のノーリードが犬にもたらす危険性
条例で禁止されているノーリードですが、リードをする目的は条例違反を避けるためではありません。リードを使用する一番の目的は、「愛犬を守ること」です。
ノーリードで散歩をすると、愛犬を危険な目に合わせてしまう可能性があります。
事故に遭う
ノーリードの状態だと、愛犬がいつの間にか遠くへ行っていても飼い主は気が付きません。後ろにいると思っていたら愛犬が車道に出ていて、車に轢かれてしまうこともあります。
これがもし自転車であれば、愛犬が怪我をするだけでなく相手に怪我をさせてしまう可能性もあります。
行方不明になる
きちんとしつけられているお利口な犬が、散歩の途中にいなくなることは考え難いかもしれません。しかし、大きな音がしたり地震が起きた場合に、驚いてどこかに行ってしまう事もあります。
パニック状態に陥った犬に飼い主の声が届かず、そのまま行方不明になる可能性は十分にあります。
犬のノーリードで起こりうる周囲とのトラブル
ノーリードの問題点は、愛犬がトラブルに遭うだけではありません。様々な問題点を見ていきましょう。
他の犬や人を怖がらせる
フレンドリーな犬であれば、道で見かけた犬に寄っていく場合があります。しかし、見知らぬ犬に怯えてしまう犬種もいます。
また、犬が苦手な人も少なくありません。
犬が苦手な人にとって、ノーリードでうろうろしている犬は「いつ噛み付いてくるかわからない」と恐怖を感じることもあります。
飼い主にとってはおとなしくて可愛い愛犬であっても、他人にとっては“怖い犬”かもしれないということを覚えておきましょう。
人のモノを壊す
ノーリードで散歩をしていた犬が、人の家の庭に侵入してモノを壊してしまうかもしれません。犬が壊したものは、当然飼い主が弁償することになります。しかし、これはお金だけの問題ではありません。
飼い犬が人の所有物を破損することによって、ご近所さんの信頼を失います。
周囲の信頼を失う事で、リードの有無に限らずあらゆる制限が設けられる可能性があり、その場合は他の飼い主の方に影響するかもしれません。
人に怪我をさせる
ノーリードの犬が人に飛びつくことは珍しくないですが、相手が子供やお年寄りであれば転んで怪我をさせてしまう可能性もあります。これは、人懐っこい犬が戯れるつもりで飛びついたとしても関係ありません。
治療費の支払いだけでなく、損害賠償を請求される可能性もあります。
犬同士が喧嘩になる
おとなしい犬でも、相性が悪い犬と喧嘩になることはあります。ノーリード状態だと犬を制御することが出来ないので、体格差がある犬同士の喧嘩になると、命に関わる事もあります。
飼い主が犬の喧嘩の仲裁に入って大怪我をした例もあります。
リードなしで興奮した犬をコントロールするのは、それだけ難しいことだといえます。
咬傷事故を起こす
咬傷事故というと「野良犬がいきなり人を噛む」といった場面をイメージする方が多いと思いますが、咬傷事故はどんな犬であっても引き起こす可能性があります。環境省によって発表されたデータでは、平成26年に4,364件もの犬の咬傷事故が起きています。
さらに、人間に対する咬傷事故の被害者の92%は飼い主や家族以外の他人だということもわかっています。
犬に噛まれた被害者は、痛みや傷跡、場合によっては感染などに苦しみます。
また、飼い主の管理に問題があると行政が判断すれば、最終的に犬が殺処分される場合もあります。
ノーリードが原因で起こる咬傷事故は、誰にとっても悲しい結果になります。
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犬のノーリードはマナー違反
ノーリードで犬を散歩させている飼い主は、自分のしつけを過信している場合が大半になります。そのため、ニュースで犬の咬傷事故が取り上げられていても「自分の犬だけは大丈夫」と信じ込んでしまいます。
しかし、どんなにおとなしくて利口な犬でも生き物である以上本能的に攻撃してしまうことがあるので、絶対に安全とは言い切れません。
ノーリードに限らず、マナーを守ることは犬を飼う上での絶対条件です。
マナーを守らずに人に迷惑をかける行為は、飼い主としての素質が不十分だといえるでしょう。
また、マナーを守ることは犬を守ることでもあります。
犬のためにも周囲のためにも、マナーをしっかり守ることが大切です。
まとめ
ノーリードは、一見すると自由で楽しそうに見えます。しかし、ノーリードは周囲に迷惑をかける場合や、様々なトラブルを引き起こす事があります。
そして、最悪の場合は大切な愛犬を失ってしまことに繋がります。
リードで繋ぐのは決して不憫なことではなく、人と犬が仲良く暮らすためのルールの一つだと覚えておく事が必要です。
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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。
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