2018年3月3日

老犬の健康管理で重要なポイント【住まい編】

バリアフリーという概念があるように、老犬に対しても“老後の快適な空間づくり”が大切となります。

健康管理の一貫として、老犬と暮らす部屋作りで配慮すべき点をまとめてみました。

老犬のための部屋作りは早いほどいい

ベッドの上で寝ているダックスフンド 毎日側にいる飼い主から見て、犬の明らかな老化による変化を感じとるのは難しいですよね。

白髪や黒目の濁りなど明らかな外見の変化がなくても、気づかぬうちに過ごしにくくなっている可能性があります。

例えば若い年齢の時は難なく越えることができていた僅かな段差や階段、それに加えて筋力も衰えることで滑りやすい床は大怪我に繋がることさえあります。

しかし見方を変えれば、これらは元気な成犬時であっても身体に負担を与えているわけです。

現時点で愛犬がシニア期でも、成犬期でも、可能な限り早めに対策していただきたい、というのが前提となります。

また、愛犬が不便に感じているポイントを見落とす最大の原因は、やはり犬と人間の目線の違いでしょう。

そのことを踏まえて、具体的な空間づくりの方法についてお話していきます。

老犬のための部屋作り3つのポイント

ドアの隙間を覗いているダックスフンド

1.老犬が落ち着ける場所を確保

歳をとると動き回ることが億劫になり、睡眠時間も少しずつ増えていきます。

そのため、今まで以上に犬のための定位置(パーソナルスペース)が重要となるのです。

犬の習性として暗くて狭いところを好む傾向があるため、そのような空間を改めてつくってあげることをオススメします。

2.バリアフリーなどの安全対策

☑カーペットやコルクマットで滑り止め

全年齢で言えることですが、健康管理の上で滑り止めは非常に重要です。

足元が滑りやすい状態だとただ座っているだけでも、どんどん足腰に負担がかかります。

特に老犬は踏ん張る力がどんどん弱っていくので、一度足腰を痛めると回復が難しくなります。

同様の理由で、トイレの失敗が増えてもすぐおむつに切り替えず、しっかり足の踏ん張りが利く(滑らない)空間づくりなどを優先してあげて下さい。

すぐにおむつに切り替えることで、犬が後ろ脚で踏ん張る機会がなくなってしまい、足腰が一気に弱ってしまうケースもあるからです。

☑行動範囲を飼い主側で制限する

階段は腰に大きな負担を与えるので、今まで行き来する習慣があったとしても、今後のためにも立ち入り禁止にしましょう。

ゲートならホームセンターなどで簡単に見つけられます。

生活上避けられない段差や、ソファの上り下りなどは、ステップやスロープをつけて負担を軽減します。

ステップなどは分厚い冊子や座布団を重ねるなど、家にあるものでもすぐにつくれるので挑戦してみて下さい。

☑頻繁な模様替えは避けましょう

犬はもともと目が悪く、加齢とともにさらに視力が低下します。

いつもは何も無かった場所に大きな家具を配置してしまうと思わぬ怪我をする危険性もあります。

身体能力の低下も伴って、歩行中にものにぶつかることも増えるので、その対策も必要です。

ぶつかった際に落下してくることがないよう家具の上に置かれたものも確認しておきましょう。

3.衛生管理と温度・湿度調整

屋外の車庫で座っているダックスフンド

☑寝床の手入れは頻繁に

年をとると、同じ場所で長時間過ごすことが多くなります。

そのため寝床は湿気をおびやすくなり、カビ発生やホコリも溜まりやすくなります。

毛布やベッドは頻繁に洗うなど衛生管理に気を配りましょう。

歯周病などを患っている場合口元が汚れやすくなり、食事後に毛布やベッドで拭く癖がつくケースもあります。

☑老犬は体温調節が下手になります

老犬は体温調節が若い頃に比べて下手になるので、暑さ寒さ対策には今まで以上に気を使う必要があります。

外部からやってくるものへの抵抗力も低下するので、気温だけでなく湿度のコントロールも大切です。

また、人間と犬は体高の違いから空調の影響の受け方も大きく変わることを意識しておきましょう。

こちらを見上げているダックスフンド 老犬にとって優しい空間は“全年齢にとって優しい空間”でもあります。

成犬時も意識してほしいポイントばかりですし、愛犬がシニア期にはいったようであればできるだけ早く対策に取り組むことが理想です。

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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


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